すばやさ
すばやさは、ポケモンのステータスの1つ。高いほど先に攻撃できる(同じ優先度のわざを使った場合)。
目次
概要
すばやさは能力値の中でも特殊なものである。ほかの能力値はダメージ計算にてランダム化がかかるので1の違いはそれほど大きくなることはない(とはいえHPの4n+1振りなどセオリーはある)のだが、このすばやさはランダム化がないため、1違うだけで先攻と後攻が決定する。したがって1の違いが攻撃回数を左右してしまうことにもなりかねない。そのため○○抜きなどのすばやさパターン集も出回っている。トリックルームで戦う場合や使うと交代するわざを使う場合など、最遅にした方が有効になることもある。自分と相手が優先度が異なる技を使う場合、すばやさは影響しないのですばやさの意義は薄くなるが、相手も同じ優先度の技を使ったときはすばやさにより先攻が決まる。
急所に当たる確率(第一世代のみ)やにげるの成功率にも関係する。
計算方法
((種族値×2+個体値+努力値÷4)×レベル÷100+5)×せいかく補正
- すばやさが上がりやすいせいかく (1.1倍)
- おくびょう・せっかち・ようき・むじゃき
- すばやさが上がりにくいせいかく (0.9倍)
- ゆうかん・のんき・れいせい・なまいき
種族値としてのすばやさ
世代別最大値・最小値
最大 | 最小 | |||
---|---|---|---|---|
ポケモン | 値 | ポケモン | 値 | |
第一世代 | マルマイン | 140 | ヤドン | 15 |
第二世代 | ツボツボ | 5 | ||
第三世代 | デオキシス (スピードフォルム) |
180 | ||
第四世代 | ツボツボ ゴンベ | |||
第五世代 | ||||
第六世代 | ||||
第七世代 | ツボツボ ゴンベ ナマコブシ | |||
第八世代 | レジエレキ | 200 |
タイプ別最大値
- 第八世代において、タイプ別ですばやさの種族値が最高のポケモンは次のとおり。ただし、アルセウスはノーマルタイプのみとする。また、伝説のポケモンの欄には、メガシンカポケモンを除く。太字はそのタイプで最も高い値。
タイプ | 通常のポケモン | 値 | メガシンカポケモン | 値 | 伝説のポケモン | 値 |
---|---|---|---|---|---|---|
ノーマル | オオスバメ | 125 | メガミミロップ | 135 | メロエッタ (ステップフォルム) |
128 |
ほのお | ヒヒダルマ(ガラル) (ダルマモード)※ |
135 | メガヘルガー | 115 | エンテイ ビクティニ |
100 |
みず | カマスジョー | 136 | メガサメハダー | 105 | ケルディオ | 108 |
でんき | マルマイン | 150 | メガライボルト | 135 | レジエレキ | 200 |
くさ | ジュカイン | 120 | メガジュカイン | 145 | シェイミ (スカイフォルム) |
127 |
こおり | ヒヒダルマ(ガラル) (ダルマモード)※ |
135 | メガオニゴーリ | 100 | キュレム | 95 |
かくとう | ルチャブル | 118 | メガミミロップ | 135 | フェローチェ | 151 |
どく | クロバット | 130 | メガスピアー | 145 | ムゲンダイナ | 130 |
じめん | ダグトリオ | 120 | メガガブリアス | 92 | ランドロス (けしんフォルム) |
101 |
ひこう | テッカニン | 160 | メガプテラ | 150 | シェイミ (スカイフォルム) |
127 |
エスパー | フーディン | 120 | メガフーディン | 150 | デオキシス (スピードフォルム) |
180 |
むし | テッカニン | 160 | メガスピアー | 145 | フェローチェ | 151 |
いわ | プテラ | 130 | メガプテラ | 150 | テラキオン | 108 |
ゴースト | ドラパルト | 142 | メガゲンガー | 130 | バドレックス (こくばじょうのすがた) |
150 |
ドラゴン | ドラパルト | 142 | メガジュカイン | 145 | ムゲンダイナ | 130 |
あく | ゲッコウガ (サトシゲッコウガ)※ |
132 | メガヘルガー メガアブソル |
115 | ダークライ | 125 |
はがね | ダグトリオ (アローラのすがた) |
110 | メガルカリオ | 112 | ザシアン (けんのおう) |
148 |
フェアリー | アブリボン | 124 | メガディアンシー | 110 | ザシアン (けんのおう) |
148 |
※フォルムチェンジを入れない場合、ほのおタイプはファイアローの126、こおりタイプ、あくタイプはマニューラの125が最高値である。
努力値としてのすばやさ
- 1貰えるのは、コイキング、オニスズメ、コラッタ等、61体
- 2貰えるのは、ピカチュウ、ニョロゾ、マッスグマ等、33体
- 3貰えるのは、ライチュウ、クロバット、ワタッコ、ジュカイン、ピジョット、シェイミ(スカイフォルム)、デオキシス(スピードフォルム)の7体
上昇方法
戦闘中
ランク補正
- どうぐ
- わざ
- Zワザ
- あくび↑
- あくまのキッス↑
- あまごい↑
- あられ↑
- アンコール↑
- いえき↑
- いとをはく↑
- うたう↑
- エレキフィールド↑
- オーロラベール↑
- おさきにどうぞ↑
- ガードシェア↑
- ガードスワップ↑
- くさぶえ↑
- こわいかお↑
- さいみんじゅつ↑
- さきおくり↑
- しんぴのまもり↑
- スキルスワップ↑
- すなあらし↑
- スピードスワップ↑
- ちょうおんぱ↑
- どくのいと↑
- なやみのタネ↑
- なりきり↑
- にほんばれ↑
- ねばねばネット↑
- ねむりごな↑
- パワーシェア↑
- パワースワップ↑
- ロックオン↑
- ギフトパス↑↑
- サイドチェンジ↑↑
- さきどり↑↑
- すりかえ↑↑
- トリック↑↑
- よこどり↑↑
- リサイクル↑↑
- Zおいわい↑ (こうげき↑・ぼうぎょ↑・とくこう↑・とくぼう↑)
- Zテクスチャー↑ (こうげき↑・ぼうぎょ↑・とくこう↑・とくぼう↑)
- Zてをつなぐ↑ (こうげき↑・ぼうぎょ↑・とくこう↑・とくぼう↑)
- Zハッピータイム↑ (こうげき↑・ぼうぎょ↑・とくこう↑・とくぼう↑)
- Zスケッチ↑ (こうげき↑・ぼうぎょ↑・とくこう↑・とくぼう↑)
- Zもりののろい↑ (こうげき↑・ぼうぎょ↑・とくこう↑・とくぼう↑)
- Zじょうか↑ (こうげき↑・ぼうぎょ↑・とくこう↑・とくぼう↑)
- Zハロウィン↑ (こうげき↑・ぼうぎょ↑・とくこう↑・とくぼう↑)
- Zジオコントロール↑ (こうげき↑・ぼうぎょ↑・とくこう↑・とくぼう↑)
- ブレイジングソウルビート↑ (こうげき↑・ぼうぎょ↑・とくこう↑・とくぼう↑)
- ナインエボルブースト↑↑ (こうげき↑↑・ぼうぎょ↑↑・とくこう↑↑・とくぼう↑↑)
- ダイマックスわざ
- わざの追加効果
- とくせい
- その他
- ぬしポケモンのオーラ↑or↑↑
その他補正
努力値
下降方法
戦闘中
ランク補正
その他補正
努力値
詳細な仕様
- 道具や特性などによる補正の掛かった状態で、自分と相手が同じすばやさかつ同じ優先度のわざを使った場合、行動順はランダムに決まる。
- 行動決定後、ターン中にすばやさの値が変更された場合、
- ポケモンがメガシンカしたターンでは、第六世代ではメガシンカ前のすばやさと特性の効果で行動順が決まる。第七世代ではメガシンカ後のすばやさと特性の効果で行動順が決まる。
- せんせいのツメやイバンのみ、クイックドロウの効果が発動した場合、すばやさやトリックルーム状態に関わらず、同じ優先度の行動の中で最も早く行動する。
- 特性あとだしのポケモンやこうこうのしっぽ・まんぷくおこうを持たせたポケモンは、すばやさやトリックルーム状態に関わらず、同じ優先度の行動の中で最も遅く行動する。
- 特性あとだしのポケモンがせんせいのツメ・イバンのみを発動させたときや、こうこうのしっぽ・まんぷくおこうを持たせたポケモンがクイックドロウを発動させた場合、あとだし・こうこうのしっぽ・まんぷくおこうの効果は無視されて、同じ優先度の行動の中で最も早く行動するようになる。
- 第八世代でも、あとだし・こうこうのしっぽ・まんぷくおこうが譲渡されたり消滅したりしてもそのターンの行動順に影響はしない。
すばやさ補正
第四世代以前
第五世代以降
- 補正の効果ですばやさが0になることもある。
- すばやさにはいくつか補正される箇所がある。すばやさを計算に用いるとき、どのすばやさを使うかは場合により異なる。
- a. すばやさ実数値
- b. aのすばやさをランク補正他諸々の効果で補正したすばやさ
- c. bのすばやさが10000を超える場合、10000になる
- d. トリックルーム状態なら10000からcのすばやさを引く。トリックルーム状態でないならcのまま
- e. dのすばやさを213=8192で割った余りを出す。8192未満ならばそのまま
- すばやさには上限が設定されている。ランク補正・特性・もちもの・おいかぜの効果を受けても、cの処理によりすばやさが10000を超えることはない。さらに、8192以上になったすばやさはeの処理により8192引かれ、すばやさ1809~8191のポケモンより行動順が遅くなる。
- すばやさが1808以下のポケモンは、トリックルーム状態ではすばやさが遅い順に行動するようになる。すばやさが1809のポケモンはeのすばやさが8191になるため、他のどのポケモンよりトリックルーム下で早く行動する。すばやさが1810~10000に上がると、eのすばやさは8190から下がっていく。
- bの補正されたすばやさは以下のように求められる。
すばやさb = すばやさ実数値×ランク補正×すばやさ補正/4096×まひ補正 |
小数点は、ランク補正計算後は切り捨て、すばやさ補正を計算し4096で割った後は五捨五超入、まひ補正計算後は切り捨てる。
- すばやさ補正算出法
- 上から順に初期値4096に補正値を掛け4096で割る処理をする。各計算ごとに小数点は四捨五入する。
補正順 効果 補正値 近似倍率 発動条件など 特性 ようりょくそ 8192 2.0 特定天候・フィールド下ですばやさが2倍になる すいすい すなかき ゆきかき サーフテール スロースタート 2048 0.5 場に出て5ターンの間すばやさが半減する かるわざ 8192 2.0 もちものを手放すとすばやさが2倍になる はやあし 6144 1.5 状態異常になるとすばやさが1.5倍になる もちもの スピードパウダー 8192 2.0 メタモンが持つとすばやさが2倍になる こだわりスカーフ 6144 1.5 最初に選んだ技しか出せなくなる代わりにすばやさが1.5倍になる くろいてっきゅう 2048 0.5 地面にいるようになりすばやさが半減する パワー系アイテム 2048 0.5 得られる基礎ポイントが増えるがすばやさが半減する 状態 おいかぜ 8192 2.0 4ターンの間、すばやさが2倍になる 状態 しつげん 1024 0.25 4ターンの間、すばやさが1/4になる
- 例1
- すばやさ実数値154のドリュウズ(Lv.50)のすばやさランクが1段階下がっており、特性すなかき、持ち物こだわりスカーフ、おいかぜ、しつげん状態の効果を受けている。
- すばやさ補正値は 4096×8192/4096×6144/4096×8192/4096×1024/4096 = 6144
- すばやさb = (154×2/3)×6144/4096 = 153
- 括弧内で切り捨てる。すばやさ補正計算後、五捨五超入する。
- すばやさbが10000や8191を超えていないので、すばやさe = 153として行動する。
- 例2
- すばやさ実数値548のレジエレキ(Lv.100)のすばやさランクが6段階上昇しており、変更された特性サーフテール、持ち物こだわりスカーフ、おいかぜ状態の効果を受けている。
- すばやさ補正値は 4096×8192/4096×6144/4096×8192/4096 = 24576
- すばやさb = (548×4)×24576/4096 = 13152
- すばやさbが10000を超えているので、すばやさc = 10000 に切り捨てられる。
- すばやさdが8191を超えている。すばやさdを8192で割った余りは1808なので、すばやさe = 1808として行動する。
- ただし、エレキボールを使用する場合やジャイロボールを受ける場合、自身のすばやさは10000として計算する。
- 例3
- すばやさ実数値233のテッカニン(Lv.50)のすばやさランクが6段階上昇しており、おいかぜ状態とトリックルーム状態の効果を受けている。
- すばやさb = (233×4)×8192/4096 = 1864
- すばやさd = 10000-1864 = 8136
- すばやさdを8192で割った余りは8136なので、すばやさe = 8136として行動する。
備考
- 全ポケモンの種族値平均は66、最終進化形のみに限ると78である。
対戦におけるすばやさ
- すばやさ種族値が130のポケモンを130族と呼ぶ。その他、同じすばやさ種族値を持つポケモンをまとめて○○族と呼ばれることがある。
すばやさ調整
対人戦においては相手のポケモンよりも早い行動順で動くことが重要になるため、すばやさを調整するという育成法が行われることもある。
以下はメジャーなすばやさ調整の例で、括弧内は実数値。
- 最速100族抜き(168)
- すばやさ種族値100のポケモンは多いため重要となりやすい。
- 最速70族抜き(135)
- 最速のキノガッサなどを意識した調整。素の素早さで上からでもトリックルームで下からでも動ける、所謂「中速トリパ」でも一定の基準となる調整。
- こだわりスカーフ込み最速130族抜き(134)
- 最速70族が該当。
- 無振り85族抜き(106)
- 耐久特化したカプ・レヒレ、スイクン、クレセリアを意識した調整。
- おいかぜ込み最速100族抜き最遅90族抜かれ(84)
- 主に最遅90族(グラードン・カイオーガ)が出場できるダブルバトルでの調整。
- 4振り35族抜き最遅60族抜かれ(57)
- ギルガルドのバトルスイッチを意識した調整。ほぼ耐久特化しつつ素早さに努力値を4振りしたヌオー、ドヒドイデを意識した調整でもある。
- 無振り30族抜き(51)
- カビゴン、ヤドランなどを意識した調整。第六世代まででは相手のまひ込みで最速130族+4でもあった。
- 最遅30族抜かれ(30)
- トリパ仕様のカビゴン、ヤドランなどを意識した調整。最遅29族が該当。
ポケモン不思議のダンジョンにおけるすばやさ
ポケモン不思議のダンジョンシリーズでは移動速度のランク補正はあるもののマグナゲートと∞迷宮まですばやさは存在せず、行動の順序はリーダー→仲間 (チーム編成の並び順で)、最後に敵ポケモン (出現順) となっている。そのため、ポケットモンスターシリーズですばやさのランク補正を変化させるわざは移動速度を変化させるわざに変更されている。
ポケモン超不思議のダンジョンでは、すばやさは命中率に影響を与え、すばやさが高いほどわざの命中率が上がる。そのためすばやさの低いストーリー序盤ではわざが当たりにくい。
各言語版での名称と由来
言語 | 名前 |
---|---|
日本語 | すばやさ/素早さ |
英語 | Speed |
ドイツ語 | Initiative |
フランス語 | Vitesse |
イタリア語 | Velocità |
スペイン語 | Velocidad |
韓国語 | 스피드 (Speed) |
中国語(普通話・台湾国語) | 速度 (Sùdù) 敏捷度 (Mǐnjiédù, 漫画) |
中国語(広東語) | 速度 (Chūkdouh) 敏捷度 (Máhnjihtdouh, 漫画) |
チェコ語 | Rychlost |
デンマーク語 | Fart (アニメ) Hastighed (公式サイト) |
フィンランド語 | Nopeus |
ハンガリー語 | Gyorsaság/Sebesség |
オランダ語 | Snelheid |
ノルウェー語 | Fart (アニメ) Hastighet (公式サイト) |
ポーランド語 | Szybkość |
ポルトガル語 | Velocidade |
ロシア語 | Скорость (Skorost') |
スウェーデン語 | Snabbhet (アニメ) Hastighet (公式サイト) |
ベトナム語 | Sự nhanh nhẹn / Tốc độ |