個体値
個体値(こたいち、英: individual values、略してIVまたはIVs)は、ゲーム内でポケモンの能力値を算出するために用いられているパラメータのひとつ。
個体ごとの能力値の差を表している。隠しパラメータに位置づけられる要素ではあるが、第六世代以降はステータス画面で間接的に確認できる。この用語自体は俗称に過ぎず、現在公式には「生まれつきの能力」「生まれつきのつよさ」(英: individual strengths)などの表現を用いている。ただし、公式Twitterアカウントの1つである「ポケモン情報局」が掲載している漫画内では「個体値」という言葉が使われた例がある[1]。
概要
ゲームでも言及されているように、同じ種類・レベルの野生のポケモンを捕まえてステータスを比較したとき、(性格が一緒だとしても)その数値は捕まえるたびに異なることが常である。これはポケモンの個体それぞれにある個体値が異なっているからである。
ほとんどの場合、野生のポケモンとして遭遇したとき、タマゴが発見されたときなど、その個体が初登場したときに決定する。そして、それ以降はそのポケモンが進化したとしても変化することはない[2]。対戦時では、個体値の高いポケモンを厳選することが重要になってくる。
プレイヤーの間では32進法 (0, 1, …, 8, 9, A, B, …, U, V) を使い、個体値が31の時をV、30の時をUと表現することが多い。また個体値0のことを逆Vと呼ぶこともある。0, U, V以外の32進数表記は使う場面が少ないということもあり、あまり使われない。
個体値の決定方法
第二世代まで
個体値として0-15の値が、こうげき、ぼうぎょ、すばやさ、とくしゅ(とくこう・とくぼう)の4項目それぞれに存在する。これらは基本的に、野生であれば出現したとき、ゲーム内イベントで人からもらうとき、ランダムに決まる。例として、個体値が1違うと、レベル50のときのステータス値が1違う。
HPに独立した個体値は存在せず、ステータス計算時に個体値に相当する数値が4項目の個体値の偶奇によって算出されている。HPの個体値を基礎値0とすると、各項目が奇数であった場合、以下のような定数がHP個体値に加算される。
- こうげき +8
- ぼうぎょ +4
- すばやさ +2
- とくしゅ +1
最低で0、最大で15と、こうげき、ぼうぎょ、すばやさ、とくしゅの4項目と同じく0-15の範囲をとる。
ゲーム内イベントで入手したり、固定シンボルで出現したりするポケモンの場合、最高の個体値を持つポケモンが出る確率は、理論上65536分の1である。
草むらや洞窟で出現する場合、つまり通常のエンカウントで出現するポケモンの場合は、「マップごとに設定されたエンカウント率の%数×256」に同期の関係で定数がずれることで個体値のパターン数が決まるというエンカウント処理での乱数の仕様によりすべてのパターンの個体値とエンカウントする訳ではなく、特に第一世代では、(ポケモンスタジアム金銀のGBビル以外のプレイで)個体値が4箇所全て最大(俗にFFFFとも)のポケモンは自然なエンカウントでは出現しない。
第一世代では敵トレーナーが使うポケモンの個体値は一律、攻撃が9、その他が8である。
英語圏ではIVの代わりにDV (determinant values) が用いられることもある。
第三世代以降
個体値として0-31の値が、HP、こうげき、ぼうぎょ、すばやさ、とくこう、とくぼうの6項目それぞれに存在する。これらは基本的に、野生であれば出現したとき、ゲーム内イベントで人からもらうときにランダムに決まる。例として、他条件が同じで個体値が1違うと、レベル100のときのステータス値が1違う。
- ゲーム内交換など、交換などで入手するポケモンは特定の個体値に固定されているパターンも存在する。
- 第六世代以降では、一部の野生ポケモンにおいて個体値のうち確実に1-3つが最大になるように設定されているものが登場している(いわゆる「3V固定」など)。
- タマゴの場合はおやポケモンの個体値を遺伝するという形で、生まれたポケモンの個体値はある程度指定される。
なお、第七世代においてすごいとっくんを用いることで、個体値31相当の能力までポケモンのステータスを高めることができるようになったが、あくまでステータス計算時に、ステータスの実数値を「個体値31相当まで上げる」だけである。個体値そのものは変化しないため、めざめるパワーのタイプ計算や、タマゴが見つかる場合などの個体値計算は通常通り行われる。
個体値が直接関わるもの
- ステータスの計算
- 性別(第二世代のみ)
- 色違い判定(第二世代のみ)
- アンノーンの形状(第二世代のみ)
- ヘラクロス・ドジョッチ・キノココ・テッポウオ・コイキングのサイズ
- めざめるパワーの威力とタイプ
- むしとりたいかいの点数計算
個体値の確認
第三世代以降であれば、ジャッジによって大まかな個体値が確認できる。特に個体値V、ソフトによってはUや0もこの時点で特定可能である。
ジャッジが存在しないソフト、もしくはさらに具体的な値を知りたい場合は、そのポケモンの種族値と努力値、レベル、ステータスから逆算して求める方法がある。レベルが低い場合は異なる個体値でも同じステータスとなってしまい特定出来ないため、ある程度のレベル上げを行ったり(戦ってレベルを上げると努力値も入ってしまうのでふしぎなアメによるレベル上げを推奨)、強制的にLv.50になるルールの対戦に参加して確認すると良い。この際、めざめるパワーのタイプおよび個性をあらかじめ確認しておくとさらに絞り込みやすくなる。
外伝ゲームにおける個体値
ポケモン+ノブナガの野望における個体値
ポケモン+ノブナガの野望ではHP、こうげき、ぼうぎょ、すばやさの4つのステータスの個体値がポケモンの個体ごとに0-31の32段階で設定されている。
→各ステータスの算出方法についてはせんりょくの記事を参照。
Pokémon GOにおける個体値
Pokémon GOではHP、こうげき、ぼうぎょの3つのステータスの個体値がポケモンの個体ごとに0-15の16段階で設定されている。
→詳細は個体値 (GO) の記事を参照。各ステータスの算出方法についてはCombat Powerの記事を参照。
その他
- 俗に三値といわれる、種族値、個体値、および努力値はポケットモンスターシリーズにある独特の値である。ポケモン1体ごとにステータスが変わるという画期的なシステムであり、個体値とあわせ従来のRPGにあった「レベル-ステータス対応表」では表現できない複雑で多種なステータス計算、戦略的な育て方を提供した。
- ゲーム内に登場するNPCトレーナーの所持するポケモンの個体値は、通常ある値に固定されている。
- グレンジムのクイズの1つに「同じポケモンでも捕まえるたびに強さは違う?」というものがある。これはこの値のことを指しており、捕まえるたびに個体値は変わるため、正解は「はい」である。
- ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパールでは野生ポケモンの個体値のうち2つ以上が最大の場合(ダブルバトルのときは野生ポケモンのいずれかが条件を満たす場合)、50%の確率で戦闘開始時に主人公のカットインが表示される[3]。
脚注
- ↑ 【公式】ポケモン情報局 [@poke_times]. "#放課後ポケモン研究部 第8話" (ツイート). 2023年7月5日時点のオリジナルよりアーカイブ (同年7月6日時点で該当ツイートは削除されている)。2023年7月6日閲覧。
- ↑ 後述の通り、すごいとっくんは、ステータスの実数値を個体値31相当まで上げるだけであり、個体値は別に保持される。
- ↑ 3.0 3.1 Anubis (@Sibuna_Switch) - Twitter、2022年9月21日投稿。
関連項目