トゲキッス/対戦
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トゲキッスの歴史
第四世代
トゲチックの進化形として登場。特性てんのめぐみとでんじは、エアスラッシュによる通称「まひるみ」コンボと、特性はりきりによりしんそくを高火力のタイプ一致先制技として扱える通称「はりキッス」で名を馳せ強力なポケモンの仲間入りを果たした。だいもんじ、はどうだん、くさむすびなどサブウェポンにも十分に恵まれていた。
大会実績としてはポケモンリーグ2007中学生以上の部福岡地区4位の記録を残している。
WCS2010(GSダブル)ではグラードンのじしんを無効化できる上にこのゆびとまれで受けを担えることから需要が集まり、都道府県予選準優勝以上の報告が相次いだ。
第五世代
サイコショック、かたきうち、アシストパワーを獲得。隠れ特性としてきょううんを獲得。大幅強化されたむしタイプやくさタイプは、トゲキッス自体耐久性能に優れていることもあってある程度余裕を持って流せるなど環境的に有利な部分はあった。獲得した隠れ特性や新技はどれもトゲキッスの安定性を高めるのには向かず、第四世代と型や対戦環境での立場はほぼ変わっていない。
一貫性を作って攻め切ることを主な戦法とするローテーションバトルでは、「まひるみ」型がローテーションを牽制する戦略として通用した。有利なポケモンで受けることが常であるローテーションバトルにおいて、無効2つの耐性は軽視できない。
第六世代
タイプがノーマル・ひこうからフェアリー・ひこうに変更された。タイプ変更は一長一短で、ドラゴン無効、むしとかくとう1/4の耐性とフェアリー技を得たことでガブリアスの一致メインウェポンを両方無効化しマジカルシャインで弱点を突けるとして人気が急上昇した。一方で、弱点にどくとはがねが追加され新たな弱点を抱えることになった。ゴースト無効の耐性も消えたため、第五世代までは比較的有利だったゲンガーとの相性も悪くなった(とくこう、すばやさが高く、ヘドロばくだんや10まんボルトで先手で弱点を突かれる)。また、メインウェポンのしんそくがタイプ不一致になり「はりキッス」が実用性を失った。
XYリーグではシングルバトルでの使用率は概ね20位代を推移していたが、最高位はシーズン1の11位。ダブルバトル、トリプルバトル、ローテーションバトルでは全体攻撃のマジカルシャイン、このゆびとまれなどを含めての流し性能の高さなどが光りシングルバトル以上に活躍、それぞれのバトル形式で最高位が8位、5位、4位とトップメタに躍り出たこともある。一方でORASリーグでは一般普及したランドロスやボルトロスにでんじはが効かない、スイクンはメインウェポンで攻め切れない上にサブウェポンのだいもんじの通りがさらに悪く、ねむるで「まひるみ」にも対処されるなど、不利対面が多く、シングルバトルでは活躍できなかった。
PGLレーティングバトル統計データを見るに、この世代のシングルバトルでは「まひるみ」型から、流し性能を活かしてこだわりスカーフを持たせたサイクル戦を重視した型に主流が移っていたことが分かる。技はエアスラッシュ、マジカルシャイン、だいもんじが特に採用率を伸ばし、エアスラッシュに至ってはどのシーズンもほぼ100%の確率で搭載された。性格はこだわりスカーフとシナジーを発揮するようにおくびょうが最も好まれ、次いでひかえめが割合を伸ばした。道具に関してはこだわりスカーフの他に後攻めと相性がよいラムのみやオボンのみが搭載されルケースも多く、ゴツゴツメットを持たせてはねやすめを軸にした物理耐久型や、新アイテムのとつげきチョッキを持たせた特殊受け兼アタッカーとしての運用も見られた。
WCS2016(GSダブル)ジュニアカテゴリ優勝の実績を残している。
第七世代
でんじはの命中率低下、まひの仕様変更による弱体化、Zワザの登場による受けとしての性能の相対低下、カプやミミッキュなどの火力に優れたフェアリータイプの普及など逆風は強く、特に高速で超火力を叩き込めるフェアリー・でんきタイプのカプ・コケコの存在は敵としてもパーティーのフェアリー枠を争う存在としても厄介であった。複合タイプによる差別化は可能なので、その点を活かした運用が求められるようになった。
自分の素早さを一段階上げるZあくびという強力なコンボ起点技を得た。これで起点を作った後、交換せずに攻めてくる相手をエアスラッシュによる6割の確率によって怯ませた後にねむり状態にできたり、交代を読んでわるだくみを積み火力面を上げて上から叩き込むコンボ戦法ができる。また、Zワザは命中率と回避率の影響を受けないためはりきりとも好相性。しかし一致技の元の威力が低いため、攻撃系Zワザ使いとしては貧弱であった。
シングルバトルでは数を減らしたが、ダブルバトルではマリルリのはらだいこをサポートするための手段としてこのゆびとまれを覚えるトゲキッスが採用され、さらにそこにヤレユータンのトリックルームとさいはいをサポートに加えた「マリヤレキッス」が成立。USUMリーグダブルバトルシーズン9のマリルリの同時エントリーランキングには1位にヤレユータン、3位にトゲキッスの名前が載っていた。
2018年2月に行われたシンオウ図鑑限定戦の『バトル オブ シンオウ』ではジュニアカテゴリで12位、マスターカテゴリで8位の使用率を記録。
JCS2019(GSダブル)ライブ大会マスターカテゴリベスト8進出者中1人が使用。ガオガエンのあくウエポンやゲンシグラードンのだいちのちからをこのゆびとまれで引き付けられる点から実績を残したのだと見られる。
第八世代
XD技であったトライアタックが思い出し技になり、同じくXD技であったてだすけはマシン技化。代わりに、はねやすめはこの世代で覚えず、ランクバトルにおいては没収された格好となった。
この世代で登場したダイマックスにひるみは無効なため、てんのめぐみ+エアスラッシュのコンボは若干使いづらくなるも、トゲキッス自身がダイマックスと相性が良いことが注目される。ダイジェットが高威力の攻撃と素早さアップを両立できる非常に強力な技であり、高耐久・良耐性からタイプ一致で放てる点が大きく、前世代より立場が大幅に上がった。耐性に関しては、特攻を下げるダイワームが4分の1でありわざわざ選択する旨味が乏しい、特防を上げるダイアースが無効で技そのものが成立しない、といったように攻撃を非常に通しやすいのが長所。特防を下げるダイアークも半減であることも特殊アタッカーに対する居座り性能を高めることを助けている。特に大きいのは火力不足が解消されたことであり、威力130から140のタイプ一致ダイマックスわざを3ターン使えることで、勝負を決めるための数的有利を取るに至るケースがまま見られるようになった。ダウンロードコンテンツ解禁前のポケモンプールではトゲキッスの種族値はトップクラスの高さで、配分も全くと言って良いほど無駄がない。
シングルバトルでははがね、いわのウエポンが多いことから、オーロンゲで壁を貼ってからじゃくてんほけんトゲキッスで全抜きを狙う「ロンゲキッス」が多く使われていた。壁のおかげでオーロンゲと合わせてどく、はがねが一貫していることは気になりづらいばかりか、逆にじゃくてんほけん発動のために利用しやすくなっている側面もある。単体でも運用しやすく、サイクル専用というより対面向けのポケモンとなった。がんせきふうじ、こごえるかぜといった相手の素早さを下げる技が悉くトゲキッスのじゃくてんほけんの発動機会となり、さらにダイジェットで下がった素早さも取り戻せるため、この点でも対処の困難さが目立つ。
そんなトゲキッスも積みを無効にするてんねん持ちやくろいきり持ち、ダイロックで砂を起こして特防を上げながら抜群を取るいわダイマックスエース、とつげきチョッキを持った特殊高耐久ポケモンなど対策は多く、特にヌオー、ドヒドイデ、バンギラス、カビゴンが環境に定着するに至った要因となっている。地面にいないのでフィールドによって状態異常を防ぐこともできず、ラムのみを考慮しなければ状態異常で対策しやすい。
ただ、いのちのたまを持たせたはりきりアイアントのダイスチル(アイアンヘッド)など通常の型では壁無しの場合ダイマックス状態でも耐え切れない型も登場したため、単体運用型にとっては厳しくなった。ランクバトルシーズン1末期にその傾向が顕著になり、リリバのみで対策を行う型も見られるようになった。
黎明期はじゃくてんほけん型が大半であったが、シーズン2からシーズン3にかけてはラムのみ型が2番手になり、シーズン4から冠の雪原まで概ねピントレンズが2番手であった。壁構築や積み技による耐久型も環境に少なくないため、特性きょううんでピントレンズを持って1/2の確率で急所を当てれば泥仕合対策になるのである。
ランクマッチシングルバトルシリーズ1シーズン1最終10位構築にはくさむすび型の個体がエントリーされていた。くさむすびが通る非ダイマックス個体を狙い撃ちにすることができる[1]。
シリーズ3シーズン5の最終2位構築にはとつげきチョッキ型がエントリーされていた[2]。
シリーズ4シーズン6ではアッキのみ型が流行し、最終1位構築にもエントリーされていた[3]。
シーズン8ではランク上位陣の間でアッキのみマジカルフレイム両受け型が流行。最終8位構築にはダイサンダー、ダイフェアリーの恩恵を受けないことを逆手に取ったねむる+カゴのみ型がエントリーされていた[4]。また、全体での使用率は2位まで上昇。これは、鎧の孤島が解禁されて以降、使用率が低下するポケモンが多い中、数少ない逆の例であると言える。
しかし冠の雪原が配信開始されると立場は一変。一致メインウエポン両方とだいもんじを半減するウツロイド、ひこう半減、フェアリーとくさ4分の1、ほのお無効とトゲキッスの主流ウエポンほぼ全てに耐性があるヒードランが環境を席巻し、加えてレジエレキ、サンダーなどの強力なでんきが追加され、さらに鎧の孤島期まで俊足の部類であった素早さ種族値80が役に立たなくなったことから、トゲキッスは環境から死滅。似たような芸当ができるガラルファイヤーが解禁されたのも大きい。
この世代の主流技構成はエアスラッシュ、マジカルシャイン、わるだくみ、だいもんじ/かえんほうしゃである。
ダブルバトルではこのゆびとまれを使えるポケモンの中で優秀な耐性を持っているため、環境の主力級の1つとなっている。それどころか、シーズン2からシーズン7まで最終使用率1位を記録している。マジカルシャイン、ねっぷうと、全体攻撃を一通り覚えるのも強い。バンドリコンビとの相性補完もポイント。ランクバトルシリーズ1ダブルバトル最終5位の構築はリリバのみ型であった。シリーズ3シーズン4にはバタフリーやフシギバナのねむりごなに対して恒常的に耐性を持たせるぼうじんゴーグル型がポツポツ見られるようになった。ダブルバトルでは急所の試行回数を単体攻撃より稼ぎやすい全体攻撃ができるため確率が収束しやすく、前述のピントレンズ+きょううん型が安定しやすい。トリパではダイジェットで上からでもトリックルームで下からでも動ける素早さ無振りのHPと特攻に特化した型が使われることがそこそこある。
『ポケモン日本一決定戦2020』王者決定戦ではジュニアカテゴリベスト4進出者中3人、シニアカテゴリベスト4進出者全員、マスターカテゴリベスト4進出者中3人が使用しており、各カテゴリベスト4進出者合計12人中における使用率1位を記録。
しかし、こちらでもレジエレキやガラルファイヤーなどの参入によって動かしづらくなり、環境からは駆逐されてしまった。
一般的な育成論
特攻種族値にすぐれ耐久力も高いなど優秀なステータスを有する。基本的に特殊技をメインとすることになる。特性てんのめぐみを用いた戦法は余りにも有名。
第六世代でタイプが変わったため、第五世代までと第六世代以降で育成の方針が異なるので、育成論も2つに分割する。
第五世代まで
特性てんのめぐみを前提とした特殊アタッカーとして育成する場合、努力値は特攻と素早さ、またはHPと特攻に振られることが多い。
攻撃技はひこうタイプのエアスラッシュがほぼ確実に採用される。タイプ一致技である事は勿論だが、特性てんのめぐみの場合、先制で命中した場合相手は60%の確率で怯むため、威力以上に強力な技となる。性格は火力重視でひかえめにするか、少しでも多くのポケモンに先手をとるためおくびょうを選ぶかは判断が分かれる。威力重視で性格をひかえめにし、素早さはこだわりスカーフで補うことも可能だが、その場合でも最速の130族は抜けないことと、わざの小回りが効かなくなるので、サンダースなどを出されると一気に不利になる。攻撃技の他の候補はだいもんじ/ねっぷう/かえんほうしゃ、はどうだん、くさむすびなど。特に、はどうだんは、いわ、こおり、はがねタイプ対策になる。その他、ドククラゲなどのとくぼうは高いがぼうぎょは低い相手を想定して、サイコショックを入れるのもよい。でんきタイプの弱点は、じめんタイプのみなので、どうしても、でんきタイプ対策をしたいと考えると、めざめるパワーのじめんを入れるのもよいだろう。そうすれば、でんきタイプのみならず、いわ、どく、はがねタイプの弱点を突く事ができるので、一石四鳥である。
入手が面倒で性格厳選も手間がかかるが、ポケモンXDで手に入れられる個体は、トライアタックを覚えられ、第七世代まではこの手段でしか入手出来ない。追加効果を選べこそしないが、どれを引いても基本的には御の字となることが多く、てんのめぐみとの相性も良いので、一定の強さはある。ただし、第四世代以降で進化させると50%の確率で特性が変わるという現象が存在し(性格値の仕様が変更されたことによる)、はりきりになってしまうと厳選の苦労が水の泡となる。
補助技としてはこだわりスカーフを持たせている場合はトリックを使って受け渡す作戦が有効。持たせない場合は回復技のはねやすめ、あさのひざし、タマゴうみからいずれかを採用したい。どの技もメリット・デメリットはあるものの、入手難度や安定を考えると使うならはねやすめが採用されやすい。ただし、先手で使う場合はじめんタイプの技に注意すること。ほかにもわるだくみ、アンコール、あくび、リフレクター、バトンタッチ、あまえるなど候補は多数存在する。
先述のポケモンXDで入手出来る個体は、トライアタックが有名過ぎて影に隠れがちではあるが、てだすけも覚えられるため、ダブルバトルならばこの技を用いて味方をサポートするのも、1つの戦術になりうる。耐久力もそれなりに高く、弱点を突かれても耐えることは珍しくないため、1回限りで終わることも少ない。
低めの攻撃種族値をはりきりで補い、しんそくで制圧する「はりキッス」型も強力。その場合は攻撃に努力値を振り、持ち物はこだわりハチマキが有力。こだわりハチマキを持たせずにみがわりときあいパンチのコンボでダメージを与えるパターンもある。ただしどちらもゴーストタイプが相手だと無効化されてしまうので、その2つの技の補佐として、また命中率重視も兼ねてつばめがえしを覚えさせておくとよい。
物理技にはゴッドバードもあるが、パワフルハーブがない限り2ターン使わなければならない上、命中率も90からはりきりによって72まで下がり、余計に当たりづらくなるため、採用はされにくい。きあいパンチは第四世代でしか取得できないので、持っていない場合はかわらわりやドレインパンチ、すてみタックルなどで補う必要がある。こだわりハチマキを持たせている場合はこだわりスカーフ同様にトリックで相手の技を縛りに行くのもよい。
第六世代以降
第六世代ではタイプ変更で唯一のフェアリー/ひこうタイプを有するポケモンとなった。ノーマルタイプのしんそくがタイプ不一致になったため「はりキッス」型はマイナーになり、フェアリー技を搭載した、ドラゴン・かくとう・あくに強い特殊アタッカーとして育成・運用されることが多い。
XD産を進化させた時に特性が変わってしまう問題はとくせいカプセルで克服できたものの、トライアタックもタイプ不一致になったためこちらもあまり使われなくなった。なお、上述の通り第八世代ならどの個体でも習得可能である。
まひるみ型を育成する場合は、まひによる素早さ低下が1/4から1/2になったことと、でんきタイプがまひしなくなったため、より多くの努力値を素早さに割くか、こだわりスカーフを持たせる必要がある。
耐久の高さに着目した受け・流しを目的とした型も存在する。HPと特攻を中心に努力値を振りとつげきチョッキを持たせた特殊受けを兼ねたアタッカーや、かくとう1/4の耐性を活かしてHPと防御を中心に努力値を振りゴツゴツメットを持たせはねやすめで粘る物理受け型としての採用も見られる。
採用される技は第五世代までの技に加えて、メインウェポンとしてマジカルシャインがほぼ確実に採用される(フェアリータイプの特殊技であるムーンフォースは覚えられない)。どくタイプへの対策としてサイコキネシス/サイコショック/じんつうりきが採用されることもある。ダブルバトルの技としては、マジカルシャインの登場により、タイプ不一致な上に、命中率が不安定であるねっぷうの存在が薄くなりがちだが、苦手なこおり、はがねタイプが2体同時に相手となった時に役に立つこともある。補助技の候補は第五世代以前と同じ。
第七世代より登場したZワザの仕様による恩恵を活かしやすいポケモンであると言える。あくびをZワザにすれば、1段階上昇した素早さから技の使い分けの出来るエアスラッシュ無双が行え、おいかぜをZワザにすれば、急所に当たりやすくなるため、きょううんの実用性を大幅に向上させることが出来る。
第八世代ではいのちのたま型が主流の1つとなったが、10n-1を実現するためにHPに努力値を振らず個体値を28から29に抑えて実数値を159に調整するという育成論が存在する。これは16n-1でもあり、例えばカバルドンに1回攻撃していのちたまの反動と砂ダメージを受けると、HP個体値Vかつ努力値4振りの161の場合と結果的に残りHP数が同じになる。