ファイヤー/対戦
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ファイヤーの歴史
第一世代
現在換算で合計620の種族値は三鳥の中でも最も高く、そればかりかミュウツーに次いで全ポケモン中2位であった。特にタイプ一致から繰り出すだいもんじは、サンダー、フリーザーと並びトップクラスの威力。しかし、攻撃技のレパートリーは少なく、だいもんじの他は、そらをとぶ、ゴッドバード、はかいこうせん、補助技のどくどくとセットのほのおのうず程度であり、かえんほうしゃは初代環境下ではどうしても覚えることができない。いわゆる「種族値詐欺」の元祖である。
また、この世代の環境でのほのお・ひこうタイプはとても酷く、じめん技は無効化するもいわは4倍ダメージ、みずは元々だが新たにでんき、こおりまでも弱点になった(第一世代ではほのおにこおりは等倍)。そもそもほのおタイプ自体が不遇だったこともあって対戦環境ではほとんど使われなかった。攻撃面でもむしは完全に使われないしくさはこおりで十分、そしてこおりはみずと複合なのが多くほのおは等倍と、まともな役割もなく弱点だらけのほのおを無茶してまで使う必要性は無に等しかった。99カップではくさ4分の1という耐性面と一致で弱点を突ける点を活かしてウツボットの対策として採用されることもあるにはあったが、それでもヤドラン、ドククラゲ、サイドン、エレブー、ライチュウなどファイヤーの弱点を突くポケモンが台頭していたことも痛かった。初代伝説では99カップで唯一の出場となっていたのだが、それも色々と理由があったからだということだろう。
後にはバーチャルコンソール版で研究が進み、こうそくいどう・ほのおのうずをどくどくとセットで使用し相手を行動させずに定数ダメージで封殺するパーティのエースとして脚光を浴びた。耐性は絶望的だが第一世代ゆえの高い特殊耐久に物を言わせればコンボを行うことはでき、一度ハマれば定数ダメージにより相手の耐久力は無視して突破できる。攻撃性能はイメージほど悪くなく、ほのおのうずの独特の仕様は一部の不利対面をリセットしたり安全に処理するのが困難なナッシーを封殺することに役立つほか、ふぶきの強力さゆえに凍らないこおりタイプのポケモンが増えた結果だいもんじの一貫性も高い。こうそくいどうによってまひによる補正を無視することができ、でんじはでも戦術が止まりにくい。ほのおのうずを単純なメインウエポンのだいもんじ圏内に持っていくために使う場合もあり、特にナッシーとの対面で顕著である。バインド中に交代すると相手はそもそもコマンド選択していないためそのターンに行動できず、これは相手の抜群技に怯えずに交代によって有利対面を作ることにも使える。サイドン対面では自身とルージュラに一貫するいわなだれを心配しなくても良いという事でもある。ただ、かげぶんしんを入れるスペースがまずないので、元々のほのおのうずの命中率の不安さもあって先に積まれると非常に脆い。
第二世代
特殊が特攻と特防に分化して特防が大幅に減らされ、三鳥では最も特殊分割の影響を受けたが、第二世代では最強クラスの特殊火力になり、にほんばれでほのおタイプの技を強化すればカビゴンも突破できた。ほのおがこおりに耐性を持つようになって弱点から消え、エアームドなどのはがねタイプの追加で相対的な地位上昇を果たした。ガラガラやバンギラスなどが台頭していわ技の需要増加で4倍弱点を突かれやすくなったのは痛いが、ガラガラ以外の不一致いわなだれなら当時の努力値の仕様上、カイリキーですら確定2発と耐久は十分だった。
そしてクリスタルでかえんほうしゃを覚えようやく使い勝手のよい技を手に入れた。さらににほんばれで弱点のみずを軽減しつつほのお技を強化する芸当はあまごいサンダーには真似できない。晴れてだいもんじを撃てばいずれも同レベルでカビゴンは3発、ハピナスは4発ともの凄い威力で、そこにレベル差最大5ともくたんを加えればカビゴン2発、ハピナス3発。と言っても晴れていなければ普通に止まってしまうし持ってても後出しでは厳しかった。めざめるパワーはくさと相性が良かったが、当時の仕様上HPと攻撃が下がってポケスタ環境ではバレやすかった。新たにはがねのつばさが追加、すてみタックルも強化されたが、相変わらず物理技の面は微妙。溜め系の技はねごとの対象にならないので、あえてゴッドバードを覚えさせねむるとねごとでだいもんじを乱射する型も存在していた。
一致メインウエポンが両方抜群で通るナッシーは有利対面であったが、レベル差、アイテム次第で素だいもんじでは倒し切れずにだいばくはつで1:1交換に持っていかれることもあった。
第三世代
特性プレッシャーを獲得。わざマシンでかえんほうしゃを覚えられるようにもなった。XD産のファイヤーはあさのひざし、おにび、じんつうりきを覚えており防御性能にも磨きがかかったが、仕様上厳選は困難である。
第四世代
エアスラッシュ、ソーラービームを覚えられるようになりさらに火力が増した。おにびをわざマシンで習得することも可能になった。ただし、ステルスロックの登場によって長期戦には不向きになった面も否めない。
WCS2009マスターカテゴリ準優勝のメンバーとなる実績を残しており、やはり晴パのフィニッシャーとして利用されていた。
ただ、この世代で多くの実用的な技を獲得したことが仇になってXD技の価値が暴落してしまった。
あまりにもオッカのみメタグロスが多かったため、世代後半のバトレボシングルバトル環境ではオーバーヒートの火力であってもこだわりメガネを持たせないと攻め切れずキツイ場合があった。人によってはあまりにもファイヤーが増えたからこそオッカのみ型が主流化したともする場合がある。
型に関してはおくびょう最速で特攻に努力値を252振りしたアタッカー型が大半であった。
第五世代
ニトロチャージを獲得。キュウコンのひでり獲得によって晴パでの可能性を注目されるに至ったが、この世代ではシャンデラやウルガモスといった特攻に秀でたほのおタイプのポケモンが登場しており、ほのおタイプ第6位に後退した。BW2発売直前の評価としてはステルスロック4倍弱点がネックとなるうえにオーバーヒート以外の技が貧弱であるというものがあったが、いざBW2が発売するとそちらではぼうふうを獲得し、かくとうタイプやウルガモスに対して手痛い一撃を食らわせることができるようになった。晴れとは相性は悪いが、本来は苦手なはずのあめが得意になる。
ウルガモスとハッサムの両方に抜群を取ることができ、同時選出されても怖くないという利点もあった。
単体ではやや立場が悪いが、この世代であめふらしを獲得したニョロトノにとんぼがえりで交代して相手にダメージを与えつつ、そのターンに繰り出されたファイヤーの弱点であるみずタイプの技のダメージをニョロトノが実質等倍で受ける、いわゆる「トノファイヤー」構築が成立した。そこからさらにでんきタイプに対する一貫性がある2匹の相性補完および砂パ対策としてガマゲロゲをプラスする「トノゲロゲファイヤー」という派生形も誕生した。
第六世代
特殊技の威力下方修正により火力が弱体化。同タイプにメガリザードンYという強力な対抗馬が出現したため使用率が落ち込む。また、猛威を振るうファイアローへの対策がそのまま刺さってしまうこともネックとなった。いわタイプのポケモンに対してはパワフルハーブとソーラービームのコンボという対抗策はあったものの、道具が必要かつ一発かぎりのファイヤーに対しメガリザードンYは同じことをパワフルハーブなしでできる。メガラグラージが登場したことによって、「トノゲロゲファイヤー」のガマゲロゲの枠をそのまま基礎スペックの高いラグラージに入れ替えた「トノラグファイヤー」が取って代わった。
第七世代
Zワザの登場により、上記のソーラービームのコンボが別の形で取れるようになった。パワフルハーブ使用より火力も上だが、やはり素早さの問題でメガリザードンYに一歩劣る。
一方、もえつきるをレベルアップ技として獲得しており、大ダメージを与えつつ自身のタイプからほのおを消すことで耐久型として動かしやすくできるようになった。もえつきるはメガリザードンYとの差別化点となり、これに加えてぼうふうを覚えさせると同じくもえつきるを覚える高種族値のほのおであるウインディとも差別化可能。
PGL統計データにからは、USUMリーグシングルバトルでは耐久型として扱うなら、もえつきる、おにび、はねやすめ、ぼうふうがメインであることがうかがえる。回復手段はたべのこし一択であり、一見すると回復量が高くて有用なイアのみなどの混乱木の実は、おにびで縛ればたべのこしの回復で十分回復が間に合うことからほとんど使われない。
メガシンカとゲンシカイキの禁止されたVGCルールでは、先述の雨パーティとのシナジーおよびゼルネアスの強力なフェアリー技に耐性を持ちほえるでジオコントロールをリセットできる点、もえつきるでソルガレオを処理できる点を買われカイオーガのサポートとして一部で採用が見られた。
第八世代
冠の雪原で追加。
ガラルのすがたが追加された。もとのすがたはマジカルフレイム、ねっさのだいち、しっとのほのお、フレアドライブを獲得。ファイヤーがフレアドライブを獲得したことで、第一世代初出のほのおポケモンは全員フレアドライブを覚えるようになった。
ただ、技範囲だけ見れば同複合タイプのリザードンの方が優秀だが、メガシンカが廃止されたため元々素早さ以外の種族値で上回っているファイヤーが評価を再度逆転したと言える。めざめるパワー廃止も無視できない打撃だが、中速に位置するファイヤーにとってダイジェット習得による素早さ操作、ダイバーンにおける天候操作など総じてダイマックス技の恩恵は非常に大きな追い風。
バトルレギュレーションマークの実装によってそれまでレーティング形式のバトルにおいて配布限定であった隠れ特性の個体が普及。隠れ特性のほのおのからだ個体はゴツゴツメット耐久型として見ればプレッシャー個体よりも優秀なので、非ダイマックス耐久型としては強化されたと言える。プレッシャーと異なり発動による素早さ関係バレのリスクが無いのも大きい。
ガラルのすがたは強力な専用技であるもえあがるいかり、積み技のわるだくみ、積み系特性であるぎゃくじょうを持っており、耐久も高いためあく/ひこうの特殊アタッカーとしてはドンカラスよりもはるかに優秀。オボンのみで繰り返しぎゃくじょうを発動するのが主な使い方。じゃくてんほけん、ぎゃくじょう、わるだくみによる積みを1ターンの間に行えば、一気に5段階特攻のランク補正を上げることが可能。
解禁後、上述の爆発的な特攻上昇で受け崩しができることが判明し、高評価を受けるようになった。シングルバトルでもボルトチェンジ読みで後投げすれば取り敢えずじゃくてんほけんとぎゃくじょうの発動には困りづらい。ねむるカゴのみ型も優秀であり、わるだくみとぎゃくじょうの回数を増やすことができる。
ギルガルド、ゴリランダーには非常に有利である。一見すると前者ははがねウエポンでガラルファイヤーに等倍を取れるが、はがねウエポン切りの個体が珍しくない関係上、有利であると言っても間違いではない。
じゃくてんほけんとの相性の良さ、それによるプレイングの簡潔さからシーズン12の使用率は安定しており、最終使用率は14位を記録。
ウツロイドの相性補完にも適しており、ウツロイドの弱点であるじめんとエスパーを無効化できる。
ひこうタイプなのでダブルバトルでは味方のオーロラベールサポーター型のキュウコンのこおりのつぶてでじゃくてんほけんを発動するのも良い。ダブルバトルではGSダブルの代表的な禁止級伝説であったイベルタルと同じ複合タイプと火力増強特性を持つことから解禁早々環境で流行した。それでも、じゃくてんほけんを発動してもなお素で打ち合えるバンギラスなどの明確な不利が存在するため、対策自体は困難ではない。とはいえ、選出の段階でガラルファイヤーに明確な有利を取れるポケモンがいないと対戦に非常に不利になることは間違いない。シリーズ9環境ではパーティアタック型が激減し、代わりにオーロンゲの壁で安全にじゃくてんほけんを発動する型が目立つようになった。
シングル・ダブル問わずこだわりメガネとの相性は良くない。元々わるだくみやじゃくてんほけん、ぎゃくじょうを駆使して特攻のランク補正を3段階以上アップさせることが前提であり、要するにこだわりメガネの火力1.5倍では足りないのである。
一般的な育成論
第八世代のVer.1.2.0時点で未解禁であるため、第七世代における育成論を記す。
伝説の鳥ポケモンの1体であり、三鳥の中では高い攻撃を持つが特攻の方が高いため強みになっていない。性格をおくびょうやひかえめにして、特殊アタッカーに育成するとよいだろう。
通常特性はプレッシャーであり、PP削りに役立つ。隠し特性はほのおのからだであり、直接攻撃してきた相手をやけどさせることができる。ただし、確実にやけどにするわけではなく、非接触技では発動しないため、過信は禁物。特に後述のめざめるパワーを利用する場合、厳選の難易度が高くなる。
攻撃技の候補としては、だいもんじ/かえんほうしゃ、ぼうふう/エアスラッシュ、ソーラービーム、めざめるパワー(こおり)などが挙げられる。変化技の候補としては、おにび、こうそくいどう、はねやすめ、ほえるなどが挙げられる。同タイプのリザードンやホウオウと比較すると、技のレパートリーは少ない。特に第一世代ではそれが顕著。
持ち物は、みずタイプ対策でソーラービームを1ターンで発射できるパワフルハーブやクサZ、汎用的な火力補強アイテムいのちのたまなどが挙げられる。特防の底上げのためとつげきチョッキも候補の一つ。
晴れパに組み込んで、だいもんじやソーラービームを連打するのもよい。また、おにびとはねやすめを組み合わせた耐久型もまれに見られる。
同複合タイプのリザードンとの差別化点はメガシンカしない場合の耐久力、ぼうふうととんぼがえりを覚えることである。単体ではメガシンカできて高種族値による制圧が有効なリザードンに劣る面が目立つが、こちらはリザードンと比べてよりサイクル戦に適したポケモンとなっている。