サーナイト/対戦
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このページは、サーナイトの対戦での扱い、および育成論を記述するところである。メガサーナイトについても記述する。
サーナイトの歴史
第三世代
ルビー・サファイア発売時点ではポリゴン系統が未解禁であったため、サーナイト系統がトレースを持つポケモンとしては唯一の存在であった。タマゴ技としては既におきみやげ、みちづれ、おにび、くろいまなざしなどを覚え、この時点でも補助技には困らなかった。特におきみやげ使いとしてはラティオスに次いで2位の素早さの種族値であり、あちらがおきみやげを使うことが当時殆ど無かったことを考えると実質的に最速のおきみやげ使いであった。しかしアタッカーとしてはフーディンとの差別化が難しく、フーディンが覚えない10まんボルトで差別化する必要があった。エメラルドではほのおのパンチ、かみなりパンチ、れいとうパンチ、いわゆる「三色パンチ」を獲得。
この世代のシングルバトルで使用するなら技構成はサイコキネシス、めいそう、10まんボルト、おにびが無難。性格はバシャーモ、フシギバナなどのみがわり使いと素早さの種族値が同じであることを考慮しておくびょうがメインにされた。
この世代で獲得したXD技のうたうは元々さいみんじゅつを使えるので一見意味がなさそうだが、第六世代以降においてみがわり貫通という意味がある。
第四世代
攻撃技が個別に物理と特殊に分化されるように仕様変更されたことに伴い三色パンチが実用外に。かわりにエナジーボールという新たなサブウエポンを得て、他に先制技のかげうち、起点として強力なアンコールなど、技の強化に恵まれた。ダイヤモンド・パールではねむりの強化によってさいみんじゅつとゆめくいによる耐久型の運用も現実的になった。プラチナでねむりやさいみんじゅつの仕様が弱体化するも、元々補助技に恵まれていたサーナイトにとってこれは痛手にはならなかった。
プラチナの教え技としてトリックを覚え、HGSSでは教え技としていたみわけを、タマゴ技としてアンコールをそれぞれ獲得。これにより、こだわりスカーフの効果で先手でトリックを打って相手の行動を押し付けたこだわりスカーフで阻害するいわゆる「スカーフトリック」や、いたみわけを主軸とした耐久型が生まれた。おきみやげ使いとしてはより素早いユクシーが登場している。
第五世代
アシストパワーの獲得によりめいそうで積む戦略が強化された。しかしこの世代に登場したウルガモスやアイアントを始めとする強力な新規のむしタイプに苦戦する場面が増え、相対的には弱体化。特にウルガモスに関してはおにびが効かない、始動役としての役割を遂行している間にちょうのまいを積まれるなど逆に起点を作られるなど、かなり不利な対面であると言える。隠れ特性としてはテレパシーを獲得した。隠れ特性による環境全体の強化に伴いトレースでのただ乗り戦略には磨きがかかった。
第六世代
タイプにフェアリーを追加され、さらにメガシンカを獲得したことで一線級のポケモンとなった。レーティングバトルXYリーグシングルバトルではシーズン13を除いて使用率ベスト30入りを果たしており、主に20位台を推移していた。同リーグダブルバトルでは世代後半から10位前後が定位置になるなど勢いを増し、最高位はシーズン15の8位。他方でORASリーグでは第六世代のソフト単体での通常入手が解禁されたクレセリアやスイクンといった準伝説に手を焼くためかシングルバトルではシーズン7を除いてベスト30入りしていなかったものの、ダブルバトルでは隠れ特性テレパシーがランドロスやガブリアスとの並びと相性が良いことが周知になったためかシーズン11以降XYリーグ同様に勢いを増し、最高位はシーズン17の7位。PGL統計データによるとXYリーグシングルバトルでの基本的な技構成はムーンフォース、ハイパーボイス、サイコキネシス、サイコショックであることがうかがえ、メガシンカによる特殊アタッカーとしての運用が主流であったことも分かるが、一方でこだわりスカーフを持たせてメガシンカをあえてせずに戦うことも少なくなかった。ORASリーグダブルバトルではハイパーボイス、まもる、トリックルーム、サイコキネシスが主流となり、ゴウカザルやズルズキンが同時採用ポケモンの上位になることが多かった。トリパとしてモロバレルを有効活用しつつ、いざとなればゴウカザルやズルズキンなど相性補完に優れるポケモンでサイクルを回したり対面で戦ったりと柔軟な運用が可能であった。
WCS2014(全国図鑑ダブルバトル)マスターカテゴリ優勝者で韓国のプレイヤーであるパク・セジュンがこだわりスカーフ型のサーナイトを優勝メンバーとした。そのサーナイトは一致メインウエポンで攻めるタイプだが、不意の局面で使用するためという名目を持たせつつもいわゆる「おしゃれ枠」としていばるも覚えていた(同大会ではいばるの使用機会はなし)。
第七世代
カプやミミッキュの登場によってドラゴンメタとしての需要は比較的落ち込み、特にフェアリータイプの特殊型としてはカプ・テテフ、アシレーヌにポジションを奪われ、シングルバトルでは使用率ベスト30にすっかり入らなくなった。ダブルバトルでもカプのフィールド戦略の流行やペリッパーの登場による雨パの再燃により、主力特性のトレースの不確定性から場に出た時点では仕事をするとは限らないサーナイトは結果的に需要を落とした。Zワザの登場もあって物理耐久の脆さが浮き彫りになり、サーナイトナイトを持たせてエースとして運用するよりもきあいのタスキやこだわりスカーフで行動保証を得るパターンが比較的多くなった。
しかしUSUMリーグダブルバトルではいかくが解禁されたガオガエンとの技範囲補完を活かした「サナガエン」構築が定着。これに加えてサンダーのおいかぜで上から動いてよし、相手のおいかぜに乗じて自身のトリックルームで下から動いてよしと、柔軟性は抜群。いかく持ちとしてれいじゅうランドロスをプラスした「サナガエンランド」構築もざら。ただ、同リーグダブルバトルで使用率ベスト10常連のメタグロスには明確に不利が付き、実際サーナイトを倒したポケモン3位以内にメタグロスが入るシーズンがざらである。それでも同リーグ同バトルの使用率1位の常連となったガオガエンと2位が定位置となったランドロスに関してはいかくが実質無効である上にその2体程度の特防ではフェアリースキン込みのハイパーボイスで結構なダメージが入るため、環境的には強力であることに変わりがない。因みにひかえめメガサーナイトのフェアリースキン込みのハイパーボイスは、HPに努力値を全振りして特防に4振ったいじっぱりガオガエンに対して、ダブルバトルの威力分散込みで90.6%の高乱数2発。不利なポケモンで受けることが常のダブルバトルでは特定のポケモンに対する調整が無意味になるケースも多く、そのためHP振りのガオガエンとかち合う場面が少なくない。
USUMリーグダブルバトルにおいては、いざとなった時に下からトリックルーム状態で動けるようにひかえめで素早さ無振りにするケースも少なくない。また、不利な物理に強気に出られるようにHPと防御に厚く振るのもダブルバトルにおける基本。
第八世代
めざめるパワーが削除された代わりにマジカルフレイムを習得。さらに、採用率の高いカプ・テテフが未登場のため、相対的に価値が増えた。しかし同複合にブリムオンとギャロップ(ガラルのすがた)が登場。自身もメガシンカを失って弱体化している。
それでも、豊富な補助技とおいかぜで上から動くこともトリックルームで下から動くこともできる中速帯であることが他の同複合タイプとの差別化点になり、このことからダブルバトルで独特の需要がある。
ダウンロードコンテンツ解禁前のシングルバトルではプリムオンと比べて特殊耐久と素早さが高いことからとつげきチョッキ型やこだわりスカーフ型として住み分けしていた。やはり物理寄りの環境で相手を選ぶことから同複合タイプのブリムオンよりは需要が薄く、概ね40位台後半から50位台後半を推移していた。基本的に最速こだわりスカーフ型にしないと最速ドラパルトを抜くのには不便を強いられ、とつげきチョッキ型としてもHPに努力値を振り切ってようやくこだわりメガネフォルムチェンジロトムの威力90一致ウエポンが確定3発になる程度である。このように特別俊足でも高耐久でもないので、相手の見極めは重要であった。
一般的な育成論
容姿ゆえに人気が高い。とくこうととくぼうに優れる。その人気ぶりと非常に豊富な技により様々な戦術が確立されている。基本は特殊アタッカー、耐久型がベースとなる。特殊技としてはサイコキネシス、エナジーボール、きあいだま、シャドーボール、10まんボルトなど。第六世代では、新たに加わったフェアリータイプの一致技ムーンフォースも欲しい。
補助技もさいみんじゅつ、おにび、どくどく、でんじは、あやしいひかり、みちづれ、あまえる、リフレクター、ひかりのかべ、ねがいごとなど、選択に迷うほど。
おにびやリフレクターを用いた対物理耐久型や持ち前の特防を活かした対特殊の耐久型なども存在する。第五世代ではめいそうを6段階分積んだ後にアシストパワーで返り討ちをするというコンボが可能である。
とくせいはどれを見ても優秀。シンクロならば、素直に出すだけでも状態異常を使って立ち回る相手の行動をいくらか封じることができ、トレースならばコピーするとくせいによっては相手のメインウェポンを封じ込めたり、2つ以上のとくせいを持つポケモンのとくせいを見破るために使えるなど、色々な使い方ができる。
隠れ特性はテレパシー。ダブルバトル・トリプルバトルで味方からのじしん・だいばくはつを受けないのが利点。もちろん従来のアタッカーもでき、いやしのはどうによる味方へのサポートも可能。またサイドチェンジを覚える数少ないポケモンで、入れ替えにより相手の攻撃を代わりに受けて有利に立ち回る芸当も出来る。
第六世代からはフェアリータイプの追加により、どく、はがねタイプが弱点として追加されたが、かくとうタイプにさらに耐性が付くようになり、むし、あくタイプが弱点から外れ、ドラゴンを無効化できるようになった。
後述のメガサーナイトとの差別化から、メガシンカ解禁後はこだわりスカーフを持たせたサーナイトが増えるようになった。しかし、第七世代のカプ・テテフの登場で、能力値がどれもカプ・テテフ以下で特性も比較的安定しないため、特にシングルバトルでは使われることが少なくなった。こだわりスカーフでは無く、多彩な補助技で差別化を図りたいところ。
カプ・テテフとの最大の差別化点は、あちらが登場時に発動するサイコメイカーで特性が確定であるのと異なり、登場時に発動しない特性を持っているのでゾロアークのイリュージョンで化ける戦略が戦術として成立する点である。例えばバンギラスとサーナイトの対面ではバンギラスがあくタイプの一致技で攻めて来るが、それをサーナイトに化けたゾロアークで受けることができる。さらにサーナイトもゾロアークもバンギラスよりも素早さの種族値が高く、きあいだまを覚えることも共通するので、うまく先制してきあいだま1発でバンギラスを倒せればそのまま相手を騙し続けることもできる。ダブルバトルではサイコメイカーで味方のねこだましを阻害するカプ・テテフとは容易に差別化が可能。
メガサーナイト
メガサーナイトになると元々高かったとくこう、とくぼうが大幅に伸びる。こうげきやすばやさも伸びるが、ぼうぎょが変化しない点に注意。
特性はフェアリースキンに変化し、ハイパーボイスを威力108のタイプ一致技として使えるようになる。ダブルバトルやトリプルバトルでも相手複数匹に同時に放てて便利。残りの攻撃技は上に示した通り。
なお、あまり高くないぼうぎょとHPに努力値を振っておくとより安定した戦い方ができる。