ヒードラン/対戦
ポケモンWikiは対戦情報サイトではありません。ヒードランの詳しい対戦考察や育成論は、以下のようなサイトでも取り扱っています。 | |
ポケモン徹底攻略 | |
---|---|
ポケモン育成考察Wiki | |
外部サイトの安全性・正確性・合法性等あらゆる点については、何ら保証しません。 |
このページは、ヒードランの対戦での扱い、及び育成論を記述するところである。
ヒードランの歴史
第四世代
ダイヤモンド・パールのハードマウンテンで初登場。ところが出現するレベルが70であり、50レベルまでのポケモンしかエントリーできない公式大会などではプラチナでレベル50で出現してからようやく解禁される。ハートゴールド・ソウルシルバーからはフラットルールの導入でDP産も使えるようになった。
おにび、どくどく無効でいかくも実質的通らず、耐性も優秀であったことから、エース運用から耐久型、サイクル型まで引っ張り蛸であった。
世代末期にはバトレボでヒードランが大流行し、これに伴いメタグロスが環境から失墜したと言われる。この頃、さいみんじゅつドータクンに対応するようにねごとヒードランが環境に躍り出たという。
なお、ポケモンレンジャー 光の軌跡のイベントでは噴火ヒードランを入手することができた。当時はGSルールの期間でありカイオーガやグラードンと相性の悪いヒードランはまるで注目されなかったが、後々の世代で活躍をすることになる。
第五世代
ニトロチャージの追加、マグマストームの仕様変更による強化が主な変更点。BW2終期にはステルスロック+ほえるの昆布戦法型が流行し、いのちのたまハッサムなどの補助に使われた。WCS2012シニア部門決勝大会では時間切れによる判定を狙う戦法が蔓延していたが、時間切れを狙うための大前提として耐性の高いポケモンで固める必要があるということで、ヒードランの需要が上がった。
BW期の全国大会予選であるジャパンカップ2012オンライン大会(ダブルバトル)では使用率25位を記録[1]。ここまで採用率が伸び悩んだのは、ローブシンや雨パーティが環境に多かったことや、理想的な型とされるふんかヒードランの入手難易度が高かったことが挙げられるだろう。そんな中、WCS2013日本代表決定大会のマスター部門では優勝という実績を残している。有志のデータ解析の結果、このヒードランは入手が不可能な不正な性格値の個体、つまり改造であることが発覚して物議を醸した。
この世代ではバンギラス対策のかくとうが多かった上に雨パのような明確な不利も環境に存在していたため、全盛期となる次の第六世代よりは落ち着いた存在であった。
タイプ相性上雨パが苦手であったが、ヒードランを温存して雨パ要員を他のポケモンで一掃してからヒードランと雨パの補完要員であるナットレイの一騎討ちに持ち込めば、この点はカバーできた。
第六世代
マグマストームの威力が100にダウンした一方で、バインドのダメージが1/8へと上方修正。フェアリー技を4分の1で受けることができ、ファイアロー、リザードンなどのほのおタイプやギルガルド、メガクチートなどのはがねタイプにも強いなど新要素に対してことごとく相性がよく、第五世代よりも大きく強化されたと言える。
レーティングバトルXYリーグシングルバトルでは、シーズン2からシーズン8まで使用率ベスト30入りを果たしており、同リーグではベスト30入りに入っているシーズンはおおむね20位前後を推移し、最高位はシーズン3の14位。ORASリーグではORASゲーム内入手個体が普及したためシングルバトルでは各シーズンでベスト30入りを果たしており、概ね20位台を推移。PGLレーティングバトル統計データからは、主流技はだいちのちから、ラスターカノン、マグマストーム、どくどく、みがわり、まもるであることがわかった。性格は最速を意識したおくびょうが最も割合を伸ばし、次いで火力の出るひかえめが比率を上げた。持ち物は耐久戦法と相性の良いたべのこしが好まれた。この世代になるとサイクル戦の重要性が草の根のプレイヤーに対しても周知となったため「クレセドラン」の価値が広く認識されるようになった。そこにメガガルーラを足した「ガルクレセドラン」は環境の主流パーティであった。新規に登場したブリガロンやフェアリーを追加されたことで第五世代とはタイプ的に別物の存在となったエルフーンなどくさタイプとの相性補完もよかった。
ORASリーグダブルバトルでは出身マーク限定化によってふんか型は消滅するものの、それでもなお人気が高く、シーズン9からリーグ最終シーズンのシーズン17まで使用率1桁台を維持。最高位はシーズン17の3位。ダブルバトルではねっぷう、だいちのちから、ラスターカノン、まもるが主流技構成であった。ニンフィアのフェアリースキン+ハイパーボイス、自身のねっぷうの技範囲を活かした「ニンフドラン」はダブルバトル環境の主流コンビの1つであった。半減されやすいラスターカノンを切ってまもると同時にみがわり採用した上で素早さに努力値を厚く振って、自身を狙い撃ちにするヒードラン、モロバレルなどに対して上からみがわりを張って受ける型もあった。ヒードラン同士のミラーマッチが多く、ミラーマッチに強いおくびょう最速型もざらであった。公式大会の実績としてはWCS2015優勝の記録を残している。このポケモンをピンポイントで対策するためにめざめるパワー(じめん)を採用するポケモンが多かったことからも、いかにこのポケモンが環境に影響を与えたかをうかがい知ることができる。
第七世代
カプやミミッキュの登場などフェアリータイプの普及もあって、需要は第六世代と変わらず維持されている。環境では耐久ベースのポケモンによるサイクル戦が中心なので上級者からの需要は上がったとも言える。一方、メガシンカの素早さ仕様変更によってメガシンカの需要がさらに拡大したため、ヒードラン程度の火力ではごり押しに旨味があるとは言い難くなった。とはいえ採用率も一般普及後のUSUMリーグでは第六世代同様20位台前半を推移しており、採用率は衰えていない。単体構成としては最速キノガッサを意識する必要が無くなったため、そのことが周知となったSMリーグシーズン4以降概ねおくびょう型とひかえめ型の序列が逆転した。
カプ・テテフとの対面はめざめるパワー(じめん)を打たれない限り基本的には有利の一言であり、こだわりメガネ型のおくびょうカプ・テテフのサイコキネシスは特防に努力値を全振りしてHPに4振りしたおくびょうヒードランをサイコメイカー込みで確定3発。そのヒードランが特攻に全振りで相手のカプ・テテフが特防に4振りの場合、こだわりメガネ込みのラスターカノンで確定1発なので受け出しからでも勝つことができた。
ダブルバトルではほのおタイプにガオガエンというライバルが現れたことや、みずタイプを兼ねたカプ・レヒレの流行でフェアリー対策という役割を遂行するのが難しくなったことで立場が危うくなった。そのガオガエンの活躍により、カクトウZ・ミズZでついでに対策されてしまうのも手痛いところだろう。シュカのみがあってもジメンZで貫通されてしまうのも痛く、れいじゅうランドロスに対して動かすのは難しくなってしまった。ただ、ヒードラン自身もZの活用には長けており、ソーラービームをベースにしたクサZやしぜんのちからをベースにしたノーマルZを扱う型が誕生した。WCS2018マスターカテゴリではベスト8進出者中1人が後者を使用している。
専用技のマグマストームはシーズン11までは使用率でベスト10にランクインしているものの、命中の不安定さも相まってシーズン7以降大幅に低下し始め、シーズン12以降はベスト10から外れた。代わりにシングルバトルではやけどの確率が高いふんえんが、ダブルバトルでは2体同時に攻撃できるねっぷうがほのお技として高い採用率を誇っている。
第八世代
冠の雪原で追加。
この世代で猛威を振るうトゲキッスの一致メインウエポン両方とくさむすびを半減以下で受け、ほのおのサブウエポンももらいびで無効化するなど、トゲキッスに対する耐性としては非常に恵まれている。
新規技としては目ぼしいところでボディプレスを獲得。
ダイマックスでHPを底上げし、ダイアースで特防のランク補正を積むことができるため、これにシュカのみを合わせれば相手の一致ダイアースも怖くない。耐久無振りでもダイマックス状態かつシュカのみ込みならいじっぱりれいじゅうランドロスのダイアース(じしん)が確定2発。
シングルバトルではとつげきチョッキ型が、ダブルバトルではシュカのみ型がメインとなっている。シングル・ダブル問わず、ダイアース(じしん)、ダイスチル(ラスターカノン)でひたすら耐久にバフを掛けて場持ちを図る構成がメイン。冠の雪原の解禁組にやたらと特殊型のポケモンが目立つため特殊耐久に厚くした型が必然と多くなり、おだやか特殊耐久特化型すら稀ではない。りゅうのはどうをダイドラグーン化して相手にデバフを掛ける型も一定数存在する。
シングルバトルではトゲキッス対策になることからシーズン12初動使用率では9位を記録したが、トゲキッスの数が冠の雪原環境に少ないことが知れると使用率は急落し、最終的に19位と可も不可もない位置に落ち着いた。シーズン13には33位まで使用率を下げた。エースバーンやウーラオスのかくとうウエポンで一致抜群を取られるのも使用率を下げた要因としては大きい。
シーズン13にはまもる型が散見されるようになった。エースバーンのとびひざげり、ウツロイドのメテオビームへの対策になる上に、テッカグヤがじしんを持っているかどうかを確認するのにも使われる。
シーズン14になると受けを崩すためのじゃくてんほけん型がランク上位帯を中心に使われるようになった。同シーズン前半、ランク上位帯であまりにもヒードランが激増したため、ミラーマッチ対策となるだいちのちからを外せないプレイヤーも続出した。
シーズン14終盤にはゴリランダーとの相性補完を活かしてサイクルを回しつつ有利な対面でダメージを刻み、ゴリランダーのグラスメイカーとヒードランが持ったたべのこしで場持ちを良くした「ゴリラドラン」が上位陣の間で激増。この「ゴリラドラン」の苦手なウーラオス、エースバーンへの対処としてカプ・レヒレをプラスした型も多くなった。
強いばかりではなくキョダイカキュウでもらいびを無効化されるなど、ミミッキュ対策の巻き添えを受けている面もある。
竜王戦ルールにおいてはムゲンダイナとテッカグヤの受けループコンビ「カグヤダイナ」が有名で、竜王戦予選ではこれをいかに崩すかが需要になり、これに対応して上級者層の間できんぞくおんヒードランが流行。
シーズン18最終1位構築にはダイマックスわざの威力を追求してマグマストームとてっていこうせんを両採用し、非ダイマックス時はてっぺき、ボディプレスでダメージを積み重ねるじゃくてんほけん型がエントリーされていた[2]。最終2桁構築にはおにび、ちょうはつを活かして(好みによってまもるやみがわりを入れたり入れなかったり)で粘るおだやかHDベースのたべのこし耐久型がポツポツと見られた[3][4][5]。
一般的な育成論
凄まじいほどの特攻と高い防御・特防を持つ。HPも高めなため、耐久力も優秀と言えるだろう。さらにはがねタイプの天敵ほのおタイプが弱点にならないどころか、特性もらいびによって逆に無効化できるのは魅力。じめんタイプが4倍弱点であるのが辛いが、第五世代ではそれを補うアイテムふうせんが登場し、使いやすさは上昇したと言える。
ほのお・はがねという複合タイプにより、やけど・どく・砂嵐といったメジャーなスリップダメージの大半を無効化できるため、耐久に努力値を振っていなくてもかなりしぶとい。しかしじめんが4倍弱点であるため完全な耐久型にしてしまうと安定しないので、多少耐久調整をした特殊アタッカーとしての運用がベスト。性格は基本はひかえめ、素早さ調整をする場合・こだわりスカーフを持たせて使う場合などはおくびょうが選ばれる。ただし、新道具のしんかのきせきの登場により、それを持たせたものも含めて耐久型のポケモンが増加したことから、おくびょうでこだわりスカーフを持たせて採用されることは少なくなった。
技構成はメインのほのお技1つを基本とし、だいちのちから・あくのはどう・めざめるパワー(理想タイプはこおりかくさ)・りゅうのはどうの中から3つでフルアタか、またはサブ攻撃技2つと補助技1つというパターンが多い。ただし素早さ種族値の問題から、あくのはどうは選んだとしても追加効果は期待しない方がいい。また、あくタイプの技を受けると攻撃が上がってしまう第五世代の新特性せいぎのこころの登場によって、この技を読まれてテラキオンなどを出された場合は相当厳しくなることから、優先度はやや低くなることも考えられる。タイプ一致の特殊技としてラスターカノンもあるが、はがねタイプの技で弱点を突ける相手はほぼメインと他のサブ技でカバーできるため、これも優先度は低い。第六世代では、新登場したフェアリータイプへのダメージ源にもなりうるので、これまでよりは採用価値は上昇した。アーゴヨンに関しては特殊特化ヒードランのだいちのちからを確定耐えして逆にわるだくみで起点にするよう調整するのが普通なので、アーゴヨンを見ることは無理にしない方がよい。
その他物理技まで広げればストーンエッジやだいばくはつなどがあるが、ストーンエッジはウルガモスやリザードンなどの4倍弱点を狙い打つのにしか使わない。これらは元々タイプ相性の時点で圧倒的に有利で、めざめるパワーで特別に対策を用意されていない限りごり押しでも十分勝てるが、ウルガモスはちょうのまいで積まれると厳しいので、ウルガモスの積みの起点にされるのを防ぐ目的で使う。だいばくはつは第四世代までは死に際に撃つと強力だったが、第五世代では威力が大幅に低下したため、採用はまずされない。
メインのほのお技はほぼ、専用技のマグマストームかだいもんじの2択。ただしこだわりスカーフなどを持たせて撃ち逃げする前提の場合にはオーバーヒート、安定志向またはそこまで火力を必要としない場合にはかえんほうしゃが選択肢に入るため、自分の戦術に合ったものを見出すべきといえる。マグマストームは第五世代までだいもんじと同じ威力120だったが第六世代で威力が下げられマグマストームが100、だいもんじが110となった。拘束ダメージの分があるため実質的にだいもんじより威力が高いことになるが(だいもんじでやけどを負わせれば一概にそうとも言い切れないが)、その分命中はだいもんじより低く安定しない。ただ当たりさえすれば、単純な総ダメージ量だけでなく、拘束ダメージによってきあいのタスキで持ちこたえた相手に自動的に止めを刺せるという大きな利点があり、さらに第五世代で命中率が僅かとはいえ上昇したため、こうかくレンズなどを持たせてでもマグマストームをメインに使う人は少なくない。マグマストームを採用する場合、相手を拘束しながらどくどく、まもる、みがわりを駆使してさらに相手を苦しめる戦法もよく見られる。なお配信で手に入れた個体のみふんかを覚えているが、これはほぼ選択肢に入らない。この個体は性格がれいせい固定であるため素早さがかなり低く、ほとんどの場合ふんかを撃つ前に攻撃を受けてHPが減ってしまうため、十分に活かしきれない。もし採用する場合は、れいせいでも最速(実数値116)にしてこだわりスカーフを持たせる(この場合は最速の106族までを奇襲可能)か、わざと個体値0(逆V、実数値73)を狙い、味方のトリックルームのサポートを受けた上で戦う必要がある。
補助技は上記のマグマストーム採用時のどくどく、まもる、みがわりの他、おにび、ちょうはつ、ステルスロックなど。先述の通り基本はアタッカーなので、いずれも状態異常を撒いて後続に繋げるというよりも、苦手な相手や受けポケモンに出くわした際に強引に突破できる可能性を作るといった意味合いが強い。