ゾロアーク/対戦
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このページは、ゾロアークの対戦での扱い、および育成論を記述するところである。
ゾロアークの歴史
第五世代
相手を騙すポテンシャルを持つが、実際の対戦では見せ合いがあるため、「使いこなせば強い」程度に落ち着いた。
イリュージョンで相手を騙しつつカウンターをきあいのタスキによって運用する型が最も有名であろう。トリック、この世代でも変わらず汎用マシン技であっためざめるパワー(こおり)などの、多くのポケモンが覚える技使用することで相手を騙し続ける構成が一般的であった。
じしんかじょうギャラドスと組めば、登場時に何も発動しないギャラドスを「ゾロアークが化けているのだ」と誤認させることが可能。逆にいかく持ちならば「パーティにゾロアークがいないはずだ」という先入観を持たせることが可能で、このようにギャラドスとのコンビによって見せ合いの段階で択を迫ることができる。尤も、このコンビの両方がテラキオンに抜群を取られる上に、にどげりでゾロアークのきあいのタスキは破られてしまうので、環境的にはそれほど恵まれなかった。
BW期のイッシュダブルではゆうかん最遅でHPと攻撃に努力値を特化したくろいてっきゅう+なげつける型がインターネット大会「ジャパンカップ2011」4位の構築となった。この構築はコジョンドに化けたゾロアークでトリックルーム状態にただ乗りし、下からエスパー、ゴーストといったトリパ始動役を叩くという単純明快な奇襲型であった。
第六世代
メガストーンの登場によるトリックの弱体化、めざめるパワーの弱体化など打撃を受けた。
XYリーグシングルバトルではバンギラス、サザンドラ、メガギャラドスが主流であり、強化を受けたあくタイプにあく枠を取られるという厳しい状況であった。
PGLレーティングバトル統計データからは、かえんほうしゃ、ナイトバースト、きあいだま、ふいうちorカウンターが主流技構成であったことがうかがえる。性格はおくびょう、せっかち、むじゃきが、持ち物はきあいのタスキがメインであった。専用技であるナイトバーストは一見すると相手を騙す戦略とは相性が最悪だが、1ターンだけ騙せれば十分という考えで採用されることが多かった。
第七世代
カプやミミッキュの登場などフェアリータイプの増加によって、ムーンフォースであっさり頓挫するケースが増えた。フィールドメイカー特性の登場や天候特性持ちの追加などの影響で登場時発動特性の導入が盛んになっており、そもそも汎用性の高いパーティを組もうとするとゾロアークで化けるのに支障が無いポケモンで固めることが難しいという点が露呈。USUMリーグになってサイクル戦が加速している中、これまで以上に後出し不能の紙耐久が響くようになった。この世代では取り敢えずとんぼがえりを打ってミミッキュに交代するだけで結構なダメージを与えつつカウンターにもナイトバーストにも対処できるようになったため、根本的に弱体化。
しかも、2018年7月下旬に、状態異常を浴びせてからレーティングバトルの相手パーティ確認画面でゾロアークなのかどうかを判別する(ゾロアークに状態異常のアイコンが付いていれば状態異常を浴びせた相手がゾロアークであるということが分かる)という裏技が判明。
USUMリーグになるとおきみやげでイリュージョンを解除しないまま退場する構成がゾロアークの構成としては比率を伸ばし、それまで以上に騙すことに特化したともいえる。一方、わるだくみで火力を上げるなど積みサイクル全盛環境に乗った構成もメジャーなっている。わるだくみ、かえんほうしゃ、めざめるパワーはアーゴヨンも覚えるため、アーゴヨンに化けるのがこの世代での仕事といえる。シーズン10からシーズン12にかけて、なげつけるででんきだまを投げてからおきみやげで退場する型が一定数使用された。なげつけるだけではゾロアークかどうかを特定できないのがミソ。
ナイトバーストがルナアーラも覚えられるようになったため、専用技では無くなった。逆に言えば、禁止伝説が参加可能なルールではルナアーラに化けてナイトバーストを撃ってもバレにくいというメリットでもある。ルナアーラの4倍弱点であるあくもゴーストも半減出来るので、相性は比較的良好。
第八世代
『鎧の孤島』配信に伴い解禁。
それまで配布技限定であったヘドロばくだんがレコードわざ化したことがPokémon HOMEの解析により判明。他にアンコールを習得している。
ダイマックス中も攻撃を受けない限りイリュージョンは解除されないため、第七世代よりはマシな立場になった。また、ダイマックスわざはベースとなる技の名前を相手に隠すことができるため、相手に正体を悟られにくくなったとも言える。その上、この世代は第六世代以来となる対面構築が盛んな環境であり、そうしたことから「取り敢えずとんぼがえり」によって瓦解する恐れが薄くなった。しかしトゲキッス、ミミッキュ、ニンフィア、ピクシー、オーロンゲなどこの世代でも依然としてフェアリーが多く、安心できない状況。また、キョダイマックスのフォルムまではイリュージョンで再現できない。
この世代ではギャラドスの特性の主流がじしんかじょう(登場時発動特性ではないのでゾロアークのイリュージョンの邪魔にならない)になったため、ゾロアークとコンビを組ませる時に構成を歪めるリスクを負わずに済むようになった。
シーズン8シングルバトルでは起点作り型がそこそこ流行し、このシーズンは使用率42位を記録。カウンター、ふいうち、はたきおとすと、攻撃技に特殊技を一切使わないようき最速きあいのタスキ型も一定数存在する。
ただ、シリーズ6になってれんげきウーラオスが激増すると、生半可な耐久振りではこだわりハチマキいじっぱり型のすいりゅうれんだがきあいのタスキ貫通で確定1発というのもざらになり、根本的にカウンター使いとして成り立ちにくくなった。そうしたことからシーズン10には使用率を77位まで落としている。
冠の雪原期にはねらいのまと+トリック型が一定数使われるに至った。ゾロアークの型としてそのような型があると相手が知っていてもイリュージョンのおかげで場にいるそのポケモンがゾロアークかどうかが一目では分からず、分かったとしてもエスパーウエポン主体のポケモンはクレセリアを除けば環境上レアなため、自身のエスパー無効がねらいのまとで等倍になるデメリットが機能しづらい。
一般的な育成論
種族値の上では攻撃、特攻、素早さが高い、両刀が可能なアタッカー。ただし実際は、物理技の貧弱さにより、素早さと特攻に努力値を振りきった特殊アタッカーとして育成される事が多い。努力値の振り方や技構成はあまりバリエーションが無いが、特性イリュージョンによってさまざまな使い方が想定されるポケモン。
特性イリュージョンの具体的な使用例については、イリュージョンのページを参照。
性格
ようき以外の素早さが上がる性格のいずれか(おくびょう・せっかち・むじゃき)が推奨される。
ゾロアークは耐久面では紙と言っていいレベルであり、等倍のタイプの技でもそこそこの威力があれば容易に一撃で落とされるので、相手の攻撃を耐えて後攻で攻めるというパターンは考えるだけ無駄と言っていい。そのため可能な限り素早さを上げ、先手を取る事を最重要視するべきと言える。また、特攻種族値が120もあると言えど、タイプ一致技の威力が85止まりである事を考えると、ひかえめ等で威力に特化しても中途半端になってしまいあまり意味が無いというのもある。
おくびょう・せっかち・むじゃきのどれにするかについては、ふいうちとカウンターをそれぞれ採用するかどうかで分かれる。
ふいうちは、攻撃に努力値を全く割かないとしても、(タイプ一致ボーナス込みで)威力120もありそれなりの威力が出るので、これを採用するならばおくびょうは望ましくない。採用しないのであれば逆におくびょうが望ましいが、せっかちでもむじゃきでも大して変わらないので問題ない。
一方、カウンターを採用する場合、(ふいうちの有無に関わらず)防御が下がるせっかちが望ましい。中途半端な威力の技を当てられて半端な威力のカウンターになり仕留め損ねるといったケースを出来る限り回避するためである。
努力値
特攻252・素早さ252・HP4振るのが鉄板、と言うか他に振って意味がある場所があまり無い。
性格の項に書いたとおり相手の攻撃を耐える事がほぼ想定出来ないので防御・特防は無視して素早さ252はまず固定であり、特攻も半端になりがちな火力を可能な限り補うために252。余った分をHPと言う流れである。カウンターを採用するならHPはカウンターの最大威力の増加にもなるため、耐久以外にも意味がある。
もちろん仮想敵次第で素早さや特攻を必ずしも252振らなくても良いというケースはあり得るが、明確なイメージが無いのであれば止めた方が良い。明確な理由が無いのに素早さを削っておいて、同じ素早さ種族値105のムウマージの先制みちづれを回避する手段が無くなった、という事になってしまうのは勿体無さ過ぎるからである。素早さ種族値102にガブリアス、その1つ下にランドロス、さらにその下には大量に素早さ100族がいる事を考えると、ちょっと削りすぎただけで多くのポケモンに抜かれてしまうと言うのもある。
技候補
ナイトバーストかあくのはどうのどちらか1つをメインウェポンとし、残りの3つにサブウェポンまたはふいうち、ちょうはつやカウンターなどの絡め手を入れる事になる。第六世代でははがねタイプのポケモンに主力技が等倍で突き刺さるため強化されたといえるだろう。
- ナイトバーストとあくのはどうの比較
- 威力…ナイトバーストの方が5高い。たった5の差ではあるが、耐久無振りエーフィ(ナイトバーストのみ確1)、HP特防252振り・性格補正無しブルンゲル(ナイトバーストのみ確2)など、この差で確定攻撃数が変わるケースは少なからず存在する。一発食らわせてゾロアークが退場し、後続のポケモンで止めを刺す場合に倒しきれるか…と言うようなケースまで考慮すればさらに増える(と思われる)。
- 命中…あくのはどうは100であるのに対し、ナイトバーストは100でない(95)。上記のエーフィ確1のケースで言えば、エーフィ側のHP・特防の個体値が共に28以上あるくらいの高個体値でない場合、あくのはどうでも1発で倒せる確率が95%を超える、即ちナイトバーストを外して撃ち漏らす確率の方が高くなる。またあくのはどうで確1できなかったとしても次のターンのふいうちや後続のポケモンの先制技で止めを刺せるが、ナイトバーストを外した場合は相手は無傷なのでそこでゾロアークが退場してしまった場合、相手に1ターン以上の猶予を与えてしまう可能性がある。
- 追加効果…あくのはどうは2割でひるみ、ナイトバーストは4割で命中率の低下。ナイトバーストによって命中率ダウン→続く攻撃が外れる となる確率はおよそ1割であり、直後の状況に役立つ可能性としてはあくのはどうの方が優れる。またあくのはどうのひるみは相手が必中技や自分に対する補助技を使おうとしていた場合にも有効であるため、総合しても若干あくのはどうの方が有利か。
- イリュージョンとの兼ね合い…ナイトバーストは専用技なので確実にゾロアークだとバレる(第六世代まで。第七世代ではルナアーラも覚えられる。しかしルナアーラは禁止級なので参加できるルールは限られる)が、あくのはどうでも(ルカリオやサザンドラに化けているのでない限り)ほぼバレるのでこの点に関しては差異は殆ど無い。
- サブウェポン・その他あくタイプ攻撃技選択
- かえんほうしゃ…威力はそこそこしかないが4倍弱点として炎を嫌うポケモンも多く不足はあまりない。何より炎技でないと突破出来ないようなポケモンに当たる可能性を考えると持っておくと安心感が非常に増す。殆どの場合において第一候補。第六世代では前述の理由でそのはがねタイプ突破がほぼピンポイントでしかならなくなり、優先度は若干ながら低くなった。なお、だいもんじやオーバーヒートは覚えない。
- きあいだま…命中が不安ではあるがメインウェポンとうまく相性補完されている技。威力も高い。先発でかち合う可能性が高いバンギラスに対しては、この技が無いと殆ど何もする事が無い。上記のかえんほうしゃと比べると微妙だが、それ以外なら最優先で挙がる第2候補。
- くさむすび…こちらも相手を選べば威力は高いが、草を弱点とするポケモンは大抵悪タイプの技が等倍で通るので、優先度は上2つと比べると低い。
- じんつうりき…かくとうタイプをピンポイントで突き刺し、10%ととても低い確率ではあるもののひるみも期待できる。ただ他に弱点を突けるタイプが少なくこちらも優先度はやや低め。
- めざめるパワー…ほぼ氷。ごり押しで負けてしまう可能性が高いドラゴンタイプのポケモン対策。イリュージョンで化ける先が明らかな物理型の場合を除いて、使ってもイリュージョンがバレる可能性が低いというのもメリット。ただし、かえんほうしゃなどを捨ててまでゾロアークでめざパ氷を撃つ必要があるかとまで言われると微妙なラインで、ふいうちを採用しない場合で尚且つサブウェポン3つ構成にする場合の3つ目候補くらいか。
- ふいうち…唯一の先制攻撃技であるので、殆どの場合最優先で採用される。ゴウカザルなど、自分より素早い相手に対してはタスキカウンターを決めても相手がタスキ持ちだった場合、この技が無いと勝てない場合がある(ゴウカザルに限ってはマッハパンチを持っているとふいうちがあっても勝てないが)。また先述の通りタイプ一致で威力120になるので攻撃無振りでも結構な威力が出る。例えばサンダースに対しては、防御に振っていない限り特攻252振りのナイトバーストと攻撃無振りのふいうちが同じくらいのダメージになるなど、相手の防御・特防の偏り具合によってはメインウェポン級の威力になる事もあるので、特殊技があまり通らない相手への物理技としての側面もある。
- イカサマ…タイプ一致の悪タイプの技で、物理技でありながら自身の攻撃が関係ないため、一見すると相性が良い技。ただし「攻撃が高い相手」に対する対策ならば下記のカウンターでも可能であり、カウンターならばダメージ固定技であるためほぼ一撃で倒せるが、イカサマは一撃で倒せるとは限らない。カウンターが通じないゴーストタイプ相手ならばこの限りではないが、ゴーストタイプのポケモンは攻撃が低い場合が多く、そもそもゴースト相手なら普通にナイトバーストを撃ち込めばいいだけなので、イカサマが活きるケースがあまりない。ゾロアのページにあるような型でいばると併用するのでもない限り、優先度はかなり低い技。
- 補助技選択
- カウンター…ある意味ゾロアークの代名詞となっている技でもある。イリュージョンで相手の警戒を潜り抜ける事が可能でいくらか決めやすく、対処しづらい相手を強引に沈める事が出来る。自分より素早い相手に対しても対処が可能な技の1つでもあるため、読み違いさえしなければ主力としての働きが出来る有用な技。ただしあくまで読み前提であるため、外すと無駄に1ターンを消費してしまうと言うリスクは決して低くない。またきあいのタスキ前提になるため、砂嵐やステルスロック等に弱くなってしまうのも忘れてはいけない。
- ちょうはつ…性質上先発で出る事が多いゾロアークはトリックルームの発動役と鉢合わせる事が多いが、トリル発動役のポケモン(ランクルス、ドータクンなど)を先制の一撃で倒す事はほぼ不可能であるため、鉢合わせた時点で極めて不利になってしまう。そういう場合の対策。また、タスキカウンターで1匹倒した後に出てくる2匹目の種類によっては一撃入れて死ぬよりもちょうはつしておいて死ぬ方が後々有利になれる事も少なくない。他にもエルフーンやハピナスなど、補助技中心のポケモンを封じ込める事も出来るため、各々の用途はかなりピンポイントではあるものの、刺さる状況はかなり多い相性の良い技。
- おきみやげ…カウンターと同じくきあいのタスキ前提として使われる。ただ、カウンターと違うのは優先度で、相手が先制技を持っていない限り、イリュージョンがばれた後で使用したあとで控えの積みの起点にすることも可能になる。ただし、相手の特性がまけんき、かちき、あまのじゃくの相手には使わないように注意しなければならない。
- トリック…ブラック2・ホワイト2で教え技として取得できる。この技を使う際の持ち物はこだわりメガネまたはこだわりスカーフが妥当。この技で補助技中心のポケモンに押し付けてしまえば、ちょうはつ同様に機能停止に追い込むこともできる。イリュージョンとも相性がよく、非常に読まれにくく、且つ相手にさらにプレッシャーをかけられる。ただしこだわり系のアイテムの場合は技が縛られる上に、ゾロアーク自体耐久力がないため、使う際にはある程度の読み合いが必要になることを考えると少々トリッキーな戦法になる。
以上のような技候補から選ぶ訳だが、メインウェポンのあくのはどうorナイトバーストの他の3つは、ふいうち・カウンター・きあいだま・かえんほうしゃの4つから3つを選ぶのがオーソドックスと言える。カウンターによる強引な一撃を主軸とする場合は+ふいうちがほぼ確定で入り、残る1つはかえんほうしゃが選ばれる事が多い。逆にカウンターを採用しない場合はきあいだまが入る事になるが、稀にふいうちも外してめざめるパワーを入れ、純粋に攻撃範囲を広げるプレイヤーもいる。
トリックルームに対しての耐性が低いパーティ構成であるならば、ゾロアークにちょうはつを持たせて妨害役を任せるのも良い。ただしその場合は当然ながら技スペースを1つ圧迫するのだが、上記のオーソドックスな構成からはどれを抜いても別の「穴」が出来てしまうので、パーティ構成とよく相談する必要がある(例:パーティにウルガモス・ウインディ等の炎タイプのポケモンが複数いるのでかえんほうしゃを外してサブウェポン無しの技構成にする)。