キリキザン/対戦
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キリキザンの歴史
第五世代
キリキザンが初登場した世代であったが、当時の環境はかくとうタイプとドラゴンタイプが全盛であり、かくとうタイプにはメインウェポンであるふいうちを半減される上に4倍弱点を突かれるため歯が立たず、ドラゴンタイプ自体には耐性があるもののサブウェポンで弱点を突かれることが多く活躍できているとは言いがたかった。しかしながら、当時猛威を奮っていたラティ兄妹にはタイプ相性上後出しが効き、なおかつ相手の行動を読んだ上でふいうち、おいうち、ダブルチョップ等を選択することで突破できる数少ないポケモンという特徴があった。 また、積み技と先制技を両立できるポケモンの中で最高火力を出すことができたのでそういった面には恵まれていた。
BW2終期には雨パの補完となるはがね枠として採用されることもあった。
ダブルバトルではカポエラーのねこだまし、いかくで起点を作りつつてだすけで微妙な火力を補う「カポキザン」が成立。カポエラーと共にふいうちで上から集中砲火する型まであった。
第六世代
フェアリータイプ、ファイアロー、メガボーマンダの登場によるかくとうタイプの失墜、エスパータイプの多くがマジカルシャインを獲得したことによるきあいだまの採用率の低下、あくタイプとはたきおとすの仕様変更によるキリキザンの攻守面における強化、はがねタイプがフェアリータイプの弱点を付けること、などなど環境的な追い風が大きく吹き、特にORASリーグダブルバトル、トリプルバトルではニンフィアが同リーグ同バトルにおける使用率5位以内の常連となったため、それに対してあちらの素早さの種族値60を上回る70によって上から一致弱点を突く形で叩けるポケモンとして需要が増した。ダブルバトルでは概ね使用率20位以内に付け最高位はシーズン7、シーズン8の5位。トリプルバトルでは20位前後が定位置で、最高位はシーズン8の9位。
PGLレーティングバトル統計データからは、ダブルバトル、トリプルバトル共に、ふいうち、はたきおとす、アイアンヘッド、まもる、という技構成が一般的であったことがうかがえる。性格は火力を優先したいじっぱりが、特性はいかくメタのまけんきがそれぞれ9割台の割合であった。持ち物はいのちのたまがメインであった。
シングルバトルでもラグラージとボーマンダとの相性補完を活かした「ラグマンダキザン」が成立。ラグラージのステルスロック、キリキザンのはたきおとすで起点を作り、メガボーマンダで制圧する、というコンセプトのトリオである。シングルバトルの場合はダブルバトル、トリプルバトルのまもるの枠をそのままつるぎのまいに替えることが主流。
第七世代
カプやミミッキュなどキリキザンよりも素早さが高いフェアリータイプの登場によって、元々フェアリーが等倍であり特防が高くないこともあってフェアリーメタとして機能しづらくなった。ウインディやガオガエンといったほのおタイプのいかく持ちがダブルバトルで増えた(後者はUSUM期にいかく解禁)こともあって、使用率ベスト30にはすっかり入らなくなった。しかしUSUMリーグダブルバトルシーズン10では、等倍でもきついとされていたカプ・テテフがエスパーZ型を主流としていた影響でこだわりスカーフを持たせれば上から叩ける役割対象になったため、一時期使用率30位を記録。同リーグWCS2018ルール(アローラマーク付き限定の全国ダブル)では第六世代の教え技に依存しない性質から、シーズン9から最終順位としてもベスト30入りするようになった。
ダブルバトルにおいてはメガバシャーモ軸のパーティでいかくへのカウンターとしてキリキザンを入れた「バシャキザン」がこの頃考案される。このコンセプトはWCS2018シニアカテゴリ準優勝の構築にも使われていた。しかし決勝戦1本目ではまもるの上からカプ・コケコにスパーキングギガボルトで叩かれ、2本目では相手のメガサーナイトのトリックルーム読み集中砲火を読まれてメガサーナイトのハイパーボイスで削られ(この時隣にいた味方のポケモンが既に倒されていて1体だけであったのでダブルバトルの威力分散無しのダメージを受けた)、といった具合に活躍しているとは言い難かった。
第八世代
ダイスチル、ダイアークを獲得したが、物理型であり尚且つメジャーな物理技に弱いキリキザンにとっては強化とは言い難い。寧ろ主力技に威力よりも効果がメインとなる攻撃技が多いため攻撃面においてダイマックスとの相性は悪い部類。また、おいうちが使用不可能な技になり、はたきおとすも覚える手段が無くなったため、定番技を二つ失った。
それでも、ドラパルトの一致メインウエポン両方を半減にすることができること、なおかつ最速こだわりスカーフ型が相手の準速型を抜けることから奇襲型としては考慮されるようになった。そうでなくとも単純に、ドラパルト、ミミッキュの厨ポケコンビ「ドラパミミッキュ」のミラーマッチにおけるドラパルト対策が務まるあく枠として投入されるケースも見られるように。ちょうはつとタイプ相性の有利を活かしてガラルサニーゴ、ドヒドイデを安全に処理できるのも売り。音技が環境に多くなったためじごくづき型も一定の需要を得るに至った。上記2種をはじめとするゴーストタイプの人気が高いため、最大の天敵であるかくとうタイプが環境から死滅しているのも追い風である。
環境的にステルスロックで場作りを行う型も実用性が高い。この型の場合ミミッキュとの対面では起点技を使い倒してアイアンヘッド1回でばけのかわを剥いでから退場できると好都合。
かいでんぱサンダーに対してはかいでんぱを読めば後出しからまけんきで役割を持てる。
ダブルバトルでは依然としてまけんきが相手のいかく対策になるだけでなく、まけんき発動機会となるデバフ系のダイマックスわざの内ダイワーム以外に対し半減ゆえ受けやすく、相手にアーマーガアがいる場合はダイアークでミラーアーマーを逆利用してまけんきを発動するという所謂「友情コンボ」が期待できるなど、環境が追い風。 せいしんりょくもいかくを無効に出来るようになったが、元々まけんきで無効に出来ていた(それどころか、差し引きで1段階攻撃をアップできる)ためこれは強化と言えず、使用率のほとんどがまけんき型。 ただ、使用率自体は50位台から60位台が定位置。トップメタにドリュウズ、ドサイドン、エースバーン(リベロ解禁後)、ガオガエン(Pokémon HOME解禁後)、ローブシン(鎧の孤島配信開始以前)などがおり、環境的に一致で抜群を取られやすいという欠点があるためである。
ダイマックスした場合、HPの底上げとダイスチルの追加効果が合わされば攻撃上昇補正ローブシンのドレインパンチがHPに4振りしたダイマックス状態の防御1段階上昇キリキザンに最高乱数で85.1%のダメージで確定2発になるなど耐久面での恩恵も大きい。
実際の構築としては味方のダイジェットで素早さを増強しつつダメおしで強力な追撃をするなどアグレッシブな構築においてよく見られるようになった。
ヨロイじまの教え技としてうっぷんばらしを獲得したことによって、サマヨールのじならしでじゃくてんほけんを発動しつつうっぷんばらしの威力増大条件を達成し、さらに下から動けるようにするというトリパの構築が成立した。
第九世代
進化形のドドゲザンが登場したことに伴い、しんかのきせきが適応可能に。
一般的な育成論
唯一のあく、はがねの2種のタイプを持つポケモン。耐性は多いが、かくとうタイプが4倍弱点となっているのが大きな痛手か。ステータスは攻撃、防御の順に高く、その他のステータスは並である。特攻は低いので物理アタッカーとして育成されることが多い。
タイプ一致の強力な物理技のふいうちとアイアンヘッドが良く用いられ、サブでは命中率は低いが命中すれば一撃で倒せるハサミギロチンを採用することもある。その他にローキック、けたぐり、リベンジ、ストーンエッジ、サイコカッター、ダブルチョップなど。また、思い出し限定技のメタルバーストや、タマゴ技のふいうち、おいうちなども習得し、通信対戦では相手との読み合いでこれらの技を使い分けることで予想以上の強さを発揮するポケモンでもある。読み合い次第のポケモンなので、ふいうちともう一つ悪技を採用することが非常に多い。その候補としてはつじぎり、はたきおとすがあり、更にダブルバトルではダメおしも挙がる。ウルトラサン・ウルトラムーンで追加されたおしえわざのじごくづきも有用。
補助技にはきんぞくおん、てっぺき、つるぎのまいなどがあるが物理アタッカー向きのポケモンのためきんぞくおんは採用されにくく、つるぎのまいが最も有力な候補である。相手に負荷をかけるものとしてはふいうちを決めやすくするためのちょうはつ、相手をひるませる追加効果のあるアイアンヘッドと相性の良いでんじはや、交代先のポケモンにダメージを与えられるステルスロックなどが候補に上がる。
持ち物はあまり耐久がないためきあいのタスキの採用率が高いが、技自体はそこまで威力が高くないためいのちのたまの採用も増えた。その他にはあくのジュエルやこだわりスカーフなど。キリキザンは素早さ70族のため、最速でこだわりスカーフを持たせると最速130族をギリギリ追い抜ける。
特性はまけんきほぼ一択。まず間違いなく物理アタッカーとなるキリキザンで、いかくを入れられても問題なくなるのは非常に心強い。それどころか逆に強化できる。
一方でせいしんりょくはあまり有効な場面が無い。キリキザンに対してエアスラッシュやいわなだれ、あくのはどうなど耐性がある技で突っ張ってくる相手はまずいないため、そもそも怯む機会が無い。ねこだましを防げるのは良いが、ねこだましを撃ってくる相手は殆どの場合かくとうタイプの技を次に使ってくるので、どのみちキリキザンでは勝てないだろう。第八世代ではいかくを無効にできるようになっているが、まけんきは差し引きで攻撃をアップできるため、強化になっていない。
隠れ特性のプレッシャーも採用は厳しい。種族値の上ではそこそこ耐久力があるかのように見えるが、有利不利が極端なほどはっきりしているキリキザンでは、自分も相手も倒れずに長く場に居座ってPP合戦になる事はまずあり得ない。場に出た時に発動する特性が素早さ順に発動する仕様から素早さ判定に使用することはできそうだが、キリキザン程度の中途半端な素早さの種族値の場合、相手の素早さを推測できるメリットよりも、こちらの素早さを推測されてしまうデメリットの方が遥かに大きい。