厳選
厳選とは、自分の望む個体値・性格・性別・特性・色違いの個体が手に入るまで捕獲や孵化を繰り返すことを指す。
概要
ポケモンには進化に関わる性別や、収集要素の強い色違い、対戦で使用する個体値、性格、めざめるパワーのタイプなど、入手時点(生まれつき)に決定する要素がいくつかある。これらの要素を、自分が求めるものが手に入るまで入手を繰り返すことを厳選という。タマゴの概念が導入された第二世代以降においては単に厳選とだけいえば孵化を意味するといっても過言ではない(ただし、タマゴグループがタマゴみはっけんのものは除く)。
特に、通信対戦(特にネットワークを介した対戦やレーティングなど)を行うプレイヤー間においては、厳選および適切な育成を行ったポケモンを対戦に持ち込むことが前提であるため、厳選行為は事実上必須であるといってよい。第七世代以降(第七世代はUSUM期から)のランダムマッチではQRレンタルパーティが解禁され、他のプレイヤーの構築をそのままレンタルして対戦できるようになった。そのため、初心者が単にランダムマッチで対戦するだけなら厳選をする必要はなくなった。
世代を経るごとに、特定条件で確率的部分を確定させることができるようになったり、先天的に決まる要素を後天的に変化できるようになってきており、厳選の難易度も下がってきている。
厳選はいずれも確率的要素を試行回数を増やして目的のものを見つけることであるため、擬似乱数を意図的に操作する手法によって効率化を図ることができる。詳細は乱数ポケモンを参照。
入手方法ごとの厳選
野生ポケモン
野生のポケモンの厳選は第三世代以降、世代を経るごとに効率化している。
第三世代の初期は、個体値が2の30乗通りと第二世代の2の16乗通りに比べ増加し、かつ性格や特性などが追加されたため、第二世代に比べ厳選は極めて困難なものとなっていた。
エメラルド以降、とくせいシンクロにより、任意の性格を持つポケモンの出現率を大幅に向上させることができるようになった。これにより、野生のポケモンはもちろんのこと「固定シンボル」(伝説のポケモンなど)も理想のせいかくのポケモンを手に入れやすくなった。
第六世代以降では、伝説のポケモンなどの固定シンボルポケモンの個体値のうち3つが最上値[1]に固定されるようになった。これにより、野生ポケモンがゆえに厳選が困難となっていた固定シンボルポケモンの厳選の難易度が低下した。
さらに、第六世代では、徘徊ポケモン(スイクン・エンテイ・ライコウなど)に一定回数遭遇することで固定シンボル化するようになった。従来はシンクロが反映されていなかったことや、遭遇の困難さにより厳選が困難であったが、固定シンボル化により厳選の難易度が低下した。
OR・ASでは、ポケモンマルチナビのサーチレベルを強化することで、ポケモンのステータス、例としてタマゴ技、隠れ特性、色違い、持ち物、レベルなどを判断することができる。
タマゴ
タマゴの効率的な厳選方法のひとつとして、エメラルドから第四世代までは爺前固定が用いられていたが、第五世代以降は利用できなくなった。
また、別の厳選の効率化手法として、アイテムによる厳選の効率化手法があるダイヤモンド・パール以降のかわらずのいしによる性格の遺伝(ブラック2・ホワイト2以降は100%)、ハートゴールド・ソウルシルバー以降のパワー系アイテムを利用した個体値の遺伝などがその例である。
第四世代のうち、プラチナ以前のものはパソコンのボックスにある「持ち物→タイプ→性格→特性」と変化する部分を利用してタマゴの状態でも性格・特性が判別できる裏技が存在し、性格や特性を指定したい場合にこれを用いると大幅に時間を短縮できる。具体的には、
- パソコンのボックスにタマゴ、隣接したボックスの同じ位置に任意のポケモンを預ける。
- カーソルをポケモンに合わせ、性格を知りたい場合はタイプ、特性を知りたい場合は性格の表示が出るまで待つ。
- 表示が変化するタイミングでL・Rボタンを押してカーソルをタマゴに変更する。
以上の方法を用いるとカーソルがポケモンからタマゴに切り替わる時に、タマゴから生まれるポケモンの性格・特性が表示される。ただし表示は一瞬だけであるので、タイミングを合わせるのはやや難しい。
第六世代では、あかいいとが強力な厳選の効率化手法として用いられるようになった。あかいいとを持たせてタマゴを作ることで、5つの個体値が親から遺伝する[2]。例えば、6V同士のポケモンを用いた場合、最低でも5Vのポケモンが出現するなど、個体値厳選が著しく効率化される。この場合6Vの子が産まれる可能性も高い。このため、ほぼすべてのポケモンとタマゴが作れるメタモンの6V個体が重宝される。
配布ポケモン
ふしぎなおくりもの等のシステムを利用して各イベント会場で配布されるポケモン、およびネット配信を利用し、配達員からもらうポケモンに対し厳選を行うことがある。幻のポケモンや特別な技を覚えたポケモンなどが該当する。これらのポケモンは、徘徊ポケモンと同様にシンクロは利かないため、厳選が困難である。第六世代以降は、伝説のポケモンと同じように個体値が最低3V固定となったため厳選の効率が少し改善した。
配達員からもらわずに直接ボックスに入るポケモンは厳選できない。例えばポケモンバンクでのセレビィ (3Vは固定だが、性格は選べない) とポケモンARサーチャーから連れてきたポケモンなどが該当する。ソード・シールドでは全てこの方式となったため、ぎんのおうかん・きんのおうかんやミントなど後天的に能力を変更する手段が必要となる。
厳選対象
決定のメカニズムやそれに対する厳選方法などについては各項目を参照。
- 個体値
- ポケモンの個体それぞれの生まれつきの能力値を表す値。第七世代以降すごいとっくんで後天的に最大にすることが可能になった。一方で最大にする以外の変更はできないため、すばやさなど低い値を狙う場合は厳選が必要となる。
- 性格
- 能力値の補正に関わる生まれつきの要素。第八世代以降ミントで後天的に補正の変更が可能になった。
- 性別
- いくつかのわざや、わざの遺伝に影響する。ポケモンごとに♂♀の偏りがあり、特定のポケモンでは進化の条件となる。たとえば、ミツハニーは♀のみビークインに進化するが、♂:♀=7:1という偏りがある。
- 特性
- 主に対戦中に効果を発揮する要素の一つ。第六世代以降とくせいカプセルで後天的に変更が可能になり、第八世代以降とくせいパッチでかくれとくせいへの変更も可能になった。
- めざめるパワー
- めざめるパワーはポケモンの個体値によってわざのタイプが変化し、ポケモンによっては特定タイプのわざを覚えさせるために利用されることがあり、単純に高いだけの個体値ではなく特定の値を狙う必要が出てくる。
- 第五世代までは威力も個体値によって変動し、タイプ、威力、個体値3つを勘案する必要があった。第六世代以降は威力が固定され、タイプと個体値のみを考慮すればよくなった。
- また、第八世代以降では一般的な技としては廃止されているため、アンノーンを使わない限り考慮しなくて良い。
- 色違い
- 極めて低確率で出現する色違いは、世代を経るごとにある程度高い確率で出現させる方法がいくつか登場している。
- あかし
- 低確率で付くあかしは、世代を経るごとにある程度高い確率で出現させる方法がいくつか登場している。
備考
- 「厳選」はポケモンに限らず、「入手ごとにランダムで決まる要素がある」「入手を繰り返す手段がある」ようなゲームにおいて広く用いられる用語である。
脚注
- ↑ 俗に3V以上とよばれる
- ↑ このことについては増田順一もTwitterで紹介している。増田順一のTweet、2013年10月18日投稿。