劇場版ポケットモンスター
劇場版ポケットモンスター(げきじょうばんポケットモンスター)は、テレビアニメ『ポケットモンスター』シリーズの劇場版アニメ映画作品シリーズ。第17作目から第19作目までは「ポケモン・ザ・ムービー」という呼称も用いられた。
概要
ゲーム『ポケットモンスター』シリーズを原作とするテレビアニメ『ポケットモンスター』シリーズのアニメ映画化作品群である。1998年7月に上映された第1作目『ミュウツーの逆襲』以降、2020年12月に上映された『ココ』まで長編映画は23作品(『ビクティニと黒き英雄 ゼクロム』・『ビクティニと白き英雄 レシラム』を2作品とした場合は24作品)が公開されている。作品は主にオー・エル・エムによって制作され、日本では東宝によって配給されている。新型コロナウイルス感染症の流行による影響にともない冬に上映された2020年を除き、基本的に夏休みに合わせて毎年夏に公開される。2021年は映画が公開されるようになって初めて新作が公開されず、同年以降は新作が発表されないようになっている。
2022年は、ファン投票により同年の上映映画を決定する「夏の思い出ゲットだぜ! 25周年ポケモン映画祭」が開催された。全23作品の劇場版映画の中から同年6月17日から7月1日まで1人1作品に投票でき、7月15日放送のアニメポケットモンスター内で『水の都の護神 ラティアスとラティオス』・『七夜の願い星 ジラーチ』・『ディアルガVSパルキアVSダークライ』の3作が選出されたと発表された。同年8月11日から9月8日まで上映された[1][2]。
長編映画とともにピカチュウたちポケモンを主役とした短編映画作品が同時上映されることがあり、第1作目から第6作目、第15作目から第18作目の10作品で行われた。それ以外の作品では短編映画の同時上映は行われず、上映時間がより長い長編映画1本のみが放映されている。また、第14作目のみ『ビクティニと黒き英雄 ゼクロム』と『ビクティニと白き英雄 レシラム』の2作品を同時上映する形式が採られた。
第6作目『七夜の願い星 ジラーチ』以降は前売り券の特典や上映中のワイヤレス通信によって幻のポケモンのような特別なポケモンのデータが配布されることが通例となっており、『ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ』以降は主にインターネット通信機能を用いたシリアルコードでの配布が行われている。このような背景から『ギラティナと氷空の花束 シェイミ』は、最も前売り券が売れたアニメ映画としてギネス世界記録に認定されたこともあり、前売り券や劇場での配布は「ポケモン商法」のひとつとして批判されている。
作品はテレビアニメ『ポケットモンスター』で放送中の内容とリンクするよう意識されていたが、第3作目以降は明確に描かれていない。他方で、劇中に出てきた幻のポケモンや地名、道具などはテレビアニメ側に登場することがある。第20作目『キミにきめた!』以降は、当時のサン&ムーン編や新無印編とは異なる独自のストーリーが展開された。
映画公開後、作品は低年齢向けに漫画や小説などの書籍として小学館から発売される。漫画作品は田尻智が原作、石原恒和が監修となっているアニメ版と、漫画家が著した漫画版が存在し、てんとう虫コミックスから発売される。小説作品は『幻影の覇者 ゾロアーク』以降はジュニアシネマ文庫や小学館ジュニア文庫から発売されている。
作品一覧
弾 | タイトル | 公開日 |
---|---|---|
第1弾 | ミュウツーの逆襲 | 1998年7月18日 |
ピカチュウのなつやすみ | ||
第2弾 | 幻のポケモン ルギア爆誕 | 1999年7月19日 |
ピカチュウたんけんたい | ||
第3弾 | 結晶塔の帝王 ENTEI | 2000年7月8日 |
ピチューとピカチュウ | ||
第4弾 | セレビィ 時を超えた遭遇 | 2001年7月7日 |
ピカチュウのドキドキかくれんぼ | ||
第5弾 | 水の都の護神 ラティアスとラティオス | 2002年7月13日 |
ピカピカ星空キャンプ | ||
第6弾 | 七夜の願い星 ジラーチ | 2003年7月19日 |
おどるポケモンひみつ基地 | ||
第7弾 | 裂空の訪問者 デオキシス | 2004年7月17日 |
第8弾 | ミュウと波導の勇者 ルカリオ | 2005年7月15日 |
第9弾 | ポケモンレンジャーと蒼海の王子 マナフィ | 2006年7月15日 |
第10弾 | ディアルガVSパルキアVSダークライ | 2007年7月14日 |
第11弾 | ギラティナと氷空の花束 シェイミ | 2008年7月19日 |
第12弾 | アルセウス 超克の時空へ | 2009年7月18日 |
第13弾 | 幻影の覇者 ゾロアーク | 2010年7月10日 |
第14弾 | ビクティニと白き英雄 レシラム | 2011年7月16日 |
ビクティニと黒き英雄 ゼクロム | ||
第15弾 | キュレムVS聖剣士 ケルディオ | 2012年7月14日 |
メロエッタのキラキラリサイタル | ||
第16弾 | 神速のゲノセクト ミュウツー覚醒 | 2013年7月13日 |
ピカチュウとイーブイ☆フレンズ | ||
第17弾 | 破壊の繭とディアンシー | 2014年7月19日 |
ピカチュウ、これなんのカギ? | ||
第18弾 | 光輪の超魔神フーパ | 2015年7月18日 |
ピカチュウとポケモンおんがくたい | ||
第19弾 | ボルケニオンと機巧のマギアナ | 2016年7月16日 |
第20弾 | キミにきめた! | 2017年7月15日 |
第21弾 | みんなの物語 | 2018年7月13日 |
第22弾 | ミュウツーの逆襲 EVOLUTION | 2019年7月12日 |
第23弾 | ココ | 2020年12月25日 |
関連作品
- ミュウツーの誕生
- 1998年6月から7月にかけて放送されたラジオドラマ。第1作目『ミュウツーの逆襲』の前日譚。後に再構成、映像化されて『ミュウツーの逆襲』の冒頭に組み込まれた。
- ミュウツー! 我ハココニ在リ
- 2000年12月30日にテレビ東京系列で放送された特別番組。第1作目『ミュウツーの逆襲』の続編。
- ポケットモンスタークリスタル ライコウ雷の伝説
- 2001年12月30日にテレビ東京系列で放送された特別番組。
- ポケモン3Dアドベンチャー ミュウを探せ!
- 2005年に『愛・地球博』で公開された、シリーズ初の3D映画[3]。その後は不定期に期間限定で再上映されており、DVD・Blu-rayなどの映像ソフト化はされていない。
- ポケモン3Dアドベンチャー2 ピカチュウの海底大冒険
- 2006年に公開された3D映画[3]。前作と同様に不定期に期間限定で再上映されており、DVD・Blu-rayなどの映像ソフト化はされていない。
配布ポケモン一覧
備考
脚注
- ↑ 夏の思い出、ゲットだぜ!25周年ポケモン映画祭 (アーカイブ)
- ↑ 「夏の思い出、ゲットだぜ! 25周年ポケモン映画祭」告知映像 - YouTube、2022年6月17日公開。
- ↑ 3.0 3.1 ポケモン初の3D作品が映画館で再上映決定!、2017年1月21日時点の[1]よりアーカイブ。
関連項目
- 名探偵ピカチュウ (実写版) - ゲーム『名探偵ピカチュウ』を原作とした長編映画。
- ポケモン花火