フーディン/対戦
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フーディンの歴史
第一世代
公式ルール制定前において、能力や主要な技においてミュウツーの実質的な下位互換でありながらも2匹体制にすると強いため一定以上の活躍をし、一部攻略本などで「ミニミュウツー」と評された。ルール制定後、あるいはそれ以前のローカルルールでミュウツーが使用禁止となると、たちまちトップクラスのポケモンとして評価された。
97カップの大会シーンでは、トップメタのケンタロスに先手を取ってサイコキネシスが急所に当たればケンタロスを倒すことも不可能ではなかった。公式大会でも使用実績は高く、ニンテンドウカップ97の決勝大会参加者15人中9人が使用していた。以下のとおり当時の仕様による恩恵を最大限に受けられたことが高い人気の主な理由である。
- 高い急所率。当時の急所率計算は素早さの種族値依存で、序列3位のすばやさ種族値120によって約23.43%という高確率で相手の急所に当てることができた。これは不確定要素である急所をもアテにできる水準であった。
- 高い特殊耐久。当時は特殊が特攻と特防にまだ分化しておらず、序列2位であるとくしゅ種族値135とは今風にいえばとくぼう種族値135でもあり、これは現在のハピナスと同等である。レベル55フーディンがレベル51スターミーのふぶきを受けた場合、乱数5発でみがわりが確定耐えと聞けばその特殊耐久の程が分かるだろう。HP・攻撃・防御はゲンガーより更に低く、物理耐久はサンダース以下だが、それでも相手によってはじこさいせいで粘る耐久戦術をとることも十分可能であった。当時は特殊耐久型にする場合、素早さを活かしでんじはやどくどくとかげぶんしん+じこさいせい、そしてサイコキネシスという技構成が主流であった。ちなみに物理が紙耐久とは言え、リフレクターやかげぶんしん+じこさいせいで十分補える。
- サイコキネシスの打開力。当時の追加効果は約33%の確率で相手のとくしゅを下げるというもので、言い換えれば高確率で相手の特殊火力と特殊耐久を同時に奪う攻撃技であった。そのため、本来は有効打が無いはずのエスパーポケモン相手でも、追加効果次第で強引に突破できることも多かった。
- エスパーのタイプ性能。とくに防御面では事実上弱点がなかった。本来はヤマブキジムのトレーナーのセリフどおりむし・ゴーストが弱点であるはずが、前者はダブルニードルしか実用的な威力の技がないうえに、唯一の使い手であるスピアーはタイプや能力の面で敵ではなかったし、後者については設定ミスの影響か無効となった(もっともダメージ計算が行われるゴースト技は貧弱なしたでなめるのみ)。さらに、相手のエスパー技を唯一半減可能なタイプでもあった。このように、防御性能は予想以上に高かった。
- ある程度の物理火力。当時は全ステータスに努力値を振り切ることができたため、決して物理アタッカー向きではない攻撃種族値であっても、高威力の物理技を低耐久の相手に撃てばそれなりのダメージを与えることができた。とくに、あなをほるは当時威力100とあってサンダースに対する有効打になったほか、はかいこうせんの採用例すら珍しくなかった。また、フーディン合戦を打開する固定ダメージのちきゅうなげも覚えた。
仕様による恩恵としては、当時あまり認識されていなかった強みもある。
- 育成難にともなう確定数のずれ。ニンテンドウカップ97の頃は、決勝大会でも個体値の厳選はおろか努力値振りすら徹底されていなかったため、確定数がずれてフーディン側有利となる場合があった。最たる例がケンタロスとの対面である。後年のダメージ計算の研究によれば、ともに理想個体であるとしてLv.55ケンタロスはLv.53フーディンのサイコキネシスで確定3発であるから、急所でも1発は耐えることになる。しかし当時の実戦では、ケンタロス側がここまでの耐久を得られずに急所1発圏内となって、前述のようにフーディン側が先手の一撃で難敵を御釈迦にする場面も現実的であった。
- でんじはとサイコキネシスの擬似コンボ。GBでの対戦に限っては、状態異常の相手を前に能力変化を起こすとその状態異常による能力ダウンが重ね掛けされたため、攻撃しながらまひした相手の特殊火力と特殊耐久とすばやさを一気に奪うこともできた。
ニンテンドウカップ'98でレベル制限の関係上じこさいせいが没収された。
ユンゲラー
ニンテンドウカップ'99では出場可能なポケモンがタイプ別でどくが最も多く、フーディン含む多くのエスパーが使用禁止になってもなお有用だった。ユンゲラーは出場ポケモンの中で素早さが序列3位、特殊が序列2位とかなり高水準な一方、それ以外の能力はすべて低いと典型的な速攻特殊アタッカーとして活躍。単エスパータイプとしてはバリヤードと人気を二分した。サイコキネシスと、このカップでは貴重なじこさいせいの2つはフーディンと同じで、それ以外にちきゅうなげ、どくどくの時間稼ぎにあなをほるなどが大半だった。紙耐久を補える技も覚え、完全にフーディンの代理にはなれたのだが、この戦場には目の上のたんこぶとしてペルシアンがいたため、それが響いて地位は落ちた。同じくフーディンもケンタロスが苦手だったのだが、まず先制できたのでペルシアンよりはマシであった。それでも、レベル55同士で共に育成済み理想個体という前提ならペルシアンの急所きりさくは最大乱数で92%なので、カウンターがあれば返り討ちにすることはできた。
99カップ本戦では12人中4人が使用。でんじはやみがわりなどで粘る耐久型が目立った[1]。
第二世代
特殊が特攻と特防に分かれたことに伴ってハピナスと同等だった特防が大暴落。数値にして50も下がって85になったことで、特殊受けとしても機能していたものが全くアテにできなくなった。加えて、エスパーの天敵としてあくタイプの登場、実戦的なむし・ゴーストタイプの攻撃技の追加、カビゴンの強化とハピナスの登場なども失墜の原因としては大きい。特にカビゴンとハピナスは多くの特殊アタッカーを余裕で受け止めるので、フーディンの特攻ですら落とすのは困難だった。サイコキネシス弱体化でゴリ押し不可能、かげぶんしんもかなり対策されやすくなる、急所率も仕様変更など散々だった。
それでも、ほのおのパンチ、れいとうパンチ、かみなりパンチ、めざめるパワーの獲得によって、弱点つけてもサイコキネシスよりささやか高い程度ではあるものの、乏しかった攻撃技のバリエーションが増した。みがわりやアンコールなど多彩な補助技(特にアンコールは自身の素早さと相性が良く、積み対策に最適で場合によってはカビゴンにもタイマンで勝てる)で相手を攪乱するすべも手に入れ、サポートに回ったり4倍弱点を突いたりと随分と読みにくさが増した。マリオスクール環境ではバリアー型が使用されていた。
第三世代
この世代ではまだこだわりスカーフなどなかったため速攻型のアタッカーとして環境に居座り、ボーマンダやヘラクロスの火力は補助技でかわせば対処できた。この世代におけるあくタイプの中でフーディンのメタになりそうなポケモンはいなかった(せいぜいが偶に使われるヘルガーぐらいなものか)が、努力値の仕様変更からフーディン自身も耐久力は低下しているので、不一致シャドーボールでですら一発アウトの危険性も高まったことから油断していると思わぬしっぺ返しを喰らうことも。ポケモンリーグ2005中学生以上の部では決勝進出者9人中2人が使用していた。
ダブルバトル向けにはせいしんりょくを獲得。せいしんりょくを警戒した相手が初手でねこだましをフーディンに撃たず、引いてはフーディンではない方向に攻撃を集中させるプレイングを行ったところにめいそうを積む、という運用法も存在していた。
第四世代
技の物理と特殊の仕様変更によりほのおのパンチ、れいとうパンチ、かみなりパンチが実用外になったが、かわりに新技のきあいだまとエナジーボール、特殊化したシャドーボールを獲得。この頃から火力インフレの影響によって、攪乱を交えないで火力に任せたプレイングを行うと痛い目に遭うようになった。
第五世代
新たに獲得したのはガードシェアとサイコショック。教え技でイカサマを獲得。隠れ特性のマジックガードも獲得し、これによりいのちのたまのダメージを無効化したり、天候、ステルスロックのダメージを無効化してきあいのタスキを温存したりできるようになった。また、これまでにないかくとうタイプの隆盛によって間接的に強化された。しかしゾロアークやウルガモスなど、フーディンにとってタイプ相性の悪いポケモンが新規に登場したので注意は必要であった。
第六世代
特防が85から95へ上昇。特殊アタッカー相手には若干出しやすくなった。メガシンカを獲得するが、防御性能の低さと覚える技の火力の低さ、きあいのタスキとの両立が不可能でありふいうちなどの先制技に弱い点などから、メガシンカポケモンの中ではかなり使用率が低い部類にあった。さらにはがねタイプに対しあく・ゴースト技が等倍になり、それがそのままフーディンに刺さってしまい逆風が吹き荒れた(ただし、フーディン自身もはがねに対しシャドーボールを等倍で撃てるようになった)。とつげきチョッキの登場も向かい風だが、これはサイコショックである程度対応可能。ほかにはアンコールとバリアーが同時遺伝可能になっており、ダブルバトルでよこどりラッキーを要塞化させるならこの点を活かす余地があった。
高い素早さを活かしたまもる+かなしばりのコンボが強いので、アタッカーというよりサポーターとしての個性が出るようになった。
PGLレーティングバトル統計データを見ると、XYリーグではゲッコウガやマリルリ、ウォッシュロトムを倒すためのエナジーボール、ギルガルドに対する打点となるシャドーボール、ガブリアスを突破するためのマジカルシャインなど、メタ色を強めたアタッカーとしての採用が比較的多いことがうかがえたが、ORASリーグではサイコキネシス、きあいだま、アンコール、まもるの4つがテンプレ技となっていた。性格はサポーターとしての役割を遂行しやすいようにおくびょうが好まれ、メガシンカ型が主流であったことが分かる。
大会実績としては、出場ポケモンが制限される2016年3月に開催されたカントー図鑑限定戦の「カントークラシック」ジュニアカテゴリで7位、マスターカテゴリで6位の使用率を記録している。
第七世代
ふいうちの威力が80から70に下方修正されたが、それでもいじっぱりメガアブソルのふいうちを無振メガフーディンが受けると最低乱数で158.4%のダメージと確定1発になってしまうため、この点は追い風とは言い難い。むしろカプ・テテフという新たなエスパータイプの速攻型が登場したことで、アタッカーとしては下火になった。カプ・テテフの場合はふいうちを等倍で安定して受けられる上にムーンフォースであくタイプを返り討ちにできるので、その点フーディンは比較対象としては分が悪い。かなしばりサポーターとしてもサイクル戦全盛となったこの世代では交代で対処しても相手としては努力値振りやコンセプトの都合上それほどのアド損にならないため、かなしばりが大した妨害にならなくなっている。さらに初登場のミミッキュが環境上位に食い込んでいることもあり、特にばけのかわが発動していない状態での対応が厳しく、フーディンにはさらにきつい世代となっている。
USUMリーグシングルバトルではサイコキネシス、シャドーボール、きあいだま、めいそうという特殊耐久型寄りのアタッカー構成が主流化。物理受け、特殊受けの分業が徹底されているこの世代らしい結果となっている。
過去にUSUMリーグで使用率30位以内にランクインしたポケモンを使用できない「上位禁止縛り」のシングルバトルとして行われたUSUMリーグシーズン16スペシャルバトルでは広い等倍範囲と超火力から上位禁止環境全体を見ることができるポケモンとして需要を集め、使用率21位を記録。使用率が伸びた背景には、同スペシャルレートベスト30にかくとうが5体ランクインしていたという事情がある。
シングルバトルでは勢いが衰えたが、ダブルバトルではむしろカプ・テテフのサイコメイカーの恩恵にメガフーディンが与かるという「テテフーディン」が成立。カプ・テテフはメガフーディンのお供としては定番となった。
道具、特性無しの66シングルで行われるピカブイの対戦では最速かつ汎用性が高いメガシンカポケモンとして利用されている。トップメタであるメガプテラと同速勝負を仕掛けてでんじはやちょうはつで妨害してよし、サイコキネシスで速攻を仕掛けてよし、優先度-1のテレポートを活かしてあくびループを断ち切ってよしと、三拍子揃ったポケモンとなっている。あくとはがねが限定的にしか存在しないのでエスパーの一貫性は第一世代を髣髴とさせるものとなっている(さすがに当時ほど歪なものでは無いが)。覚醒値が反映されない「ノーマルルール」の通信対戦ではいじっぱりプテラのじしんをおくびょう個体がステルスロックのダメージ込みで確定耐えするため、耐久力の問題はひとまず解決されている。それよりも覚醒値無しでの対戦の場合火力が活きる。例として、ひかえめメガフーディンのサイコキネシス2発とステルスロックのダメージによって、サイコキネシスが両方最低乱数でもひかえめシャワーズに対して合計104.1%のダメージ。シャワーズへの受け出しすら許さない超火力もトップメタに君臨している所以であろう。
第八世代
『鎧の孤島』の配信にて追加された。わるだくみ、ふういん、ワイドフォースを獲得。一方、メガシンカが廃止された。
ダイナックルはフーディンが使わない攻撃のランク補正を上げる、自身の特防を上げるのに使えるダイスチルの素材にふさわしい特殊のはがね火力を持たない(強いて言えば貧弱な攻撃の種族値から放つことになるアイアンテールがある程度)など、ダイマックスアタッカーとしては恵まれない。さらに、めざめるパワーはデータ自体から削除されている。
単体では微妙だが、こだわりスカーフイエッサン♂のサイコメイカーで起点を作ってから後続のこだわりメガネフーディンのワイドフォースで暴れる構築がこの世代に成立している。ただし、ゴリランダーはグラスメイカーでフィールドを書き換えるうえに、こだわりハチマキ型ならいかくが1回入っていてもグラススライダーで耐久無振りフーディンを確定1発にするため、きあいのタスキを考慮しなければ無理対面に等しい。せいしんりょくにいかくを無効化する効果が付いたが、元々特殊アタッカーが一般的のフーディンに恩恵はほぼ無い。
ダブルバトルではシーズン8にイエッサン♀とのコンビでワイドフォースを活かす構築が比較的使われ、自身の使用率も34位と健闘。
一般的な育成論
高い特攻と素早さ持つが、HPと防御は非常に低い。性格をおくびょうやひかえめにして、特殊アタッカーとして育成するとよいだろう。ただしメインウエポン候補となるサイコキネシスは、エスパー特殊技としてはメジャーな中で高威力なわざだが、他のタイプのわざと比較すると威力が低め。単純なアタッカーとして運用するのではなく、補助技を織り交ぜて運用することが求められる。
通常特性はシンクロとせいしんりょくだが、シンクロはタイプによって無効化されることが多く、せいしんりょくは素早さの高いフーディンとは基本的に相性が悪いが、ねこだまし対策となるダブルバトルであれば採用の余地がある。隠れ特性はマジックガードであり、優秀かつ応用性の高い特性であるため優先されやすい。
攻撃技の候補としては、サイコキネシス/サイコショック/ワイドフォース、きあいだま、シャドーボール、エナジーボール/くさむすび、マジカルシャイン、でんげきは/チャージビームなどが挙げられる。
補助技は、アンコール、ちょうはつ、トリック、かなしばり、めいそう、わるだくみ、でんじは、じこさいせいと多彩である。ダブルバトル向けにはサイドチェンジもあるほか、トリックルームをふういんで封じることも可能。
- ↑ 【ポケスタ2初代対戦】ニンテンドウカップ99の魅力を語る動画!! つうしんケーブルクラブ 2021/10/09 (2021年10月11日閲覧)