キノガッサ/対戦
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キノガッサの歴史
第三世代
生まれながらにしてパラセクトの強化版。きあいパンチとキノコのほうしのコンボ、マッハパンチによる最後の一押しなど、現在でも通じる技の内のいくつかをこの時点で既に覚えていた。きあいパンチに関しては交代読みをすればキノコのほうしをしなくても十分に使用できた。しかし当時はきあいパンチとマッハパンチだけではゴーストタイプに有効打がなかったり、ラムのみなどで眠りを対策されると耐久力の低さが響きその部分を補う持ち物もなかったため敵に回しても何とかなるポケモンではあった。また、当時は仕様上、くさタイプの物理技というものは存在しないため、タイプ一致で攻撃力の高さを活かせるのはかくとうタイプのみ。FRLGでみがわり、つるぎのまいを獲得。
第四世代
ポイズンヒールの獲得によりみがわりとまもるによる受けループ型が成立。レベル50戦では最速キノガッサを抜ける135が素早さの実数値としてのボーダーラインとなった。さらに、ストーンエッジを獲得したことで、手も足も出なかったボーマンダへの有効打が生まれた。しかし当時はゴウカザルがキノガッサの抑止を行っていたため対戦環境で猛威を振るうほどではなかった。また、バトレボ環境は、技そのものとねむり状態の仕様からさいみんじゅつだらけであったため、それらへの対策のついでにメタを張られることが多くあまり活躍しなかった。
ダブルバトルでもポイズンヒールによる受けループが集中砲火で邪魔されることなどからあまり活躍せず、WCS2010(GSダブル)カテゴリーB都道府県予選でも入賞実績と言えば長野県予選優勝、高知県予選準優勝が報告された程度であった。
ポイズンヒール耐久型にする場合、キノコのほうし、みがわり、まもるの3つを全てを採用すると通常火力による役割遂行が難しくなったため、実際はまもるを切ってキノコのほうし、みがわり、ビルドアップ、タネばくだんという技構成にするのが一般的であった。
第五世代
何よりも大きいのはローキックの習得。これによりハメ性能が格段に上昇し、一度でもキノガッサより遅いポケモンと対面するだけで眠り耐性持ちのポケモンがいない限りループからは抜け出せなくなった。 この凶悪きわまりないハメ性能から、キノガッサに抜かれることはそれだけで非常に重いデメリットであり、キノガッサ周辺の素早さを持つ70-80族のポケモンは最速キノガッサ抜きを強く意識させられることになる。 BW2期からは隠れ特性テクニシャンを獲得したことにより、それを利用したアタッカー型が成立し、型を見抜きづらくなった。型を見誤ると対処が困難であり、いずれの型でもキーとなるキノコのほうしの弱体化が叫ばれた程。ねむりの仕様も交代すると経過ターンがリセットされるというねむりを撒いた側に有利なものに変更されており、眠らせてから有利なポケモンに交代して相手の交代を誘うことでこの仕様を活かすことができ、もしくはその仕様を知っている相手にねむりになったポケモンを捨て駒にさせることを強要することができた。キノガッサの最盛期であり、第四世代以上に「キノガッサより先に動けること」が重視され、素早さ調整の指標となった。また、露骨にねごとで対策されるほどキノコのほうし使いとしての凶悪さが周知されていた。後年になって「第五世代のシングルバトルで最強のポケモンは?」という問いが為されると、まず候補に挙がるポケモンである。
因みにラムのみめざめるパワー(ひこう)カバルドンが露骨なキノガッサメタとして開発されたというのは、誇張されて後年に伝わったネタであり、実際カバルドンの型としては全体の1%にも満たなかった。それだけキノガッサが凶悪であったことを示す逸話であることは確かである。そこまで極端な例はともかくとして、この世代においてめざめるパワー(ひこう)やつばめがえしの需要が高かったことは事実である。
第六世代
くさタイプのタイプ仕様にキノコのほうし無効の追加、ファイアローの登場、ぼうじんゴーグルの登場、ローキックが威力アップによりテクニシャンの適用範囲外になるなどシステムレベルで多くの弱体化が施された。(詳細は#ポイズンヒール型)
対策の一つであるファイアローに対しては一見相性が最悪だが、実際にはきあいのタスキで耐えてからテクニシャンで強化されたがんせきふうじで大ダメージを与え、次のターンにマッハパンチを先制で叩き込んで倒し切るパターンが多かった。ファイアローの絶対数が多かったという前提はあるものの、実際にXYリーグレーティングバトル(シングルバトル)ではキノガッサが倒したポケモン第1位にファイアローが挙がることがざらであった。使用率はXYリーグシングルバトルでは初期のシーズンこそベスト30前後であったが、中期以降は概ね20位前後を推移していた。ORASリーグシングルバトルではタイプ相性のよいカバルドンやスイクンを素早さの調整次第で先手を取り眠らせることができるため使用率が10位台にランクインすることが多く、最高でシーズン9の14位、と依然として存在感を保持している。
PGLレーティングバトル統計データからは、シングルバトルでは特性テクニシャンでキノコのほうし、タネマシンガン、がんせきふうじ、マッハパンチがテンプレートであることが明確にわかる。メガシンカの登場でより素早いポケモンが増えたことと、第五世代で最速キノガッサを指標にした調整が浸透したことから、素早さを求めたようきよりも火力を求めたいじっぱりの割合が高かった。ORASリーグシーズン14からシーズン17にかけて、それまでほぼ考慮外であったつるぎのまいの採用率が2ケタ%台に達し、シーズン16などは24.5%と主流の技の1つと化していた。
心配されていたキノコのほうし対策のくさの蔓延は、ファイアローがトップメタ入りしたことで実現しなかった。
ねこのての仕様変更により弱体化したレパルダスの新たな型の模索として「レパルガッサメタモン」構築に組み込まれることもあった。これは、特性がいたずらごころのレパルダスのねこのてを優先度+1で放ち、キノガッサについてもキノコのほうし、きあいパンチ、カウンター、まもるにすることで、キノコのほうしを確実に引き継いで発動させる戦法。メタモンを入れるのはへんしんがねこのてで選ばれないことを利用している。この場合のキノガッサの努力値は特性ポイズンヒールによるHP回復の効率を最大限良くして、天候ダメージを少なくするようにHP努力値を振り、あとは耐久になるべく振ることが重要となる。
因みにこの世代における第三世代初出のポケモンの中で安定してレーティングシングルバトル環境上位に進出できたポケモンの内、準伝説でも600族でもなくメガシンカも持たないポケモンとしてはキノガッサ以外に該当するポケモンは存在しないも同然であり、如何にキノガッサが高種族値以外の手段を活かして環境で活躍したかが分かるだろう。
第七世代
強さは健在だが、猛威を奮うカプに対しほとんど何もできないポケモンと化してしまった。カプ・コケコやカプ・レヒレは共にねむり状態にならないフィールドにしてくる上、カプ・ブルルも同じくさタイプであるためにキノコのほうしなどの粉技が効かず、カプ・テテフに対してはフィールド発動中はマッハパンチが効かなくなるなど不利なものが多いためである(元からタイプ相性が最悪なのも難点の一つ)。ただし、特殊フィールド発動中も相手がふゆうまたはひこうタイプであれば、相手を眠らせたり先制技を使ったりすることは可能なので、隙を見つけて繰り出すようにしたい。一方で相性の悪かったファイアローの弱体化は追い風と言える。
シーズン初期こそカプに押されていたが、ぼうじんゴーグルの需要低下やフェアリーメタとしてのどくタイプの導入化、じしんメタのひこうタイプの普及により、キノコのほうしが通らないくさタイプが減少し、サイクル戦の研究が加速したことでキノガッサの有利体面を作る方法も多数実用化された。前世代末期に数を伸ばしたつるぎのまいの採用率はUSUMリーグでは3割台から4割台となり、耐久ベースの努力値振りのポケモンが多めの積みサイクル全盛時代を物語る結果となっている。
キノガッサ自体キノコのほうしが無効で大した耐久性能を持たないため、ミラーマッチに持ち込んで潰し合うのが解答としては悪くない。実際、USUMリーグではキノガッサが倒したポケモンランキング1位にキノガッサが上がるシーズンも見られるようになった。
単体でごり押しすることはさすがに不安定になったが、バシャーモのかそくと、つるぎのまい、ビルドアップなどからのバトンタッチで強化し、後続のタネマシンガンで攻めつつポイズンヒールで粘り、その2体の相性補完となるミミッキュで時にはまともに対面で攻める「バシャガッサミミッキュ」が発祥した。実際、メガバシャーモ解禁後のSMリーグシーズン4からシーズン8のシングルバトルにおいては、レーティングバトルでキノガッサと同時エントリーされたポケモンベスト10には、しばしばバシャーモとミミッキュの名前が挙がっている。USUMリーグではランダムマッチであるレーティングバトルの性質、対策を行い切れなくなるほど多様性を増した環境などから、ミミッキュZとばけのかわを武器とするミミッキュ、メガシンカを強さの根源とするガルーラをパーティに入れて対面性能を追求した「ガルガッサミミッキュ」がキノガッサの構築として主流化。
世代終盤にはリザードン、メタグロス、ミミッキュ、キノガッサ、ポリゴン2の5体、通称「リザグロスミミガッサポリ2」が対面構築における最強の5体として使われた。
第九世代
インファイト、リーフストームを獲得した。さらにいかさまダイスが登場し、タネマシンガンが必ず4回は当てることができるようになった。
一般的な育成論
命中100の強力な催眠技・キノコのほうしが使える数少ないポケモンであるため、これは是非覚えさせておきたい。キノガッサを見たらまず間違いなく警戒される技だが、だからと言って使わないのは勿体無い。単純に眠らせるだけでも強いが、キノガッサはさらにそれを利用してタイプ一致のきあいパンチを使うコンボもある。なお、キノコのほうしは進化前のキノココの時でないと覚えられないので、覚えさせてから進化させるようにしよう。第七世代ではキノココの時にハートのウロコによる思い出し技で覚えさせる事ができるため習得が容易になった。
対戦でもなかなかの強さを持つが、キノコのほうしとみねうちを両立できるため、野生ポケモンの捕獲要因として非常に重宝する。ふみんやはやおきの相手への対策としてしびれごなも使える(ただし、第六世代以降くさタイプにはどちらも無効)。PPの多いマッハパンチも覚えるため、特にDPtではポケトレ連鎖のお供として大変有用であった。
厄介なのは経験値タイプが164万タイプであること。すごいとっくんを行えるまでの育成が大変なので、極力個体値の高い個体を入手したいところ。
特性によって大きく2種類の戦術がある。通常特性のポイズンヒールのものと隠れ特性のテクニシャンが一般的。ほうしも弱い特性ではないが、キノガッサ自身はそれほど撃たれ強くは無く、また上記の通りキノコのほうしを活用する前提である以上、相手がまひやどくになって眠らなくなってしまうと逆に困るからである。
ポイズンヒール型
毒状態の時にはターン毎の回復量がたべのこしの2倍になるポイズンヒール、みがわり、キノコのほうしを合わせた無限戦術。持ち物は自動的にどくどくだま固定となる。
キノガッサが先制できる相手に対し、キノコのほうしで相手を眠らせ、眠っている間にみがわりをする。先制で眠らせたターンを含めて相手が2ターン眠っていれば、これ以降相手が起きた場合は「みがわりを破壊する→次のターンにキノコのほうしで眠らせる→もう一度みがわりを使う」の繰り返しになるため、キノガッサ側はこの間に相手を攻撃して行く。
努力値配分は後述の戦術の関係上、素早さは可能な限り速い状態が望まれるため、性格は素早さ補正のようきかつ努力値配分は素早さに配分するのが基本となる。残りはみがわりの消費HPとポイズンヒールの回復量の効率がよくなるよう(16n+9~11)にして残りは防御か特防に振る。
使用技は、この戦術に必須となるみがわりとキノコのほうしが確定。攻撃技はローキックが定番。タイプ一致で追加効果の素早さランク1段階ダウンは必ず発動するため、無限戦術を形成するのに必要な「キノガッサよりも素早さが遅い相手」と言う状況を簡単に作る事ができる。キノガッサは素早さ種族値は70であるため、ほとんどのポケモンはこだわりスカーフを持っていなければローキック1回でキノガッサよりも遅くなってしまう。ゴーストタイプで止まってしまう事を懸念する場合はがんせきふうじがこの枠に入ることもある。
技枠の最後の一つも攻撃技で埋めるのがテンプレートである。もう一つのタイプ一致技のタネばくだんやタネマシンガン、格闘技との補完がよいいわなだれなどの岩技、ゴーストタイプへの攻撃手段が無くなるものの毒状態になる関係で常時威力140で使えるからげんきや、みがわりの盾にして使える高威力技のきあいパンチが候補となる。威力の高いきあいパンチを使う場合は耐久では無く攻撃に努力値を配分したり、ローキックの枠をマッハパンチにして無限戦術を諦める代わりに相手のポケモンの処理速度を優先したものもある。
最後の技枠を変化技にすることもある。やどりぎのタネは回復量を更に増加させられるが、パターンに入ってしまった状態になれば特性だけでも十分に回復量は追いつくため、不要とされることが多い。ビルドアップは撃たれ強くないキノガッサの耐久とパターンに入った後の処理速度を増加させる技になるため、物理型のポケモンがねごとなどで対策していても突破ができない状態まで陥れることができる。
- 対策
- 第五世代では、眠った状態で交代した場合、ねむりの経過ターンがリセットされるため、一度ハメられると脱出するのには非常に手間がかかるか、完全に詰みの状態になる事があった。そのため対策は必須であり、「キノガッサよりも遅いポケモン(種族値70未満)ばかりで組まない」「速く一撃で倒せるポケモンにはラムのみを持たせる」「ねごとを覚えさせる」「先にやけどやどく等の状態異常になる」という対策がされている。
- 特性ふみんややるきも対策のひとつではあるが、それらの特性を持つポケモンは相性の段階でキノガッサに弱いか、ピンポイントすぎてそれ以外で使えないポケモンなのでパーティの足を引っ張る存在になってしまう事が多い。逆に直接強く無くとも、連続技を使えるポケモンもみがわりと本体を攻撃できるので火力によっては対策にもなり、特に特性スキルリンクのパルシェン+こだわりスカーフはみがわり状態+HP100%の最悪の状態から必ず脱出でき、数の多いドラゴンタイプにも強いため、汎用性を損なわない対策にもなった。
- 第六世代では、「くさタイプにキノコのほうし(粉系の技)が無効化」「特性ぼうじんには無効化」「ぼうじんゴーグルの登場」「みがわりを無視して攻撃できる技の登場(音系の技、特性すりぬけの強化)」「眠った状態で交代しても経過ターンのリセットが起こらない」により、大きく弱体化し、対策が容易になった。
テクニシャン型
ブラック2・ホワイト2で隠れ特性テクニシャンを獲得したことで成立した型。テクニシャンの対象となる技も多く、元々高い攻撃種族値を活かす事ができる。XY環境での主流。後のORASで入手も簡単になった。
火力増強とキノコのほうしによる味方のサポートが同時に可能になっているため、ダブルバトルでも使われるようにもなった。第六世代からは草タイプの特性である「いかりのこなで攻撃を吸われない」を持つ格闘タイプのポケモンにもなった。
威力60以下の技が強化されるため、マッハパンチやタネマシンガンがほぼ確定技となる。第五世代ではローキック(当時威力60,XYから65)、第六世代でははっけいがテクニシャンと合わせて威力90かつタイプ一致で撃てるが、追加効果の発動率が比較的高いためキノコのほうしとは併用し辛い。より威力の高い技が欲しい場合はばかぢからがあるが、能力値が下がるのでこだわりスカーフ型向けの技である。サブウェポンは、第六世代では威力60命中95に強化されたがんせきふうじが最有力となる。攻撃重視の戦術になるため変化技は必須ではないが、キノコのほうしは自身の耐久が低いためなるべく入れておきたい。火力を一気に増強できるつるぎのまいを採用するのもありで、キノコのほうしと併用するとより安定して攻撃を上げられる。しかし、キノコのほうしとつるぎのまいを両立するとがんせきふうじかタネマシンガンを抜いてしまうことになるため、一考を要する。マッハパンチ、タネマシンガン、がんせきふうじ、キノコのほうしの技構成が一般的。
アイテムはポイズンヒール型と違い、きあいのタスキ、いのちのたま、こだわりハチマキやスカーフなどのアタッカー向けのアイテムが主流となる。特に、ファイアローを対面から倒せるように、きあいのタスキが広く使われる。
さらに、捕獲要員としてもみねうちの威力が上がるためこの特性が最適。