クロバット/対戦
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クロバットの歴史
第二世代
登場してからその素早さに注目が上がったが、火力が貧弱であったため攪乱要員として主に使用された。この時点では環境に進出したかどうかはともかく、ヘラクロスに対する安定したメタではあった。みがわりとあやしいひかりを両立できるポケモンの中では最速であり、この点で他のポケモンとは明確な差別化が可能であった。いっそ攻撃手段を一切放棄していばる、みがわり、いやなおと、どくどくという技構成にすることも考慮される。
どく/ひこうという、第一世代ではデメリットの塊でありタイプ両方が邪魔というべき複合タイプが、この世代では大幅に救済された。まず強化を受けたかくとうを4分の1で受けることができ、次に耐久ゲーの第二世代でよく使われるどくどくを無効化できる。さらに、第一世代と異なり環境が物理寄りであるなかで頻繁に見られるじしんを流すことができ、心配なエスパー、でんき、こおりもこの世代ではそれほど多くなかった。このことから、環境の変遷だけで信じられないほど優良な複合タイプに生まれ変わったと言える。
第三世代
ようやく取得したヘドロばくだんはダブルバトルで一部のプレイヤーが採用していたくさ単のポケモンに刺さり、シャドーボールは物理耐久力の薄さが浮き彫りになったフーディンを狩るのに最適であった。天候の始動や撹乱などでサポート性能の高さを存分に発揮し、ダブルバトルでもメジャー級の一角を占めた。この世代から取得した特性せいしんりょくでねこだましが効かないという利点もあった。ポケモンリーグ2005中学生以上の部では決勝大会進出者9人中1人、岡山大会代表が使用しており、そのパーティは最速で味方にいばるを打ってキーのみやラムのみでこんらんから回復したケンタロスやメタグロスの突破力を活かす構築になっていた。
第四世代
はねやすめの獲得による回復性能の向上、ズバットがさいみんじゅつやブレイブバードをはじめとした強力なタマゴわざを獲得により強化。さいみんじゅつの強化の影響でちょうはつによってそれを未然に食い止められる高速サポーターとしての色合いも出るようになった。プラチナではねっぷうを取得し、今まで止まっていたはがねタイプを突破できるようになった点が大きいが、同時にプラチナでさいみんじゅつやねむりそのものが弱体化したのは痛い。単体性能の向上もしかることながらジバコイルという相性補完に優れて攻撃性能も高い相方を手に入れた。2007公式リーグ全国大会決勝トーナメントでは小学生の部で6人中1人が使用しており、技や持ち物はこうかくレンズとさいみんじゅつが採用されていた。
HGSSの教え技でいかりのまえばを獲得し、ちょうはつ、いかりのまえば、とんぼがえり、ブレイブバードという現在でも使われる起点型が確立された。
第五世代
ねむりのさらなる弱体化によってさいみんじゅつの価値が下落したが、アクロバットの獲得によってねむり技と火力を両立できるようになった。反面、持ち物がほぼひこうのジュエルに限られてしまい、アタッカーとしての汎用性は著しく狭まるため、ひこうのジュエルとアクロバット一択といえる状況ではなかった。相性補完に優れたポケモンとしてはナットレイが追加された。それまで相性補完コンビを組んでいたジバコイルがボルトチェンジを獲得したことで、ジバコイルの方にこだわりスカーフを持たせるかぎりにおいては、あまり素早さの心配をせずに攻撃しつつ流しを繰り返し行うことが可能になった。ただ、地面にいないポケモンであるため、場のどくびしの除去は務まらなかった。どくびしが普及するなかで、この点は弱かった。
ダブルバトルでは手動にほんばれで天候を奪取したりカポエラーをアクロバットで削ったりするポケモンとしての個性が出た。ボルトロスを呼んでのいかりのまえばもあるので、プレイングによっては隙の少ないポケモンとなる。
第六世代
タマゴわざの仕様変更によってブレイブバードとさいみんじゅつが両立可能になった。隠れ特性すりぬけの習得によって攻撃や状態異常を撒くことがやりやすくなった。ただ、相手を行動停止に追い込むことができる技が運任せのさいみんじゅつ程度しかなく、対面パ全盛であり交代の機会が少なかったこの世代においてはどくどくの刺さりが環境的にはそれほどよくなかった。一方、いたずらごころノーウエポン型が珍しくないこの世代ではちょうはつが相手によっては非常に刺さった。HPと素早さに努力値を厚く振ったこだわりスカーフ型が攻撃と素早さに努力値を集中させたメガバシャーモに対面勝ちできるという点もこの世代では大きかった。
ORASリーグレート戦トリプルバトルシーズン9では使用率23位を記録しており、主にファストガードやおいかぜでのサポートという役割を与えられていた。公表された統計データによるとレート戦XYリーグシングルバトルではこの世代の技構成としてはブレイブバードとクロスポイズンが定番で、加えてちょうはつ、いかりのまえば、とんぼがえり、おいかぜの4つが競合していた。クロバットのイメージにピッタリなどくどくはどくタイプやはがねタイプに無効化されるうえに即効性がないために非主流化していた。トリプルバトルではよこどり使いとしての個性が活き、相手のファストガードやはやてのつばさのおいかぜも奪うことができた。
WCS2016(GSダブル)においてはファイアローと並び高い使用率を誇る。せいしんりょくによってガルーラやドーブルのねこだましを無効にでき、ゼルネアスのジオコントロールをおいかぜとくろいきりのコンボで安全に止めることができた。さらにいかりのまえばで伝説ポケモンを確実に削れることが評価されたためである。シニアカテゴリベスト4の実績を残している。
第七世代
カプシリーズなどフェアリータイプの大量登場によってフェアリーメタとして注目が集まった。こだわりスカーフを警戒する必要があり、相手を選ぶことは事実ではあるが、刺さる場面では刺さるのは変わらない。USUMリーグシングルバトルではブレイブバード、とんぼがえり、ちょうはつ、どくどくが主流であり、特性はすりぬけがメイン。性格の傾向はようきが中心で、これは第六世代と変わらない。技構成に関しては、サイクル戦の普及に伴うどくどくの普及の影響を受けたと言える。世代初期はどくタイプの役割破壊として注目されたが、素早さの種族値が近くより攻撃の種族値が高いゲッコウガのへんげんじざい+ダストシュートで同じようなことができるということが浸透したUSUMリーグでは、より火力が高く汎用性を持たせられるヒコウZに持ち物の主流を譲った。それでも、メガシンカの素早さ仕様変更によって強化されたメガボーマンダの上からちょうはつを打てるポケモンとしての個性も出るようになった。
WCS2019(GSダブル)では前世代のGSルールに続いてゼルネアス対策の筆頭となる。前世代ではドーブル対策のラムのみが主流だったのに対し、カプ・コケコとの同速を考慮したきあいのタスキがよく用いられた。
第八世代
冠の雪原で追加。
たたりめ、ぼうふうを獲得。代わりに、いかりのまえば、はねやすめを没収され、総合的に見ると弱体化。
自身の解禁後も自身よりも素早さの種族値で上回るドラパルトが環境のメジャー格であり続けており、同じく素早さで勝るフェローチェも前世代より明らかに多いため、如何にクロバットと言えども安心できなくなった。
一般的な育成論
第八世代のVer.1.2.0時点で未解禁であるため、第七世代における育成論を記す。
非常に高い素早さを誇り、サンダース、プテラなどと並び代表的な130族の1匹である。当然ながらどくタイプの中では最速であり、またひこうタイプの中では種族値160のテッカニンに次いで2番目の速さである。
どく、ひこうという唯一の2タイプを持つポケモンであり、ダメージを1/4に半減できるタイプが1/2に半減できるものより多いのが特徴で耐性に優れている。また習得できる技が多岐に渡るため、様々な戦術が確立されているポケモンである。
特性は通常特性のせいしんりょくと隠れ特性のすりぬけがある。ねこだまし対策となるせいしんりょくはダブルバトルでの採用が多く、みがわり状態などを貫通できるすりぬけはシングルバトルで採用される。
物理技にはタイプ一致にブレイブバード/ゴッドバード/アクロバット、クロスポイズンがある。その他のタイプのわざにいかりのまえば、とんぼがえり、きゅうけつ、はがねのつばさ、かみつく、どろぼう、しねんのずつきがある。いかりのまえばはレッドカードと組み合わせることで相手2体のHPを半分に削ることが見込める。
特攻は高くないものの、わるだくみを積むことで特殊型も考慮される。主な特殊技にヘドロばくだん、エアスラッシュ、ねっぷう、あくのはどう、ギガドレイン、めざめるパワーがある。
変化技はおいかぜ、どくどく、あやしいひかり、みがわり、ちょうはつ、いやなおと、くろいきり、さいみんじゅつ、はねやすめ、わるだくみ、あまごい、にほんばれなどが候補。ダブルバトルではファストガードも候補。