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カイリキー/対戦

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このページは、カイリキーの対戦での扱い、および育成論を記述するところである。

カイリキーの歴史

第一世代

当時全盛を誇ったエスパータイプが弱点であり、現在より特殊特攻特防を兼ねる攻防一体のステータス)の数値が低かったカイリキーにとってこれは致命的であった。攻撃カイリューに次いで当時の全ポケモン151匹中2位タイであったが、タイプ一致技の最高威力がじごくぐるまの80どまりでラプラスラッキーなどにも耐えられてしまうことがあり、大きな活躍はしていなかった。

ポケモンスタジアムポケモンスタジアム2でのじごくぐるまはとどめに使うと反動が無かったため、ケンタロス対策として使われることもあり、決勝大会には残らなかったものの97カップ、98カップ、99カップに出場した実績がある。特に98カップ中部地方予選ではゴローニャが多かったため刺さりが良く、同予選では優勝メンバーとなっていた。北海道予選ではベスト8進出者中4人が使用していた[1]。予選を含めた98カップにおけるカイリキーの使用率に関しては、パルシェンギャラドスを足した分より高かったという話もある。

第二世代

特殊が分割されたことにより特防の種族値が上昇し、弱点のエスパーで落ちにくくなった。鈍足のカイリキーにとっては、先制されることによるあらゆるリスクが仕様変更で軽減されたことも朗報。攻撃面でのかくとうタイプは、あくおよびはがねタイプの登場によって(苦手なエスパーの弱体化とともに)合計5つもタイプの弱点を突けると大幅な強化を受ける。これはじめんと並び最多で、第一世代からは考えられないほどの地位上昇だと言える。

攻撃面でもクロスチョップの獲得は大きな強化であり、特にカビゴンバンギラスを突破できる攻撃性能に注目された。またエスパー対策にめざめるパワー(むしゴースト)、エアームド対策にだいもんじも採用の余地ありに。また、タマゴわざアンコールを覚えるのもこの世代からで、それ以外にもこう見えて補助技を色々覚えられるが、カイリキーの場合、どっちかというと自身の能力を強化させるという形として考えられた。そしてじわれ、十分ある耐久からねむる+ねごと型も登場するなどで、第一世代冷遇組でメジャー級のポケモンとして出世した。

カイリキーを入れたパーティはニンテンドウカップ2000東京大会準優勝の実績を残しており、決勝戦でも選出されていた。宮城大会優勝の実績も残しており、地区大会では活躍していた。決勝大会にも1匹エントリーされていた。

「モバイルカップ2001」環境ではレベル30以下のポケモンしか出場できない関係上準伝説が大会に出て来ず、いわなだれを覚えさせなくとも十分強力であり、さらにレベル配分の無いレギュレーションである都合上ケンタロスが相対的に弱体化し、カビゴンの選出がますます増えた。そのため、先手クロスチョップで削れる場面が多くなった。

ただ、ねごとスイクンなど折角カイリキーのばくれつパンチこんらんを撒いても縛り切れない相手がおり、対策されるとやや弱かった。

第三世代

努力値の仕様変更で耐久面が下がった一方で、攻撃面に関しては大きな下方修正はなく、変わらず安定した能力を発揮した。この世代では、伝説の巨人ケッキングトドゼルガなど、有利を取れる実力者がさらに増えた。素早さの種族値55でいじっぱり無振りの実数値が75と、いかに素早さいたちごっこ型のカビゴンでも流石にこれを抜けるほどまで素早さを上げることはほぼ有り得なかったため、当時の対人戦を考えても恵まれていた。特性はこんじょう。この当時は、味方におにびなどを使ってもらわなければ活かせない特性だったが、発動すれば劇的な破壊力を得ることが可能。

第四世代

ノーガードの獲得によって劇的な強化を受け、かえんだまどくどくだまの登場によってこんじょう型も実用レベルになった。いわゆる「三色パンチ」の物理化、バレットパンチインファイトの獲得によって、技の面でも強化を受けた(インファイトの獲得により、クロスチョップの使用率は低下した)。ダブルバトルでなら鈍足を活かしトリックルームパーティのメンバーの1匹として採用することもできるように。

第五世代

上位互換じみた性能を持つローブシンの登場によってシングルバトルではそちらにかくとう物理アタッカーの座を譲ることになった。トリプルバトルでは後半にばくれつパンチを放ってこんらんを撒くと交代しづらいこともあって非常に強力であった。

ノーガード+ばくれつパンチのコンボは隠れ特性ゴルーグも使用可能になったが、あちらはタイプ不一致で攻撃種族値も劣る。

第六世代

ひこうタイプが弱点のポケモンに共通してファイアローの登場によってシングルバトルでの地位は第五世代よりも低下。一応ファストガードという対抗手段も手に入れたが、ダブルバトルでこの技を放つ余裕があるかどうかは疑問であった。一方、ORAS発売までのXYリーグローテーションバトルではたびたび使用率ベスト30以内に入っていた。アンコールバレットパンチの同時遺伝が可能になったが、ファイアローという脅威の下では強化としては微々たるものであった。

PGL統計によると、ばくれつパンチストーンエッジはたきおとすバレットパンチorれいとうパンチという技構成が定番で、持ち物はとつげきチョッキ主流であることがうかがえる。

WCS2014(カロスダブル)マスターカテゴリではこだわりスカーフ型のフルアタックカイリキーを入れたプレイヤーがベスト4の実績を残している。WCS2015(全国ダブル)シニアカテゴリではカイリキー入りのパーティが優勝を果たしていた。

第七世代

はやてのつばさの仕様変更による弱体化でファイアローは姿を消したが、強力なフェアリータイプ、特にカプの登場により相変わらず苦境にあるといえる。かくとうタイプの鈍足アタッカーとしてライバルになるマッシブーンが登場し、さらに一定の活躍の場だったローテーションバトルが廃止されたことも痛い。こんらんの仕様変更によってばくれつパンチの有用性も低下するなど、環境面・仕様面での逆風が強い。

SMリーグシングルバトルシーズン3にはねごとが搭載率10位を記録。ねむる+ねごと+ノーマルZ+こんじょうの組み合わせが注目されたことがZねごと型成立の背景にあり、ストーンエッジクロスチョップをねごとで引くと確定急所になるので美味しい。ちなみにこんじょう発動下での確定急所のクロスチョップはHP努力値を全振りして防御に4振ったひかえめテッカグヤを確定1発に仕留める。

USUMリーグシーズン9からシーズン12にかけて、シングルバトルではヘビーボンバーの搭載率がベスト10を記録している。また、この世代でZクリスタルが登場した影響ではたきおとすの枠がカプ・コケコへの有効打となるじしんに替わるケースが増えた。

USUMリーグシーズン15のスペシャルレートはメガシンカなしで技がゆびをふる限定の1匹選出シングルバトルとして行われたが、ノーガード型なら命中不安の状態異常技や一撃必殺技などで逆転を狙えること、こんじょう型なら状態異常を引いても強気に出られることから需要を集め、使用率8位を記録。

ピカブイではビルドアップが使えること自体が貴重なので、独自の立場を築き上げている。

第八世代

キョダイマックスを獲得した。キョダイシンゲキ急所ランクを上げるという効果があるが、ベースとなる技に急所に当たりやすい(クロスポイズン、クロスチョップ、ストーンエッジ)という効果があってもダイマックスわざとして使っているときはそれが無効になるうえに、自身の素早さも低く耐久も高くないため、特にシングルバトルだと確定急所を利用できるタイミングはシビア。もしキョダイカイリキーを使うなら味方のバトンタッチでサポートするのが1つの手。

一方でローブシンはたきおとすを没収されたため、はたきおとすで差別化可能になった。

前作とくらべてカプが居なくなったことから居座りやすくなったが、相変わらずミミッキュは強さを見せているため、油断大敵。また、ドラパルトなどゴーストタイプが活躍している状態なので、かくとうタイプは活躍させにくい状態なのも難点である。わざレコードでDDラリアットを獲得したので、簡単に止まってしまうようなことは少ないが。後にカプが復活したため、天敵が再び増えてしまった。

シリーズ3シーズン4でキョダイラプラスが解禁されると、はたきおとすでじゃくてんほけんを落とし、かわらわりキョダイセンリツに対策を打つという使い方が考察された。というのも、はたきおとすとかわらわりをこの世代単体で同時習得できるかくとう単のポケモンの中で最も特殊耐久指数が高いという差別化点があるためである。

あまりにギャラドスが増えたため、シーズン7には受け出ししていかくを撒きに来たギャラドスを削るためのストーンエッジを入れた型が目立つようになった。

一般的な育成論

攻撃が高く素早さが低い重火力型のアタッカー。物理アタッカーとしての育成が基本。通常特性のノーガードが特に優秀である一方、こんじょうも有用。隠れ特性のふくつのこころは選択肢となりづらい。

特性ノーガードが強力で、高威力の代償に命中率が低い技を気にせずに撃つことができる。特にばくれつパンチとのコンボが有名。たとえダメージを半減する相手に交換されてもこんらんの追加効果が残るため、その後の展開を有利に運べる。こちらが命中率の低い技を存分に使えるという点以外にも、回避率を上げる戦法を使う相手にも安定して攻撃を当てられるという利点がある。特にラッキーシャンデラなどちいさくなるを中心とする型があるポケモンに対し、それらを無視して攻撃を当てることができる。一方で、相手からの攻撃も必中となってしまうことには注意が必要である。特に一撃必殺技さいみんじゅつが恐いので相手の技構成を把握しておきたい。どちらもみがわりがあれば対処が可能だが、素早さが低いために後攻になりやすく、大ダメージを受けて発動できないこともある。後者はねごとがあれば技がランダムに繰り出されるが動けるだけあって対処は可能。

特性こんじょうを活かした戦術もある。かえんだまどくどくだまで自身を能動的に状態異常にすることで攻撃を上げられる。この状態でのインファイトは非常に強力。カイリキーはほとんど特性ノーガードであるため、相手の一撃必殺技やおにびを誘い1ターンを無駄に費やさせるということも可能。クロスチョップで代用するのもよいが、命中率に注意。また、あえてばくれつパンチを採用してからぶりほけんの発動を狙うことも可能。

ほかの技候補はかみなりパンチれいとうパンチほのおのパンチバレットパンチストーンエッジ/いわなだれ/ロックブラストじしん/10まんばりきバレットパンチからげんきはたきおとすDDラリアットどくづきなど。相性補完で命中率の低いストーンエッジは優先度高め、こんじょう型ならいわなだれと入れ替え。ばくれつパンチの混乱効果により相手に交換を強制させやすいので、きあいパンチもよいだろう。でんきだまなげつけることでまひとこんらんの重ねがけも狙える。はたきおとすはエスパー・ゴーストタイプ対策に加え、効果も優秀。

補助技もアンコールこわいかおひかりのかべワイドガードなど有用なわざを覚える。ノーガードばくれつパンチをちらつかせて交代を封じつつ起点作りも可能。

性格は素早さが低めの物理アタッカーであることを活かしいじっぱりあるいはゆうかんが望ましい。カイリキーの素早さ種族値では素早さに下降補正が掛かってももともと先手を取ることが望めないということでデメリットにならない。からぶりほけんやこだわりスカーフなどで素早さを上げる型の場合はようきも選択肢となる。

キョダイマックスわざは味方の急所ランクが上がるキョダイシンゲキで、通常ダイマックスのダイナックルとの選択。急所はあたっても1.5倍だがダイナックルで2段階攻撃を上げれば2倍になるため、能力変化や壁などの急所の効果が狙える場面が想定されなければ通常ダイマックスが優先か。

脚注

  1. ポケモンリーグ予選結果速報! ポケモンバトルツアー'98夏 予選大会結果レポート(任天堂、2019年1月31日閲覧)