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サンダース/対戦

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このページは、サンダースの対戦での扱い、及び育成論を記述するところである。

サンダースの歴史

第一世代

マルマインには劣るも全ポケモン中序列2位の素早さを持つ速攻型特殊アタッカーとして活躍。マルマインより物理耐久は更に紙だが、序列7位の特殊で火力まで兼ね備え、10まんボルトで速攻を仕掛けてもよし、でんじはで妨害を行ってもよしと、どくどくを撒いてからかげぶんしんねむるで粘ってもよしと、非常に使い勝手がよい。対戦環境で猛威を振るっていたスターミーラプラスフリーザーなどでんきを弱点にするポケモンの対策としてでんきタイプが必須だったが、使用率はマルマインより圧倒的に上だった。ニンテンドウカップ'97では決勝進出者15人中13人が使用するなど、初心者から上級者までブイズで一番人気・でんきタイプ最強の名を欲しいままにした。以下のように当時の仕様による恩恵を最大限に受けられたことが高い人気の主な理由である。

  • 当時の急所率の計算式が素早さに依存していたことによる、25.39%という驚異的な急所率。
  • ゴローニャに対するにどげりナッシーに対するミサイルばりダグトリオを攻め切るためのはかいこうせんなど多彩な技を覚えられる汎用性の高さ。物理アタッカー向きではないステータスだが、当時は全ステータスに努力値を振り切ることができたため、サンダースほどの攻撃種族値であってもそうした技でそれなりのダメージを相手に与えることができた(但し、弱点を参照しない場合全弾命中してもはかいこうせん一発の方が強い)。
  • 当時は非常に効果が高かったかげぶんしんを130族の素早さにより多くのポケモンに先制して積める。この世代のサンダースはでんじはorどくどくとかげぶんしんを組み合わせた耐久型がメジャー。
  • タイプごとに技の物理/特殊が決まっていたため実質的に特殊技はすべて等倍以下で受けられ、もし攻撃が当たっても特殊技であれば特殊の種族値の高さにより耐えることができた。ともに理想個体なら、レベル55フーディンサイコキネシスをレベル50サンダースが受けた場合、確定3発となり2発は確実に耐えられる計算となった。
  • 当時はめざめるパワーがないのでじめんにはどうしようもないが、逆に言えば弱点はじめんだけというのも強みの一つ。

ただ、ニンテンドウカップ'97当時は厳選はおろか努力値振りすら浸透していなかったため、育成を怠った個体では同じレベルの育成済み最速ダグトリオに不覚を取ることがままあった。また、HP、攻撃、防御は種族値が低い分個体値、努力値の影響を大きく受けるため、適当に用意するとそのポテンシャルを発揮できなかった。

ニンテンドウカップ'98でレベル制限の関係上ミサイルばりが没収された。代わりにはかいこうせんを覚えさせた型が決勝大会で目立ち、決勝進出者7人中6人が使用する実績を残した。

第二世代

第二世代でも群を抜くその素早さと高い特攻は健在で、特殊の分離で特防が下がってしまったが、大きく減らされてしまった他の第一世代強ポケの面子に比べれば微々たるもので、分割の被害は小さかった。かげぶんしんの弱体化と急所率の仕様変更で耐久型や火力の上積みは期待できなくなったが、めざめるパワーこおり)の獲得によりじめんへの対抗策を遂に得て一貫性が増し、あまごいかみなりのコンボで爆発力も増した(かみなり自体も強化)。

しかし、この世代では素早さ以外全ての種族値を上回るライコウという強力なライバルが登場。初期こそ厳選の難しさと10まんボルトを覚えない点が重なってマイナーだったが、クリスタルで10まんボルトを覚えてから立場が逆転、ハピナスカビゴンなどの大きな壁も立ちはだかった。だが、同時にサンダースはクリスタルでバトンタッチを獲得し、バトン要因として多芸生きるようになった。でんじはどくどくは勿論積み対策のほえるも覚え、かげぶんしんやこうそくいどうからのバトン、あまごい+かみなり、いばる+みがわりあまえるリフレクターで苦手な物理アタッカーを誤魔化すこともできるようになり、第一世代よりも読みにくさが増しずっと器用になった。ニンテンドウカップ2000全国大会では決勝進出者11人中4人が使用している。

00カップ全国大会3位決定戦では大阪大会代表が初手リフレクターを放っており、敗れはしたがガラガラ対策になる最速の壁張り役としての個性が出た。ちなみにレベル55ガラガラのじしんはレベル53サンダースが受けるとリフレクター込みで3番目の乱数まで耐える。同試合ではそのサンダースが満足の行く有利対面が作れるようにほえるを3連打していたが、サンダースの強い弱いがはっきりしている様がこのことからうかがえる。

第三世代

特性ちくでんを獲得。技はねがいごとを習得し、回復力が増した。ほとんどのポケモンの先手を取れるサンダースにとって努力値の仕様変更による耐久力の低下はそれほどの痛手ではなかった。「地震ゲー」と言われたダブルバトルにおいても(じしんに弱いにもかかわらず)その高い素早さのおかげでよく使われ、 ダブルバトル最メジャー級と恐れられ頭角を現していたサンダーともどもでんきタイプ二大巨頭と呼ばれる。ポケモンリーグ2005中学生以上の部では決勝進出者9人中1人が使用していた。

厳密に言えば総合力ではライコウの方が勝っていたが、第三世代当時は乱数調整解禁前であり、素早さVを含むまともな個体値性格一致、なおかつ実用的なめざめるパワーを持つライコウは下手すれば厳選に1年以上は要したため、サンダースで妥協するプレイヤーが殆どであった。

第四世代

シュカのみきあいのタスキなどの新しい道具の登場により低耐久を補うことが可能になった。先手みがわりで自らHPを減らし、ヤタピのみを発動させ上昇した特攻で攻めに転じる戦術、通称「みがヤタ」も有効な戦術の一つ。ちくでんがでんきタイプの変化技に対応するようになったのも強化と言える。新たにうそなきあくびといった使い勝手のよい補助技も得た。

ダブルバトルでの複数攻撃技の威力低下に伴い、タイプ不一致のじしんくらいは耐えるケースが増え、ダブルバトルでも第三世代に引き続きメジャーポケモンの地位にあった。あまごいを打ってからのかみなりがダブルバトルでは鉄板の動きであった。ダブルバトルはいかくが蔓延しており特殊アタッカーの地位が相対的に高い傾向にあったため、その中でサンダースにはうそなきサポーターとしては素早さ種族値が最高という個性もあった。

WCS2009日本大会グループBのFINALステージでは8人中1人が使用しており、そのプレイヤーが優勝を果たしていた。そのサンダースにはうそなきが搭載されていたが、当時の人の証言によると実際には使用しなかったという。WCS2009世界大会2位のパーティにも入っていた。

第五世代

新技のボルトチェンジと隠れ特性のはやあしを獲得。ボルトチェンジを使用して攻撃しながら交代という戦法が取れるようになった。特にねがいごとやあくびとの相性がよく、その2つとボルトチェンジを上手く組み合わせれば、相手にダメージを与えつつ控えのポケモンを無傷で出すこともできる。また、新アイテムのジュエルは使いきりだが技の威力を大きく引き上げる事ができ、通常のめざめるパワーこおりを耐えるように耐久を調整したこおり4倍弱点のポケモンを崩せるようになった。

一方で環境面では、フォルムチェンジロトムの解禁、ボルトロスの登場など、でんきタイプのポケモンが充実し選択肢が広がったことで相対的にサンダースが採用されるケースは減るなど、これまでの世代に比べると逆風が強い。特にボルトロスとは性能が似ており、差別化のあくびもねむり弱体化の影響を受けている。あまごい型もあめふらしニョロトノの登場によって天候の奪取以外では存在意義を保てなくなり、ダブルバトルでは使用率が低下。

第六世代

でんきタイプがまひしなくなるという仕様変更を受け、この点では強化された。そのほか、タイプ相性の見直しによりゴーストタイプの技がはがねタイプに等倍になったためサブウェポンとしてシャドーボールの価値が上昇した。また、めざめるパワーの威力が60に固定されたことによって、4倍弱点のポケモンでもこだわりメガネなどの強化アイテムを持たせても一撃で倒せない可能性が増えたものの、ドラゴンタイプを無効化するフェアリータイプの登場によってこだわりスカーフを持ったドラゴンタイプのポケモンが大幅に減少しており、一撃で倒せないまでもめざめるパワー(こおり)で先制で致命傷を与えられるケースが増えた。これによりサンダースをはじめとした素早さの高いでんきタイプのポケモン全般のめざめるパワーの採用率が増加した。

PGL統計データを見ても各リーグのほとんどのシーズンにおいて10まんボルト、ボルトチェンジ、めざめるパワー、シャドーボールが採用されている技の上位4位までを占めており、型が固定化されていることが分かる。持ち物はこだわりメガネが主流であり、シーズンによってはいかずちプレートいのちのたまが採用率1位になったこともある。レート戦X・Yリーグシーズン14からシーズン17にかけては総合部門での使用率ベスト30入りを果たしている。

第七世代

同じ130族でんきタイプにカプ・コケコが登場し、圧倒的素早さから攻撃と補助をこなせるポケモンして立場が若干危うくなった。また、でんきタイプの特殊アタッカーとしては特攻に秀でたデンジュモクも登場している。SMリーグでは主流の技構成・持ち物などは第六世代と変わっていない。

USUMリーグシングルバトルではめざめるパワーの搭載率が10まんボルトを上回り1位となるシーズンもざらになり、めざめるパワー奇襲型として差別化が図られるに至った。

需要面では使用率30位以内とは縁がなくなったが、でんき枠を奪うカプ・コケコやれいじゅうボルトロスに対しては基本的に有利であり、現にUSUMリーグシングルバトルでサンダースが倒したポケモン10位以内にはそれらのポケモンがいずれのシーズンも挙がっている。カプ・コケコに対してはちくでんで攻め手を縛り、れいじゅうボルトロスに対してはめざめるパワー(こおり)で刻んだりあくびわるだくみを積むことを阻害したりと、でんきメタとしての性質が強くなった。

ピカブイシングルバトル環境ではより素早さが高いマルマインに需要を奪われがちで、そうでなくとも高速ポケモンの相対数が高いことから影が薄いが、ダブルバトルではでんき最速のてだすけ使いという差別化点を活かして一定数使われている。

第八世代

カプ・コケコフェローチェの不在、ライボルトメガシンカ没収によって最速のでんきという差別化点を取り戻したが、すいすいカマスジョードラパルトといった素早さ過剰のポケモンの環境進出から、いかに130族と言えど安心できないケースが目立っていった。素早さ勝負で勝てない相手も環境に目立ったため、素早さを最速アイアントの109族抜きまで削って耐久に回した型も真剣に考慮されるようになった。素早さレースの加速を受けて、第七世代まで特性がほぼちくでん一択あったのが、この世代でははやあしと二分する状況となった。こだわりスカーフダイマックス中は無効なので、自身の素早さ上昇においてダイマックスによる制約を受けないかえんだま+はやあし型が本気で考慮されるようになった。

めざめるパワーシグナルビームシンクロノイズといったサブウエポンを失っており、単純なアタッカーとしての運用は厳しくなり、補助技を用いた今までとは少し違った使い方を求められるようになった。

実際の環境ではダイアースが吹き荒れるうえにサンダース程度の耐久ではダイマックスによる底上げの恩恵が薄いため、目立ったランクバトル上位入賞実績はない。

一般的な育成論

素早さ特攻が高いでんきタイプ。種族値は高速特殊アタッカーとしての適性が高いものの、サブウエポンや積み技に乏しく厳しいものがある。

特性は通常特性のちくでんと隠れ特性のはやあし。ちくでんは半減のでんき技を無効化するもので、耐久力のないサンダースにとってはそれなりに有用。一方、こちらも対でんきタイプに有効打を持たないことも多い。またトレースされるのも厳しい。同じとくせいを持つライチュウライボルトとの差別化を考慮する必要がある。はやあしは現在の高速環境においては有用性が増しているがやや発動に難がある。かえんだまを持たせて1ターン目にまもるまたはダイマックスで発動させるのが一般的。

攻撃技はタイプ一致に10まんボルト/ほうでん/かみなりボルトチェンジライジングボルトのほか、シャドーボールウェザーボールハイパーボイスアシストパワーどろかけでんこうせっかが候補か。

変化技はブイズらしく豊富であり、みきりみがわりでんじはあまごいあくびあまえるうそなきひかりのかべこうそくいどうバトンタッチなどがある。