サマヨール/対戦
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サマヨールの歴史
第三世代
当時としては十分な耐久性能とそれとシナジーのある特性、ケンタロス、ケッキング、カビゴンなどのノーマルタイプのアタッカーに対してタイプ相性上有利であることなどから強力なポケモンとしてそこそこ対戦でも利用された。ゴースト単タイプとしては珍しくじしんを覚え、いたみわけで回復と攻撃を同時に行えるなど、決め手を欠きづらい面もあった。ゴーストタイプの耐久型としては、運用性が不安定なヌケニンを除けば他に選択肢が無いも同然であったのもサマヨールに採用する合理的な理由を与える要因となった。公式戦でもふういんで相手を妨害するポケモンとして使用された。
XD技にはてだすけがあるが、いたみわけ、ふういん等のタマゴ技とは両立できない。
ポケモンリーグ2004仙台大会2位のパーティの手持ちに入るなど公式大会での入賞実績もある。そのパーティはサクラビス・カブトプス・オムスター・サマヨール・クロバット・ランターン、というメンバーであった。このパーティは雨パであるが、当時トリパなど存在しない中でマイナーポケモンを多く投入したこのパーティは話題になった。
最大の欠点は実戦級のポケモン中最遅となる素早さの種族値25であり、そのことからみがわりを使う相手には若干苦労した。
第四世代
進化形のヨノワールが登場したことであちらが優先されるようになった。
第五世代
しんかのきせきの登場によって一躍耐久型として開花。実質的な耐久もメタグロスのコメットパンチやフーディンのサイコキネシスを確定4発にまで抑えるほどであった。この世代に大幅強化を受けて台頭していたかくとうタイプやむしタイプとの相性がよかったことも追い風であった。かなしばりもあるのでみがわり型にハメられにくく、逆にみがわり+かなしばりで相手の有効打を縛ることが多かった。後手前提の素早さでいわゆる「みがしば」を無理なく遂行できたことからも、この世代におけるしんかのきせき型サマヨールの耐久性能の高さがうかがえるであろう。HPが低いものの、ゴーストタイプなのでラッキーのちきゅうなげが効かず、いたみわけで削れる幅も大きかった。
第六世代
とつげきチョッキの登場によってわずかだが特防ではヨノワールの方が勝るようになった。さらにメガシンカの登場により受けとしての信頼性が相対的に低下。ガブリアスやファイアローなど、つるぎのまいと等倍の一致メインウェポンを持つポケモンも増え突破される危険性が高まった。実際にサマヨールを倒したポケモンのランキング上位には(もともと採用率がトップクラスという前提はあるが)、ガブリアスやファイアローが常に名前を残していた。また、はたきおとすが強化され、特にかくとうタイプのポケモンがゴーストタイプ対策として覚えていることが増えたのも強い逆風になっている。
レーティングバトルのPGL統計データを見ると、いたみわけ、のろい、おにび、トリックルーム、ナイトヘッド、みちづれなどの技の採用率が高い。並外れた耐久力のおかげで自然に目を覚ますまでの余裕が生まれるのでねむるも搭載されるケースがあったようだ。相手の持ち物の確認による型の把握を優先してか、特性はプレッシャーよりもおみとおしが主流であった。性格はのんき、なまいきなど、元々先手を取りづらい素早さに下降補正をかけつつ耐久面を伸ばす選択が一般的であった。
通常のレーティングバトルでは強い逆風にさらされていたが、2015年1月に開催されたホウエン図鑑限定戦の「Battle of Hoenn」ではジュニアカテゴリで使用率15位を記録しており、マスターカテゴリでは17位を記録した。また、XYリーグローテーションバトルではシーズン1に使用率12位を、シーズン2に29位を、シーズン17に30位を記録しており、特にポケモンバンクのサービス開始前後の環境ではそれなりの力を持っていたということになる。
第七世代
フィールドを張る特性で超火力を実現するカプの登場、Zワザによる瞬間的な超火力により受けきれない場面が増えた。つるぎのまいからの一致シャドークローを使えるミミッキュなど環境上位に不利な相手が増え、第六世代以上に立場が悪くなった。基本的な構成は変わらない。強いて言えば、ORASリーグシングルバトルで各シーズン採用率選外であったくろいまなざしがUSUMリーグで採用技ベスト10にしばしば入るようになり、時に10%台を記録することも。同リーグでは一部動画クリエイター筋が、くろいまなざしで相手をキャッチしてからおにびで相手の物理アタッカーを起点にし、そのままねむるで粘りつつ余裕があればスキルスワップで相手の耐性特性や接触時発動特性を奪う型を使用していることが確認された。
ダブルバトルで言えば、ゴーストZ+みちづれにより自身に攻撃を引き付け、カビゴンのはらだいこをサポートするという運用法が開けた。先発でモロバレルと同時に選出すれば、キノコのほうしを放てるモロバレルをおとりに比較的安全にトリックルームを発動することができ、そうすることで上からゴーストZ+みちづれを放つ機会を得ることができる。ヨノワールでもできないことはない動きだが、サマヨールの方が素早さが低い上にしんかのきせきを持っているかどうかで心理戦に持ち込むことができるという利点がある。
USUMで高耐久と相性の良いサイドチェンジを教え技として獲得。勿論ダブルバトルで使うならガオガエンのはたきおとすやギルガルドのゴーストZ+シャドーボールは警戒すべきだが、進歩であることは間違いない。
そんな中、WCS2018世界大会ジュニアカテゴリ準優勝メンバーに入っている。そのパーティはヤレユータン、カビゴン、ミミッキュ、ペリッパー、クチート、サマヨールという準伝説、600族を一切投入しなかったトリパであった。
第八世代
XD技であったてだすけがマシン技化。これにより、ダブルバトルのサポーターとして需要が若干拡大。
しかし、サニーゴ(ガラルのすがた)が登場したため、シングルバトルの耐久型としての出番はあちらに奪われがちである。くろいまなざし+プレッシャーという差別化点を活かし、低火力高耐久のポケモンを起点にできるようにするのが1つの手。
ランクバトルシリーズ1ダブルバトル最終4位のパーティに投入されていた。
ランクバトルシリーズ1シーズン3あたりになるとダブルバトルのトリパのサポーターとして流行。シーズン4からシーズン7まで使用率5位以内をキープ。じならしで味方の素早さを下げてトリックルーム状態下で先制できるようにしたり、味方のじゃくてんほけんを発動したりと、とにかくじならしを使える点が大きい。素早さの種族値が25とブリムオンの29を下回るところもキーポイント。低い素早さのためサマヨールを引っ込めると交代順が遅くなり天候特性で天候合戦を制しやすくなることも魅力。かげうちでドラパルトのじゃくてんほけんを発動する型も強く、上から味方を動かすプランにも有用。ただ、このようなパーティアタックもこのゆびとまれで引き寄せられるため、対策自体は容易。
ドラパルトのゴーストダイブとサマヨールのサイドチェンジを組み合わせれば、サマヨールに集中砲火しようとした相手を姿を消したドラパルトの方に引き寄せることもできる。サイドチェンジはちょうはつから自身を守るのにも使える。
JCS2020予選の1つであるダブルバトル『2020 International Challenge February』最終1位構築として「サマヨミロナット」が有名である。サマヨールの弱点を突いて崩すダイアーク、ダイホロウでミロカロスのかちきを発動し、ミロカロスに次ぐトリパエースとしてナットレイを動かすというものである。この最終1位構築におけるサマヨールにはトリパ対策となるカビゴンのはらだいこを始めとした積み技を無に帰すためのくろいきりが搭載されていた。
『鎧の孤島』配信に伴いラッキー、ポリゴン2が解禁され、しんかのきせきを取り合う仲となった。また、いちげきウーラオスという明確な不利も追加された。火力特化こだわりハチマキ型のあんこくきょうだは、のんき型であっても生半可な調整なら確定1発がざら。てだすけ込みなら相手がようき型でも物理耐久特化型が確定1発。
『ポケモン日本一決定戦2020』王者決定戦シニアカテゴリ優勝パーティにエントリーされていた。決勝戦では1本目でトリックルームを展開し、2本目でサイドチェンジにより相手をいなし、といった具合に大活躍していた。
ところが、冠の雪原期のシーズン13になると、いちげきウーラオスが使用率1位に君臨して徹底的に包囲されたことから、鎧の孤島期から10位前後を推移していた(上位禁止縛りのシリーズ6は考慮しない)使用率が14位まで低迷。
一般的な育成論
HPは低いが防御、特防がかなり高い。ヨノワールの進化前であるためしんかのきせきを持たせることで一撃では倒せないほどの耐久力を得られる。
耐久型で育てる場合は攻撃手段はのろいやナイトヘッドが有効。HPが低いためいたみわけも非常に役立つ。おにびやどくどくを使ってじわじわと弱らせる戦法も有効。持ち物はしんかのきせきがベストだが、それがなくても耐久力は十分にあるので、ちょうはつの対策としてメンタルハーブを持たせることもある。まとわりつくは一見耐久戦法を取る上で有効だが、サマヨール自体がバインドによる交代制限無効のゴーストを呼びやすいため、あまり使い勝手がよくない。
ダブルバトルの場合、トリックルーム使用後にカビゴンに先制しておにびが使える。また、進化後も耐久面ではほとんど変わらないので、補助技を中心に覚えさせたサマヨールをヨノワールの代用で使用することがある。この場合いたみわけ、あやしいひかり、トリックルーム、おにび、かげうちなどが採用される。
特性は持ち物を特定できるおみとおしがベスト。プレッシャーは確かにPP削りにはなるが、一撃必殺技の内ハサミギロチンとつのドリルが無効のサマヨールにとって相手の一撃必殺技による運ゲー成功を抑止するというメリットは元々耐性があるという意味で機能しづらい。