SELECT BUTTON
株式会社SELECT BUTTON(かぶしきがいしゃセレクトボタン)は、ゲームソフト開発会社。
概要
2014年7月に設立された、スマートフォン用ゲームの製造・販売を行っているゲームソフト開発会社である。コイキングを主役にした育成ゲーム『はねろ! コイキング』や、睡眠をテーマにしたゲーム『Pokémon Sleep』の開発に携わった。
社名はゲームコントローラーにあるセレクトボタンから取っている[1]。CEOの中畑虎也は「世間的にはあってもなくてもいいと言われている」ゲームにおいて、「セレクトボタンも、ゲームでは一番使わないボタンで、あってもなくてもいいとも思われている」とした上で、裏技が「ゲームを通じて友達同士がつながる一番の要素」との考えを明かし、裏技には「セレクトボタンが必須」として「セレクトボタンで裏技を楽しむように、友達と遊べるゲームを、これからも作りたい」と社名の由来を踏まえて述べている[1]。
沿革
2014年6月5日にiOSでリリースしたスマートフォン用ゲーム『生きろ! マンボウ! 〜3億匹の仲間はみな死んだ〜』が評価されたことを受けて、事業化するため同ゲームを企画・開発した元カヤック社員の中畑虎也・塚田拓実・宮川佳祐の3人によって同年7月に設立された[2]。株式会社ポケモンの社員に『生きろ! マンボウ!』を繰り返し遊んでいる人物がいたことから株式会社ポケモン内でSELECT BUTTONが認知され、株式会社ポケモン内にSELECT BUTTONとのパイプを持つ社員がいたことから両社につながりが生まれた[3]。その後、SELECT BUTTONの3人と株式会社ポケモンの石原恒和が話す機会があり、石原から「情熱を持って面白いアプリを作っている方々」という評価を受けてポケモンのアプリを開発することになった[3]。
2016年6月頃からSELECT BUTTON側でいくつか企画を考えて提出し、そのなかのコイキングをテーマとした案が「SELECT BUTTONの個性」が出ているとして採用された[4]。開発は中畑・塚田・宮川の3人が中心となって9か月かけて行われ、日本では翌2017年5月23日に『はねろ! コイキング』としてリリースされた[4]。リリース後は同年夏まで『はねろ! コイキング』の新要素追加をともなうアップデートを行った。
2018年頃から『Pokémon Sleep』の開発に着手した。『Pokémon Sleep』でプロデューサーを務めた株式会社ポケモンの小杉要は、同作の開発をSELECT BUTTONに依頼した理由として、「『はねろ! コイキング』の開発を通してポケモンに関する理解を深めてくださっていますし、我々としても信頼をしている」とし、「『はねろ! コイキング』のコツコツとプレイを重ねていくゲーム性は、毎日睡眠データを計測して記録する本作と似ている部分があり、そういう意味でも相性がいいと判断しました」と説明している[5]。
『Pokémon Sleep』は、2019年5月29日に行われた「ポケモン事業戦略発表会2019」にて発表され、SELECT BUTTONが開発に携わっていることも併せて発表された[6]。しかし、睡眠計測ツールとゲームを掛け合わせた前例がほとんどないことから、さまざまなものを一から作ったり、睡眠計測ツールとゲームを両立させるゲームデザインに苦労したりするなど開発が難航した[5][7]。『Pokémon Sleep』は当初2020年配信を予定していた[6]が、これを大幅に超過して2023年7月に順次配信が行われた。
『Pokémon Sleep』の配信以降、株式会社ポケモンとともに同作の開発・運営を主体となって行っていたが、2024年11月12日に株式会社ポケモンワークスと株式会社ポケモンへ運営の主体を移行していくことをゲーム内のお知らせで発表した[8]。理由については「長期運営を見据え」たものとしている[8]。
作品
- はねろ! コイキング (2017)
- Pokémon Sleep (2023)
脚注
- ↑ 1.0 1.1 岡田有花, ITmedia (2014年08月18日). "育成ゲームなのに死にまくる 「生きろ!マンボウ」ヒットの裏側 開発した3人が起業、マンボウで世界へ". ITmedia NEWS. 2023年8月28日閲覧。
- ↑ "元カヤック社員3人が「生きろ!マンボウ!」を当て独立できた理由". 面白法人カヤック (2015年3月18日). 2023年8月28日閲覧。
- ↑ 3.0 3.1 タムタム (2017年5月23日). "【独占インタビュー】注目のアプリ『はねろ!コイキング』配信開始! 開発者の皆さんにいろいろ聞いてみた!". ポケモンだいすきクラブ. 2023年8月28日閲覧。
- ↑ 4.0 4.1 あぷまがどっとねっと (2017年6月28日). "【個人開発ゲームを斬る】『はねろ!コイキング』の開発チームに“開発秘話”を聞いてみた". ファミ通App. 2023年8月28日閲覧。
- ↑ 5.0 5.1 ゆーみん17, 竹内白州 (2023年7月21日). "『ポケモンスリープ』インタビュー。ゲームとしてのおもしろさを追求しつつ、長時間遊ばせない睡眠計測アプリならではの工夫とは。アニメ『ポケットモンスター』湯山監督など豪華制作協力陣も判明". ファミ通.com. 2023年8月28日閲覧。
- ↑ 6.0 6.1 ポケモン公式YouTubeチャンネル (2019年5月29日). "【公式】ポケモン事業戦略発表会2019". YouTube. 2023年8月28日閲覧。
- ↑ ジスマロック, 実存 (2023年7月13日). "前代未聞の「睡眠計測ゲーム」こと『Pokémon Sleep(ポケモンスリープ)』を最速体験". 電ファミニコゲーマー. 2023年8月28日閲覧。
- ↑ 8.0 8.1 Hideaki Fujiwara (2024年11月12日). "『ポケモンスリープ』、開発元SELECT BUTTONが離脱へ。株ポケとポケモンワークスの共同運営に順次移行". AUTOMATON. 2024年11月12日閲覧。