ゴウカザル/対戦
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ゴウカザルの歴史
第四世代
登場しながらにして同複合タイプのバシャーモより遥かに速攻性能が高いポケモンとして重宝され、豊富な技と両刀型が可能な種族値もあって「ミスター役割破壊」の異名を取った。俊足低耐久で先制攻撃技を持つので、特に何かのコンボを意識しなくてもきあいのタスキによるもうか型が成立した点も強かった。ただ抜群範囲を追求したフルアタック型が何よりも強く、こうしたところから初心者受けが極めて良かった。
ただ、きあいのタスキカウンター型やめざめるパワー(こおり)型を考慮しなければ案外ギャラドスやボーマンダなどの高種族値いかく持ちで受かることがあった。
プラチナでがむしゃらを教え技として習得。世代末期のバトレボ環境ではガブリアス、スイクン、サンダー、バンギラス、メタグロス、ゲンガーという最も安定した勝率を叩き出せるとされたパーティ「結論パ」が成立したが、そのゲンガーの枠をゴウカザルに変える構成もあった。ゴウカザル自体「結論パ」同士がかち合うとバンギラスをインファイトで確定1発に仕留めることができた。「結論パ」のずぶとい物理受けサンダーが余りに増えたため、フレアドライブではなくオーバーヒートで役割を遂行する型も対応するように増加した。
WCS2010(ダブルバトル)マスターカテゴリ準優勝のメンバーとして採用された実績も持っており、そのゴウカザルはねこだまし、インファイト、いわなだれ、アンコールという、起点作りに寄せた構成であり、特性はもうか、持ち物はきあいのタスキであった。
当時これだけ強かった背景には、ガブリアスがまださめはだを獲得しておらず、ゴツゴツメットも存在しなかったという事情がある。よって、素早さの実数値で劣るポケモンではゴウカザルの攻撃を2発耐えなければ1:1交換すらままならかった。
単体でも強力であったが、ダブルバトルではメタグロスを苦手とするラティオスと組んだ「サルラティ」が一般的であった。
第五世代
フェイントの実用化、タマゴ技としてのきあいパンチ、ファストガードの獲得が主な変更点。しかし、「公式完全ぼうけんクリアガイド」のシリアルナンバーを用いて隠れ特性のかそくを持ったアチャモを入手することができるようになってからは立場が一変。高火力を先手で叩き出すポケモンとしてバシャーモはゴウカザルと立場が逆転。これにより、ゴウカザルは先制技で差別化する必要に追われた。そもそもこの世代では種族値的に洗練されたポケモンが多数登場しており、そのためゴウカザル側も役割を固められた。ダイヤモンド・パール期と比べると、豊富な技による多芸さを発揮する余裕はなくなり、むしろゴウカザルの行動パターンは読みやすくなった。一方でダブルバトル、トリプルバトルではねこだましで起点を作ったりファストガードで起点の妨害から味方を守ったりという動きができるため需要を集めた。隠れ特性としててつのこぶしを獲得しているが、交代読みからのきあいパンチやもうか型だと決めつけた相手の火力計算を狂わせるマッハパンチなど、てつのこぶし型にするとどうしても奇襲寄りの運用が想定されてしまう。
第六世代
メガシンカの登場によってゴウカザルの火力と速度程度ではそれほどのアドバンテージにならなくなった。さらにファイアローが登場したことによってどれだけ素早くともはやてのつばさを活かした制圧によって処理されてしまう危険性が高くなった。一方でダブルバトルでは第五世代と変わらずそこそこ使われており、レーティングバトルXYリーグダブルバトルではシーズン4からシーズン5、シーズン8からシーズン9で使用率ベスト30にランクインしており、最高位はシーズン4、シーズン8の23位。それでもORASリーグではバシャーモのメガシンカが一般解禁されたため、ダブルバトルでも立場がなくなっていた。
PGLレーティングバトル統計データからは、XYリーグダブルバトルでの主流技として、共通のものはねこだまし、マッハパンチ、ファストガード、インファイトが使われていることがうかがえる。もうか型ならフレアドライブ、オーバーヒート、ねっぷうがゴウカザルのメインウエポンとなり、てつのこぶし型ならほのおのパンチ、かみなりパンチが候補に上がる。てつのこぶし型ともうか型が需要をほぼ二分しているが、てつのこぶしの需要がそれほど上がった背景には、ギャラドスがメガシンカを獲得して強化された。ギャラドスメタとしてのかみなりパンチの必要性が増したため、引いてはそれを搭載するならてつのこぶし型にすればシナジーが生まれるのではないかという発想が一般化した。性格は後述の通りの傾向であり、持ち物はきあいのタスキやいのちのたまが好まれた。性格はようき、むじゃき、せっかちがメイン。
XYリーグのダブルバトルでは物理耐久の脆いメガサーナイトをゴウカザルで守る「サルサナ」構築が流行。初手でゴウカザルのねこだましとサーナイトのこごえるかぜを放つことでで素早さのアドバンテージを取り、ねっぷうとハイパーボイスの全体技で制圧していくのが理想的な流れ。
ORASリーグではステルスロック、がんせきふうじ、アンコールがサポート技としておもに採用され、火力はインファイト、オーバーヒート、フレアドライブで出し、起点型としての運用が主であった。特性はXYリーグとは打って変わってもうか型が主流になり、マッハパンチやかみなりパンチ、引いてはてつのこぶしの需要が落ち込んだ。持ち物もきあいのタスキが好まれるようになった。上級者筋はガブリアスやメガガルーラより素早さの種族値が高いこと、メガガルーラに一致で抜群を取れることを重視し、ステルスロックとおにびを特にゴウカザルの覚える技として重視した。
単体ではメガバシャーモに見劣りするが、ゴウカザルで起点を作って物理積みアタッカーのメガボーマンダ、特殊積みアタッカーのウルガモスで無双する「サルマンダガモス」がORASリーグシングルバトルにおけるゴウカザル入りの構築として主流化。実際、ORASリーグシングルバトルでゴウカザルと同時エントリーされたポケモン1位、2位にそれぞれボーマンダ、ウルガモスがランクインしていたシーズンは6シーズン確認される。
WCS2016は禁止伝説級の出場を解禁した「GSルール」であったが、高い素早さのおかげでねこだましの打ち合いに強い点が評価され、ベスト8進出者の内1人に使用された。
第七世代
ファイアローの弱体化によって天敵が1体減ったが、目の上のたんこぶであるメガバシャーモはそれに乗って環境でさらに勢いを増し、ゴウカザルの立場はますます悪くなった。ダブルバトルでもサーナイトの相方としてはガオガエンがゴウカザルに取って代わった。一方、2018年2月に行われたシンオウ図鑑限定戦の『バトル オブ シンオウ』ではジュニアカテゴリ6位、マスターカテゴリで5位の使用率を記録しており、各カテゴリで使用率ベスト30選外であったエンペルトを引き離した格好となった。
USUMリーグシングルバトルでは単体構成としてはORASリーグと変わらず起点型としての性質が強いが、カプへの対策となるダストシュートもポツポツ採用されるようになっている。代わりに、Zワザがアンコールを無効化するため、アンコールの採用率は低下している。
前世代の「サルマンダガモス」は、流行しているステルスロックにウルガモスが弱いこと、メガボーマンダが耐久型として利用されるようになり起点を作ってから全抜きという流れに組み込まれなくなったことから下火になり、代わりにわるだくみでの爆発力が売りのアーゴヨン、メガシンカによるタイプ変化でサイクル戦を有利に進められるギャラドスがサポートする先のエース積みアタッカーとしては主流化。
JCS2019(GSダブル)ライブ大会シニアカテゴリベスト8進出者中1人が使用。使用したその選手はキリキザンもまたベスト8進出者中自身ただ1人が使用するポケモンとして使用していた。
一般的な育成論
高い攻撃・特攻・素早さを持つ。性格をようき・むじゃきなどにして、物理アタッカーか二刀流アタッカーに育成すると良いだろう。
通常特性はもうかであり、自身のHPが減少した時にほのお攻撃の威力を上昇させることができる。隠れ特性はてつのこぶしは効果が適用される技が少ないが、ギャラドス対策などでかみなりパンチを使用する場合は威力が75から90に上昇するため採用候補となる。
物理技の候補としては、フレアドライブ/ブレイズキック/ほのおのパンチ、インファイト/マッハパンチ、じしん、ストーンエッジ/いわなだれ、かみなりパンチ、アクロバット、どくづき、アイアンテール、シャドークロー、とんぼがえり、ねこだまし等が挙げられる。
特殊技としては、オーバーヒート/だいもんじ/かえんほうしゃ、きあいだま、くさむすび、めざめるパワー氷などが候補となる。
変化技はおにび、アンコール、ステルスロック、ちょうはつ、ファストガード等が挙げられる。
習得技が迷うほど豊富にある点もゴウカザルの長所となっている。
持ち物は低い耐久を補って行動回数の確保をするきあいのタスキか、火力を底上げするいのちのたまを選択される場合が多い。
同じほのおとかくとうの複合タイプのバシャーモと比較すると、種族値は攻撃が劣るものの素早さで勝っているが、バシャーモはかそくで2ターン目以降はゴウカザルの素早さを上回る。一方でバシャーモは主力格闘技のインファイトを覚えない点(←第8世代では習得可能)や、初速が遅くかそく発動前の1ターン目に隙が生じやすい点が劣る。ただし、全抜きを目指すエースアタッカーとしてはゴウカザルはバシャーモより火力が低く、素早さも抜かれる可能性がある数値であるため、バシャーモの方に軍配が上がる状況にある。そんなバシャーモとの大きな差別化点は先制技にあり、初手のねこだましととどめのマッハパンチを使いこなせれば結構なアドバンテージになる。ただし、先制技は威力が低いという短所を持つため技の枠と相談する必要がある。
かつては「ミスター役割破壊」と呼ばれる事があるほど豊富な技による攻撃範囲の広さで、目の前のゴウカザルがどんな型であっても止められるポケモンは存在しないとさえ言われる事があるほどだったが、実際は火力指数がそれほど高い訳では無い(打点はあっても一撃では落とせないので交代読みが必要等)他、主流の技についても一致技の格闘技と炎技は確定であり、また耐久も低めのため意外と止まる事は多い。